境和樹の穴馬券ネオメソッド

馬券ネオメソッド(レース回顧編)

ローズSの回顧

第35回ローズS(GⅡ)
1着ラビットラン
2着カワキタエンカ
3着リスグラシュー

ラップ:
12.4-10.9-11.3-11.8-12.2-12.0-11.6-11.3-12.0
時計:1.45.5

かなり難しい決着になりました。
勝ったラビットランはタピットにディキシーランドバンドという配合の米国産馬。この馬が初芝の前走で使った上がり33.0秒という数字は、中京芝1600における最速上がりだったそうで、その点からこの馬の本質的な芝適性を見抜き、同時に能力的に足りると結論付けられた方の勝ちということになったことになります。
ボールドルーラー系産駒は、全般的に米国性の強いダート血統であり、その主戦場がダートであることは疑いのないところだと思います。今回の勝利によってその評価を覆す必要はないでしょう。しかし、同時に米国血統=ダートのイメージをあまり強く持ちすぎない方がいい時代が確実に到来しているということも、今回の結果を受けて肝に銘じなければいけないとも思いました。

私が競馬を始めた頃といえば、ダートから芝に転戦してきた馬はノータイムで消しで問題ありませんでした。しかし、時代は確実に変わっています。ちょうど、この原稿を書いている目の前で、過去の神戸新聞杯のVTRが流れているのですが、そこにちょうどリアファルが登場しました。あのリアファルという馬も、デビュー以来一貫してダートを使い続けながら、3歳夏に突発的に芝を使い、そこで快勝。その勢いに乗って神戸新聞杯を制しました。トライアル前に初めて使った芝で快勝、トライアルを制するという流れを、奇しくも今回のラビットランがトレースしたことになります。
かといって、日本の芝が米国っぽさを要求するようになっているかと言われると別にそういうことでもなく、むしろサドラーズウェルズなどは勢力を地味ながら拡大していると思います(母系に入って底力を補完しているという側面も含めて)。
かつて、サンデーサイレンスが席巻していた時代とは違い、一応、リーディング種牡馬として君臨するディープインパクトも絶対と言える存在ではない最近の競馬界。あらゆる血統にチャンスが出てきているという意味では、血統馬券も以前とは違ったアプローチが出てくるかもしれませんね。

話が少し逸れましたが、先述リアファルがそうだったように、もうここまでくるとラビットランの勝利がフロックなどとはとても言えません。そして、実際に芝で負けたことがないという事実は尊重されるべきでしょう。
ちなみに、和田騎手はこの走りができることを見抜いて、オークス2着のモズカッチャンではなくこちらに乗ったんでしょうか。だとしたら、とんでもない相馬眼ですね。

本番に向けての話をしておきたいと思います。
これは秋華賞の時にも書くことになりますが、秋華賞は前傾ラップがデフォルトのレースで、テン3Fが速いレースで好走した経験のある馬が強いレースです。今回、ローズSがテン3F34.6秒だったことで、本番への直結可能性は増していると思いますが、個人的にはここで負けた組に注目したいですね4着ミリッサと14着カラクレナイ。どちらも、秋華賞好走に必要なハイペース好走実績があり、ここでの敗戦で人気を落としそうな存在です。


最後に、月曜日のセントライト記念についても。ノーザンテースト系保持・内包馬として強調したミッキースワローが1着。まあ、その血統傾向の話は置いておくとして、かなりインパクトのある勝ち方でしたね。父トーセンホマレボシといえば、私が京都新聞杯を勝った時点で「今年の菊花賞馬」に指名し、ダービーでひと足早く走られて「ああ、これで人気になっちゃうよ」と悔しがっていたら、そのまま引退してしまいより悔しい思いをしたという思い入れのある馬です。
最新の菊花賞においては、血統的にもう少し米国的なパワーが欲しいところではありますが、この勝ちっぷりなら楽しみは増しますね。


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境 和樹

『東京スポーツ』や『競馬最強の法則』などで人気コラムを執筆。各メディアから最も注目されている新進気鋭の実力派予想家。合格率2.8%の司法書士試験を合格した頭脳が辿り着いた境地は「勝ちたければ、三複・三単は捨てろ!!」血統理論×ペース解析により導き出された必然の穴馬から『単複1点勝負』を敢行し驚愕の大幅黒字収支を叩き出す。

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