早稲田大学特任教授が射抜くワイド1点

[2012年4月8日]

【桜花賞】AKB娘のレースのようなもの

こちらの加齢とともに、若い女性がほとんど同じような顔に見える。だからAKBと言われても、名前と顔が一致するのは前田敦子ぐらいしかいない。その彼女の発言に近ごろ痛く共感した。「AKBをやめます。でも、ほんとうは不安でいっぱいです」と。わが心は即座に「東大をやめます。でも、ほんとうは不安でいっぱいです」と反応したのである。


新オフィスの本棚取り付け作業が終わった後、手伝ってくれた若い研究者と一杯飲んだ。そのとき「先生、いよいよ念願の肩書きのない名刺がつくれますね」と言われた。定年退職後は組織には一切属さず、筆一本で凌いでいくとは数年前から決めていた所定の路線。


かつて、読売新聞の書評委員を2年間(2008-09年)務めたことがある。そこで、自己紹介の折に、名前と肩書きを言うように指示された。型どおりに「東大で西洋史を教えている本村です」と挨拶した私。次々とめぐりキョンキョンの番がきた。彼女は「小泉今日子です。肩書きは小泉今日子です」とやってくれた。まわりは誰も「かっこいいなあ」と思ったのではないだろうか。彼女ほどの知名度があってこそできることだが、そもそもひとりの人間としては肩書きなどに頼らずに生きたいものだ。


とはいえ現実に組織を離れるとなると、たしかに心細くならないわけではない。いくら強がっていても、心の底にひそむ不安感はぬぐえないもの。そんなときの20歳の若い女性の涙の発言だから、還暦過ぎたオジさんの心は桜の花びらがひらひらするがごとく揺さぶられたのだ。


さて、桜花賞はAKB娘のレースのようなもの。次の総選挙とやらで新しいエースになるのは誰か、

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
元東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
現在は早稲田大学特任教授。
放送大学客員教授。専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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