東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2018年07月07日]

【七夕賞】七夕の神々の粋なはからいを期待

物珍しさは粋なはからいにもなる。土曜日福島9レースは500万下の条件特別なのにまるで重賞並みの注目度だった。G1戦5レースをふくむ障害レース9連勝中の史上最強障害馬オジュウチョウサンが平地のレースを走るのだから、期待と不安が相半ばする気分で見た。好位追走から早めに抜け出し、3馬身差の圧勝だった。いつも62~63キロの重量を背負って走っていたから、今日はやけに軽いなあ、と思っていたのではないだろうか。有馬記念をめざすというから、準オープン級まで進めれば、すこぶるおもしろい見世物になる。

なんとなく福島らしい七夕賞。居酒屋「青夷」では、データ派の口撃機関銃ヤマがいかにも自信ありげにまくし立てる。2000m実績有りと高齢馬用なしで4歳馬①プラチナムバレットに白羽の矢を当てる。ギャンブル狂師ミノ先生は7歳と高齢でも記憶から消えつつあるダービー3着と福島実績を重視して③マイネルフロストを狙うという。穴馬好きのマスターは軽量牝馬の⑦ワンプレスアウェイがゆるがぬ本命らしい。マンハッタンカフェ命の熟女馬券師ワフさんはもちろん同馬産駒の①でヤマとの心中馬券になる。

七夕はなんといっても男と女の出会いの場だ。ならば、古馬になって血が騒ぐハービンジャー産駒の牡牝の2頭に賭けてみる。戸崎騎乗の5歳牡馬⑥サーブルオールと内田騎乗の5歳牝馬⑩レイホーロマンスが寄り添って抜け出す場面が目に浮かぶ。七夕の神々の粋なはからいを期待したい。


七夕賞

⑥-⑩ ワイド1点で勝負する

⑥-⑩2頭軸で3連複総流し10点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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