馬券ネオメソッド(レース回顧編)
七夕賞・プロキオンSの回顧
第53回七夕賞(GⅢ)
1着
ゼーヴィント
2着
マイネルフロスト
3着
ソールインパクト
ラップ:
12.0-10.5-11.4-12.2-11.9-12.0-11.6-11.8-11.9-12.9
時計:1.58.2
まず、マルターズアポジーは可哀想なレースでしたね。
スタートからフェイマスエンドに突っ掛けられます。フェイマスエンドはスタート直後に勢い余って斜めに飛んで行っているほどで、騎乗した石川騎手は最初からこういう形を狙っていたんでしょうね。1角手前ではスッと引いてくれましたが、スタート直後にやりあった分もあって、前半3Fは33.9秒!
そこで勢いが付いてしまっていますから、なかなかペースも落とせないもの。半周丸々抑えが利かなかったですね。
そして、やっとペースを落とせると思ったところで、今度はマイネルフロストが来ます。まあ、マイネルフロストとしては当然の作戦で、せっかく序盤に人気の逃げ馬が無理をしてくれたわけですから、徹頭徹尾厳しい競馬に持ち込まないといけません。マルターズが息を入れようとするタイミングは定石の仕掛け処ですから、それを見計らっていたことでしょう。その作戦通りに事が運んだ結果、2着粘り込みが叶いました。馬自体、一時期の不振を完全に脱していることは近走成績から明らかですが、今回に関してはこの柴田大騎手の策士ぶりが存分に発揮された結果だと思います。
勝ったゼーヴィントは、そんな先行勢の丁々発止を見る絶好位からの競馬。福島でこの形になると、後方一気はまず決まらず、だいたい、こういう中団あたりから早めに動いた馬に利が生まれます。今回はゼーヴィントのポジションですね。元々、機動力がウリの馬ですから、こういう展開は持って来い。勝つのも納得です。
上位馬は重賞でも好走実績が豊富にある馬ですから、結果だけ見れば実力通りに決まったような印象を受けてしまうところですが、今回に関してはレースのアヤが大きかったように思います。
私が期待したパドルウィールは8着。ただ、3着馬とは0.1秒差。直線も内から伸び掛かっていましたから悪い内容ではなかったと思います。この馬も乱ペースの恩恵を受けたクチで、直線入り口でもう少し十分な進路を確保できていたら……と悔やまれるところです。福島は4角手前から踏んで惰性を利かして雪崩れ込みたいので、一旦進路がなくなってブレーキを踏んだ場面が勿体無かったです。
血統的には、予想コラムで指摘したポイントのひとつ。ディープインパクト産駒が1、3着と好走しました。ゼーヴィントはとりあえずとして、3着は7番人気ソールインパクトもディープ産駒。重賞において、人気薄のディープ産駒が穴を開けるケースは少なくありませんが、このレースは昨年に続いての結果。来年以降も重視する必要のある血統傾向と言えるでしょう。
第22回プロキオンS(GⅢ)
1着
キングズガード
2着
カフジテイク
3着
ブライトライン
ラップ:
12.2-10.9-11.1-11.8-12.1-12.4-12.4
時計:1.22.9
今週の中京ダートコースは、基本的には先行馬有利な馬場状態だったと思います。2Rの未勝利戦の前半3Fが34.1秒。まあこれは逃げた馬だけがビュンビュン飛ばしているだけなので、正確にレースの全体像を示しているとはいえませんが、そのペースで進んだ未勝利戦ですら、上位3頭は2~4番手からレースを進めていた馬でした。
それが、このプロキオンSは後方待機組の上位独占。先行勢が少しだらしなかった印象は拭えませんが、チャンピオンズCしかり、高松宮記念しかり、どうも中京は重賞と他のレースで全くレース形態が異なるというケースが多いように感じます。たとえば、「今週は前残り傾向だから」というイメージで重賞の予想をするとだいたい裏を食う印象があります。これはひとつ今後のヒントになるかもしれませんね。
血統的には、私が予想段階で傾向を見出しながら軽視してしまったボールドルーラー系産駒のキングズガードが勝ち、サンデー系の引いていない方、ブライトラインが3着。何とも歯痒い結果に終わってしまいましたが、収穫は、過去のこのレースでも好走馬を出している系統が好走したということ。今年該当馬がいなかったキングマンボ系(特にキングカメハメハ産駒)も含めて、来年は父キングマンボ系、父ボールドルーラー系、父サンデー系が3本の矢ということになりそうです。あと、昨年触れて今年は触れませんでしたが、昨年3着のキングズガードが勝ったことで、再びリピーター性を意識する必要がりそうです。中京の重賞は全般的にリピーターが生まれやすいと言えますね。
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