早稲田大学特任教授が射抜くワイド1点

[2017年04月15日]

【皐月賞】皐月賞馬券の王道

「人間は信じたいことを喜んで信じるものだ」とは、かの古代ローマの英雄カエサルの至言である。彼には人間がよく見えていた。

信じたいものがはっきりしていれば、事はかんたんである。たとえば、好きな馬がいれば、勝ってもらいたいはずだ。でも、馬券を買い始めたころはともかく、「勝ってもらいたい」と「勝つだろう」とは異なることぐらい徐々にわかってくる。

ところが、複勝やワイドになると、この自明の理があやふやになる。「3着まで来てもらいたい」と「3着まで来るだろう」とがぐちゃぐちゃになる。人間の精神とはそんなものではないか、と諦めがちになる。

居酒屋「青夷」の面々。誰もが馬券をとりたいのは自明の理。そこで「3着まで来てもらいたい」と「3着まで来るだろう」を区別して戦術をねる。

そういう目で見ると、意外にも「来てもらいたい」組は多い。マンハッタンカフェ大好き人間の熟女馬券師ワフさんはもちろん⑫アメリカズカップが無条件の本命だし、逃げ馬大好きのマスターは⑮アダムバローズに「そのまま~」と叫ぶ自分が見えるというほど。想定外を好みがちのギャンブル馬券師ミノ先生は⑤レイデオロを「意外に大物かも」と休養明けでも期待するらしい。

「来るだろう」組は例によってデータ武装の口撃機関銃ヤマが大将様。さんざん理屈をこねたあげく、スプリングSの勝馬⑰ウインブライトを狙うとか。

この組なら、なんといっても⑧ファンディーナが筆頭だろうが、データ派にとってデータがない牝馬は重視できないらしい。ここで牝馬に勝たれるようでは、この世代の牡馬の未来は真っ暗。

ここは私の欲目で牡馬に「来てもらいたい」が本音。なかでも

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
元東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
現在は早稲田大学特任教授。
放送大学客員教授。専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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