馬券ネオメソッド(レース回顧編)
神戸新聞杯・オールカマーの回顧
第65回神戸新聞杯(GⅡ)
1着
レイデオロ
2着
キセキ
3着
サトノアーサー
ラップ:
12.9-11.8-12.2-12.4-12.1-12.3-12.3-12.2-11.9-11.3-11.4-11.8
時計:2.24.6
まあ、案の定というか堅い決着になりましたね。今年もダービー最先着馬が連対するという例年の傾向通り、ダービー馬レイデオロが勝利。このコースで好位付けしてアッサリ抜け出して2馬身はかなり強い競馬だと思いますが、予想コラムでも指摘したとおり、これは世代間での能力差が勝っていたということ。この馬自体に本質的なスタミナがあるかどうかは何とも言えないと思います。今後、ジャパンカップに向かうそうですが、そこで初めて真価を問われることになるわけですね。長距離戦なので何とも言えませんが、結構ペースが流れていたわりに、この日の馬場を考えると時計がもう少し出ても良かったかなという見方はできると思います。個人的には少し慎重な取扱が必要だと感じていますが。
2着キセキは、少し行きたがる面を見せましたかね。折り合いを付けようと内ラチ沿いに潜り込んだところで、勝負あったという印象。結局、包まれ通しでスムーズな競馬ができず、少し踏み遅れるような格好になってしまいました。レース傾向的には、この馬が一番来るパターンの競馬(後方待機から直線勝負)をしているので、それでレイデオロに完封されたというのは不満も残るところですが、レース振りまで含めてみれば、全体的にはよく2着まで来たと思います。少なくとも、ダービー上位馬もいた中でこの結果ですから、立派なものでしょう。
この後の動向は知りませんが、重賞の1つや2つは軽く獲るでしょうね。ルーラーシップ×ディープインパクト。今後、おそらく増えてくるだろうと予想される配合だけに、生産者もその成功を願っていらっしゃるんじゃないでしょうか。
3着サトノアーサーは厳しい状況になった気がします。これまでの後方一気からモデルチェンジを果たしたことは認めますし、レースの幅が広がったという点は明るい材料だとは思いますが、結果、完敗を喫してしまったのはどうでしょう。やはり、末脚勝負に徹した方が良さそうな印象を逆に受けてしまいました。再び後方待機策に戻ると、菊花賞はレースパターン的にキツイと思いますし、かといって今回のような正攻法だと持ち味が活きない……本番までに作戦をどう立てるか、幅が広がった分、頭を悩ませることになりそうです。
いずれにしても、出れば世代能力差で勝つことになりそうなレイデオロが不在ということで、今年の菊花賞戦線はかなり混沌としてきましたね。近年の菊花賞は、どちらかというとスピード能力が要求される傾向にあって、あまり本質的なスタミナを問われなくなっているのですが、今年くらい全体レベルが下がると、ひょっとすると条件適性、すなわち長距離適性が勝敗を分けることになるかもしれません。
能力的には少し足りなくても、ステイヤーとしての資質で大勢を逆転する……そんな古き良き長距離GⅠが見られるのではないかと、今から少しワクワクします。
第63回オールカマー(GⅡ)
1着
ルージュバック
2着
ステファノス
3着
タンタアレグリア
ラップ:
12.8-11.7-13.2-12.9-12.5-12.5-12.1-11.3-11.2-11.6-12.0
時計:2.13.8
非根幹距離適性。今年のオールカマーはこれが勝敗を分けたと思います。
勝ったルージュバックは、1800で重賞を3勝している非根幹距離巧者。オークス2着はあるものの、根幹距離の重賞では明らかにパフォーマンスを落とす傾向があった馬(2000の金鯱賞8着が一番分かりやすい凡走例でしょうか)。今回は条件替わりが最高に嵌った結果だと思います。
常に申し上げているとおり、中山の非根幹距離は特殊な適性が問われやすく、条件適性を持った馬が近走成績とは無関係に激走しやすい条件です。今回は、AJCC勝ちのタンタアレグリアが3着に好走したことを含めて、改めてそれが証明された一戦だったと思います。微妙に適性がズレているステファノスは、地力で2着に来たものの勝ち馬に適性の差で屈したといったところでしょうか。
セントライト記念との同時性については、ディープ産駒が両レースで2着に来たものの、全体的にはふるわない結果となってしまいました。馬場状態が異なっていたことなど、まだ見直すべき点はあると思いますが、今年に関しては予想通りにならなかったですね。ただ、もう少し継続的に追い駆けてみたいポイントだとは思います。
一応、天皇賞・秋に繋がるレースということで、次走への展望を少ししておくと、やはり可能性があるのは2着ステファノスでしょうね。元々、休み明けより叩いて変わるタイプということもありますし、上位馬の中では最も非根幹距離より根幹距離に適性がある馬。あとは他路線組との比較ですが、もう少し走れていいはずです。ちなみに、日曜日の中山芝は妙に時計が掛かる傾向にあったので、時計は無視していいでしょう。
一方、勝ったルージュバックは、天皇賞・秋ではなく、エリザベス女王杯に向かった方が好走しやすくなると思います。あと、タイプ的に宝塚記念とかが合いそうな印象。有馬記念も悪くはありませんが、少し距離が長いかなと思います。
期待したカフジプリンスはまさかの13着惨敗。もう少し走れると思っていただけに、この大敗はショックでした。審議対象になった4角でも不利は受けていませんし、もう3角過ぎから手応えがサッパリでしたからね。状態的な問題なのかもしれませんが、この馬、どうも私が思っているのとは違うキャラクターなのかもしれません。実は何度か狙っている馬なのですが、全く噛み合いませんからね。こうなると、自分が買わないところで来るんだろうな~という自虐的なことも考えてしまいます。
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