馬券ネオメソッド(レース回顧編)
東西金杯の回顧
第56回京都金杯(GⅢ)
1着
ブラックムーン
2着
クルーガー
3着
レッドアンシェル
ラップ:
12.2-10.6-11.4-12.6-12.4-12.1-11.4-11.6
時計:1.34.3
例年の京都金杯とは少し異なったレースの形になりました。テンの3Fが34.2秒、中盤で一旦緩んでラストで再加速。この形は典型的な差し馬向きの瞬発力ラップ(先行馬がテンに脚を使っていること、中盤の緩んだところで後続が前との差を無理せず詰められることがその要因です)。上がりは速いが持続力比べになりやすいのが京都金杯のデフォルトですが、今回は上がりが掛かる瞬発力比べになりました。
ちなみに、レース上がり35.1秒は、過去10年で3番目に遅い時計。
こうなった要因は、頭数と馬場だと考えられます。毎年、フルゲート近い頭数が当たり前のこのレースが、今年は13頭立て。しかも、史上に残るレベルの大雨に祟られた昨年秋開催以来の競馬で、まだ完全には馬場が修復できていなかった(であろう)状況。この2つが相まって、例年とは違うレースが繰り広げられることになりました。
勝ったブラックムーンは、昨年の本命馬でした。母父にジンスキー系ということで血統テーマは満たすわけですが、例年と異なるレースパターンで勝ち切り、例年に近い状況だった昨年が凡走。状態面や乗り方などの要因はあるにせよ、これは見立て違いだったということになります。アドマイヤムーン×ニジンスキー系を引き間違えたことより、そちらの方がショックは大きいです。
2着クルーガーは、これまた例年の馬場と頭数では厳しかったであろう存在。浜中騎手は1月の京都重賞に滅法強いそうですが、今年も健在なのでしょうか。
なお、これは以前にも書いたかもしれませんが、この馬は母父ディクタット由来の道悪適性を持った馬。富士S3着の走りで、既にそれは証明されています。今後、道悪のマイル戦に出走してきたら注目して欲しい存在です。
3着レッドアンシェルはソツなく乗っていると思いますが、今日は展開が厳しかった。瞬発力が問われる流れにおいて、正攻法に立ち回るのはあまりに不利です。レースの上手さがアダになるという皮肉な結果でした。
期待したストーミーシーは8人気5着。人気を上回る走りはしていますが、この馬はどんな相手でもこのくらいまでは常に来るので、この上の壁を破れなかった時点で完敗です。
第67回中山金杯(GⅢ)
1着
セダブリランテス
2着
ウインブライト
3着
ストレンジクォーク
ラップ:
12.3-11.0-13.2-12.3-12.7-11.3-11.7-11.5-11.6-12.2
時計:1.59.8
勝ったセダブリランテスは、キャリアこそ浅いものの、これまで芝で一度もメンバー最速の上がりを使ったことがなく、かつ、重賞勝ちがあるといういかにも中山金杯らしいタイプ。2着ウインブライトも、これまでメンバー最速の上がりを3回使ってはいるものの、そのタイムが34.6秒、34.7秒、35.5秒という鈍足性の強い馬。カデナやアウトライアーズといった切れ者キャラが圏外に飛んでいることも含めて、ほぼ想定していた通り、というか例年通りの中山金杯でした。来年以降も鈍足性をテーマに考えるべきレースだと思います。
期待したタイセイサミットは、一瞬だけ見せ場は作りましたが伸び切れず。馬のタイプ的にはもっと走れてよかったと思うので、単純に力が全く足りなかったということでしょう。
悪い意味で気になったのは、15着に敗れたフェルメッツァでした。昨夏の小倉記念で本命にさせてもらった馬で、前走の中日新聞杯でも期待していた馬。その前走が全く何もできずの惨敗で、その時点からおかしいな?とは思っていました(道中で詰まって負けたという意見もありましたが、買ってみていた私の目にはそれ以前の問題に見えました)。今回もやはり同じような感じの負け方。無事ならいいのですが、ちょっとらしくない連敗。まあ、小倉記念まで踏ん張れば、例のトニービン・パワーで復活するかもしれませんが。
第34回フェアリーS(GⅢ)
1着
プリモシーン
2着
スカーレットカラー
3着
レッドベルローズ
ラップ:
12.5-11.5-11.9-12.1-11.6-11.6-11.6-11.8
時計:1.34.6
これはちょっとどうにもならない結果になりました。予想テーマと全く合わない決着ですから、完敗と言わざるを得ません。来年以降、どう予想しようか迷うところです。
3着レッドベルローズは、初戦で「内で完璧に立ち回った勝ち馬を外からねじ伏せた内容に好感。かなりの瞬発力がある」と境メモに入っていた馬で、キャリア一戦でこれだけ走れば今後の展望が開けたと言えるでしょう。冬場の馬場は本質的に合っていないと思うので、春の東京あたりで高いパフォーマンスを見せてくれる気がします。
ここでは、テトラドラクマについて語らなければなりません。
未勝利戦の勝ちっぷりがかなり優秀なもので、個人的には桜花賞、NHKマイルCといったGⅠでも狙える存在になると考えていただけに、この惨敗はショックです。結果的には大外枠で壁を作れず、脚を溜められないままグルッと回ってきたという淡白な内容で、これだけ取れば情状酌量の余地はあるのですが、そもそも中間からテンションが上がってきているという報道があったこと、母リビングプルーフが生粋の短距離馬だったことを踏まえると、状況は想像以上に厳しくなりました。
こうなってしまうと、牝馬ですからなかなか元に戻ることは難しいと思います。短距離ならもっと走れることは間違いありませんが、このまま短距離に行っても並のスプリンターにしかならない予感がプンプンします。何とか立ち直ってもらいたいものです。
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