早稲田大学特任教授が射抜くワイド1点

[2014年5月25日]

【オークス】5戦すべてが3着以内のアノ人気薄に白羽の矢を当てる

この金曜日に古代ギリシアの詩聖ホメロスの『イリアス』最終第24巻の朗読会に出た。ギリシア人とトロイヤ人の戦争を描いた世界文学の古典中の古典であり、この巻だけでもゆうに1時間は超える。しかも原書テキストの古代ギリシア語の朗読であり、聞いてすぐ理解できるほどギリシア語力があるわけではないから、原文と邦訳をかたわらに置きながらの拝聴なのである。しかし、格調高い詩の流れの雰囲気にひたるだけでも、貴重な経験だった。

この物語のなかでギリシア軍最強の戦士がアキレウスである。足のかかとを射られて最期をとげたから、アキレス腱の語源になった英雄である。そのせいで、Achilles’heelと言えば、弱点や急所を意味するらしい。

このオークスには女だてらにアキレウスのように強い⑩ハープスターが出走する。トロイヤ王子ヘクトルのごとき強敵レッドリヴェールがダービーに回ったから、もはや敵なしの鉄板人気である。でも、そうなるとアキレス腱のような弱点を探したくなるのが、馬券師きどりの人情だろう。

居酒屋「青夷」のカウンターで口撃機関銃ヤマは例によってデータ片手に口角沫をとばす。東京コース未経験の大本命馬に比べて⑰フォーエバーモアは2戦2勝が買い材料らしい。ときどき酒場に顔を出す青中年Xは競馬、野球、サッカーなどスポーツ情報にやたらと詳しい男だが、ビワハイジを母にもつ⑧サングレアルで祝杯をあげたいらしい。

今年のオークスで

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
元東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
現在は早稲田大学特任教授。
放送大学客員教授。専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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