境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

天皇賞・秋の回顧

第154回天皇賞(秋)
1着モーリス
2着リアルスティール
3着ステファノス

ラップ:
13.3-12.0-11.6-11.9-12.0-12.3-12.0-11.5-11.0-11.7
時計:1.59.3

まずはモーリスについて。
今回は、中間に堀厩舎に転厩して以来初めて強めの追い切りを挟み、最終追い切りも水曜日。明らかにいつもと違う調整過程であり、『これは仕上げが遅れているな』と考えていたのですが、そんなこおはお構いなしの磐石の勝ちっぷり。ムーア騎手の手綱捌きも見事でしたが、ここでは一枚役者が違ったという印象。恐れ入るとともに、自らの浅知恵を恥じるばかりです。

今年の天皇賞・秋は、例年にないくらい序盤が遅く、いわゆる上がり3ハロンの瞬発性能比べのレースになりました。過去の天皇賞で最初の3Fの入りが36.9秒というのは、ちょっと記憶にありません。そして、道中で一端緩んでいるところもポイント。これで後続に追いつかれてしまっては、ラスト4Fの持続力勝負に強いエイシンヒカリには厳しい展開になりましたね(もっとも、後述しますが、エイシンにはもうひとつ致命的な敗因があったと見ていますが)。
その結果として、モーリスやステファノスなど、マイル適性の高い馬がより躍動することになりました。この結果を見る限り、2着リアルスティールも本質的にはマイラーとしての資質を持っているような気がします。今後、使ってくる機会があれば注意が必要でしょう。

もう一つ、勝敗を分けた大きな要因がトラックバイアスです。この日の東京は、内ラチ沿いが壊滅的に悪かったようですね。
この日、最初のレースだった2歳未勝利戦。結果の位置取りだけ見ると戸崎騎手が乗ったラユロットが逃げ切っているということになっていますが、これが単なる逃げ切りではなく、直線の入り口で内2頭分くらい開けて回ってきているところがポイント。この時点で『ああ、相当内が悪いんだろうな』と思って見ていたのですが、案の定、その開いたスペースに飛び込んだ1番人気スマイルフラワーは思いのほか伸びあぐねます。休み明けの分があったかもしれませんが、この馬のポテンシャルを考えれば、普通は楽に差し切っていそうなところでこの結果ですから、これは外伸びになるなという予感はこの時点で既に生まれていました。
4Rの新馬戦では持ったまま楽勝の手応えで内ラチ沿いを逃げていたダークプリンセスがゴール寸前で急失速し外差しに飲まれ、その後も馬場の真ん中から外を通した馬ばかりが上位を独占。それ以上に、内を選択した馬が手応えほど伸び切れずジリジリになる姿があまりに顕著でしたから、やはり相当な真ん中~外有利のトラックバイアスが発生していたんだと思います。

というわけで、勝ったモーリスのムーア騎手のコース取りがこの日の必勝ロードだったわけです。正直な話、これまでムーア騎手の騎乗を見ていて、あまりトラックバイアスに執着するタイプの乗り役さんではないんだろうなと思っていたので、少し驚きました。ロスを少なくすることを優先する印象があったので。
もっとも、邪魔さえされなければ勝てるという自信が、安全運転の外回しを選択させ、結果として馬場の良いところを通れたという見方もできるとは思いますが。

一方、そのトラックバイアスの中、最悪の形になってしまったのが私の本命馬アンビシャスでした。
全ての元凶はご覧のとおり、スタートの致命的出遅れです。あれで全ての作戦が狂ってしまったのではないでしょうか。しかも、この馬の気性を考えると、外に持ち出してはガッツリ引っ掛かるであろうことは目に見えていますから、馬群の中から出すことはできません。4角を回ったところでも外に持ち出す選択肢を消され、仕方なく内に潜り込んだ結果、この日、これまで何度となく見せられてきた『内に入った馬ジリジリになるパターン』に嵌ってしまいました。
もっとも、それを考えれば、もっと下の着順をもらっても不思議ないレースだったと思います。改めてこの馬のポテンシャルも相当なものだとは思いました。ただ、そのポテンシャルを全開にするには、あまりに注文が多すぎるなとも。歯痒いところですね。

もう1頭、残念だったのがエイシンヒカリです。これはもうどうしようもないでしょう。最内枠を引いて控えるというのも難しいところに来て、しかも外に出せというのは、これまでこの馬がやってきたことの全否定になりますからね。正直、レースが始まる前の時点で、既に“詰み”の状態になっていた感じです。いくら武豊騎手でもどうにもなりませんよね。得意のラスト4F勝負を捨て、あえて上がり3F勝負の形に持ち込んだのも、少しでも外を回した馬にロスをさせようという意図からの、苦しい勝負手だったんだと思います。そもそも天皇賞というレース自体が、逃げ切り困難で知られているレースですが、今年は特にキツかったでしょうね。もう国内で走ることはないそうですが、是非、最後の国際競走では力を出し切れなかった鬱憤を晴らしてもらいたいものです。


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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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