早稲田大学特任教授が射抜くワイド1点

[2013年5月26日]

【日本ダービー】前走はたんなる試走と決めれば

初めてダービーをこの目で見たのは第40回だった。断トツ人気のハイセイコーが伸びあえぎ、タケホープとイチフジイサミに抜かれて3着に沈んだ。ハイセイコー絶対の信仰心があったから、苦い初体験の思い出である。あれから40年の歳月が流れ、今年で第80回日本ダービー。必ず競馬場で観戦することにしているから、その半分はこの目で見たことになる。


ところで、1ヵ月ほど前の東京競馬場で、居酒屋の酔いどれ仲間と青葉賞を観戦した。口撃機関銃ヤマは「レッドレイヴンで鉄板」と鼻息が荒い。ところが11着に沈むと、雨に濡れる火縄銃に変身してしまった。ヤマはデータ派でもあるから、今や「今年の青葉賞はレヴェルが低い。勝馬さえいらないぐらいだから、惨敗した馬なんか、無視してよい」とか息巻いている。


はたしてどうか、ここは捨てられた馬こそうま味があるような気がする。前走は長期休養明けの、たんなる試走と決めれば、ひたすら(17)レッドレイヴンを狙うだけ。そんなことを口にすると、ヤマは「先生、恥かくからおよしなさいよ」とご忠告してくれたが、まあ恥かくのはお前さんだろう。


もう1頭は

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
元東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
現在は早稲田大学特任教授。
放送大学客員教授。専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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