東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2018年05月12日]

【ヴィクトリアマイル】そろそろ機嫌を直して…

新聞に書評するために楠瀬良『サラブレッドに「心」はあるか』(中公新書ラクレ)を読んだ。牝馬は、叱りつけるとすぐに機嫌を損ねるし、いったん気分を害するとなかなか元に戻ってくれないらしい。

昨秋の天皇賞の日、一番よく手入れされている馬を選ぶ審査員になり、パドック入りの前から出走馬の仕上がり具合を観察することができた。ひどい雨降りの日だったが、牡馬キタサンブラックと牝馬ソウルスターリングがきわだっていた。松山康久・元調教師と相談して牝馬を選出したが、牡馬が勝ち、牝馬は6着に沈んだ。

きっと体調は万全なのにどろどろ馬場にのめって彼女は機嫌を損ねてしまったのだろう。そのせいか、凡走つづきであり、万全とは見なされていない。調教にまたがったルメール騎手は「ハミをとって行きたがるので、今度は後方待機でゆっくり行く」という。問題は体調面より精神面にあると私は思っている。

居酒屋「青夷」はG1シーズンで盛り上がっても馬券が当たらないことには勢いづかない。NHKマイルCは、口撃機関銃ヤマもギャンブル狂師ミノ先生も大穴狙いのマスターも熟女馬券師ワフさんも揃って討死、かくいう私も屍の数を増やしたである。

さて、マイル女王決定戦だが、オークス馬⑨ソウルスターリング、桜花賞馬2頭⑤レーヌミノルと①レッツゴードンキはバッサリ切り捨て、上昇気運の⑯リスグラシューを狙うらしい。騎乗予定だったケイアイノーテックがNHKマイルを制したとなると、豊さんも騎乗停止が解けて全身血がたぎっているのではないだろうか。今回は穴狙いでいくらしいミノ先生は⑰デンコウアンジュ、いつもの大逃げ期待のマスターは⑦カワキタエンカ、マンハッタンカフェ命のワフさんは人気薄で⑧クインズミラーグロと⑮デアレガーロの2頭の複勝でいくらしい。

さてさて、そろそろ機嫌を直してくれそうな時期が来た。オークスを制した舞台と陽気が戻り、ゆるりと後方待機で息を抜ければ、潜在力ナンバー1のフランケル産駒⑨の底力が炸裂する。相手はダンシングブレーヴ牝馬を母にもつディープインパクト産駒⑥レッドアヴァンセの上昇気運も捨て難い。その産駒が競馬の本場イギリスの1冠目2000ギニーすら勝ち、英ダービーの本命とされているのだから、勢いは止まらないのだ。


ヴィクトリアマイル

⑥-⑨ ワイド1点で勝負する

⑥-⑨の2頭軸で3連複総流し16点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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