東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2012年8月12日]

【関屋記念】夢よ、戻って来い

久しぶりに立ち寄ったスナックのカウンターで太目のスガちゃんがハイボールを飲んでいる。「週末に新潟に行って関屋記念でも見ませんか。酒も魚も美味しいですよ」と誘ってくる。横にいた兄が「俺も行くよ」と嬉しそうな顔で声を弾ませている。どうせ大学も退職したんだし、軽いノリで出かけることにした。


広々とした緑の競馬場だが、なぜか靄がかかったようなコースの奥から抜け出してくる2頭の馬。(3)の馬と橙色だか桃色だかはっきりしない帽子の騎手の馬が走り過ぎる。「獲った、獲った」とはしゃいでいるのが、馬券上手な兄だった。この人ときたら、狙った馬から内枠の5,6頭に総流ししたり、外枠の5,6頭に総流ししたりして馬連を買う。それで結構当たったりするのだから、どうなっているのと思うのだが。


それで帰りはスガちゃん行きつけの居酒屋に入って、新潟名物「のどぐろ」の刺身つまみながら、「越之寒梅」をすする。酒の味が胃の臓腑にしみわたるような感じがしたとき、目が覚めた。


太目のスガちゃんも馬券上手な兄も、もはやこの世にいないのだ。お盆が近いので、私の夢のなかにでも出てくる気になったかどうか。そういえば、祖父母も両親も兄も故人なのに、ときどき夢に出る。そのときこの人は死んだはずなのに、とは思わないのが夢の不思議なところだ。


関屋記念の新潟競馬場に毎年のように出向いていたスガちゃんがいて、馬券を内枠か外枠かの数頭に総流ししていた兄がいた。そんなわけで

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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