馬券ネオメソッド(レース回顧編)
ダブル重賞の回顧
第64回中京記念
1着
ガリバルディ
2着
ピークトラム
3着
ケントオー
ラップ:
12.3-11.4-11.8-11.7-11.8-11.2-11.5-11.9
時計:1.33.6
いや、これは本当に、本当に恐れ入りました。久々に見せてもらいました『逆境のディープ』。
ディープインパクトという種牡馬は、明らかに条件が不利と思われるときほど、その力を発揮する傾向にあります。これまで何度もそんな場面を見てきましたが、今回はその真骨頂だったと思います。
これは以前から何度も指摘していることですが、今年に入ってから中京芝1600でディープインパクト産駒は1頭も勝っていませんでした。ディープインパクト本体のみならず、今年、新種牡馬としてデビューしたディープブリランテ、トーセンホマレボシ産駒も同様。土曜日の中京2歳Sで、ディープブリランテ産駒がようやく勝ち星を挙げはしましたが、同じレースでディープインパクト産駒の人気馬はやはり飛んでおり、相変わらずディープ苦戦の傾向は続いていました。
それが、ラストの重賞でコレですよ。世間的には神懸り的なプレーを続けていた福永騎手の神通力という言われ方がするかもしれませんが、血統に主眼を置く私は、“逆境のディープ”の恐ろしさしか感じません。たった1頭で状況を全てひっくり返してしまうのですから。しかも、ガリバルディといえば、かつて京都新聞杯3着はあるものの、近走はオープン特別で微妙に足りない競馬を続けていた馬……。いや~これが来ますか。
確かに、前兆と思しきものはありました。前日にディープブリランテ産駒が勝ったことだけでなく、ガリバルディの妹であるジョンブリアンという馬が、1400と距離は違いますが勝ち上がっています。前日に4鞍行われたマイル戦では、先のディープブリランテ産駒だけでなく、6番人気2着トーセンデューク、8番人気3着フロレットアレーと、穴馬の台頭もありました。今にして思えば、沸騰直前のグツグツ感は見せていたのでしょう。そして、重賞の舞台で鮮やかに結果を出して見せる……
以前に書いた気がしますが、この辺りが種牡馬としてのディープインパクトのたまらない魅力なのかもしれません。穴が少なく、コンスタントにどんな状況でも結果を出していた種牡馬サンデーサイレンスが優等生なら、ディープインパクトは穴も傷もある劣等生です。しかし、時として優等生を遥かに上回る爆発力を発揮して、周りの状況を一気にひっくり返してしまう。最近、あまり元気がないなぁと思っていたディープインパクトが、久々に“らしさ”を見せてくれた一戦という意味で、馬券を離れて痛快な気持ちにはなりました。
もうひとつだけ付け加えさせていただくと、2着ピークトラムの父チチカステナンゴ。かつて中京芝1600で相当な好成績を残し、いわゆる“ベタ買い種牡馬”として重宝した時期もあったチチカステナンゴですが、中京芝の高速化(普通の馬場になってきただけですが)に伴い、その存在感をスッカリ失っていました。そんなチチカステナンゴ産駒が2着に健闘したことも目を引くポイントでしたね。これも、前日に行われたマイル戦でブリクストが3着に入って予兆は見せていました。
不振だったディープとチチカスのワンツー。急激に変化した中京芝コースに対する強烈なアンチテーゼと受け取ったのは私だけでしょうか。
第48回函館2歳S
1着
レヴァンテライオン
2着
モンドキャンノ
3着
タイムトリップ
ラップ:
11.7-10.7-11.1-11.6-12.0-12.1
時計:1.09.2
1、2着馬は予想の段階で候補馬としても挙げていた馬で、普通に走ればまあこうなるよねという納得の結果。13番人気だった3着タイムトリップを拾えるかどうかが焦点ということになるわけですが、父ロードアルティマの持つマイナー性とシーキングザゴールドの流れを汲むという米国性に着目すれば、候補に挙げられる可能性はあったかもしれません。まあ、このあたりは『それ言い始めたら何でも入るよね』という世界なので、実際にはなかなか難しいんですが。レース自体は、本当に綺麗な立ち回りから、全くロスなく抜け出せたという感じ。丸山騎手が上手く乗ったということもあるし、周りの馬に比べてロスが少なかった、つまり、他が沈んだことで浮き上がったという印象。これまで全くと言っていいくらい実績のなかった福島デビュー組の好走という意味では、データをひっくり返した功績は評価するべきかもしれませんが、基本的には偶発性の強い3着馬だったのではないでしょうか。
勝ったレヴァンテライオンは、初戦でこの時期の2歳馬としては珍しい前傾ラップを勝ち切っており、その経験が活きた格好。血統的にもいかにも早熟っぽさ満載なので、例年の勝ち馬同様、今後は嫌っていく方向でいいと思います。これは母父ヴァイスリージェント系ゴーストザッパー。
2着モンドキャンノは序盤でかなり行きたがって、そこでゴチャゴチャしてしまったのが可哀想でしたが、リカバーは利いていたと思いますし、今回に関しては力負けだと思います。これは母父サクラバクシンオー。
◎ラーナアズーラは大外枠が致命傷でした。分かっていて◎を打っているのですから言い訳にはなりません。あれだけ付いていくのに手一杯になるとは考えていなかったので、見立てが甘かったと言わざるを得ません。
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