第29回フェブラリーS(GI)回顧
1着テスタマッタ
2着シルクフォーチュン
3着ワンダーアキュート
全体ラップ
12.2-10.9-11.6-11.9-12.1-12.4-12.0-12.3
時計 1.35.4
後方に近いところに位置していた馬が上位を占めた一戦。半マイル通過46.6秒は、過去のこのレースと比較して格別に速いわけではありませんが、この日の東京ダートは手元の計算で0.7秒時計が掛かる馬場。それを考えればやはりハイペースだったのでしょう。しかも、上記ラップ推移を見ていただければ明らかなとおり、6F目の12.4秒がポイント。ここで後続が一気に差を詰めることが可能になった結果、差し追い込み馬の台頭が実現しました。
ちなみに、これは本論から外れますが、馬場の違いはあるにせよ、レコードが記録された09年のフェブラリーSは、12.7-10.5-11.9-11.9-11.8-11.3-12.1-12.4という前半からビュンビュン飛ばす形から、前がゴッソリ残っています。ラップのマジックというか、単純にハイペースなら追い込み馬が来るというわけではないということが、この比較からお分かりいただけると思います。
どこかで一度緩むハイペース、これが差しの決まるラップです。淀みなく流れると、いわゆる“高速前残り”という事態が起こりやすくなります。後続がなし崩しに脚を使わされて終いに脚が残らず、結果的に前がまとめて残ってしまうという現状です。意外とこの考え方はメジャーではなく、いまだに「スローだから前が残る、ハイペースなら追い込みが利く」という論調が大勢を占めていますが、実際はちょっと違うと思います。
話が脱線しましたが、今年のフェブラリーSの結果は、極めて分かりやすい展開のアヤが生んだものです。だから上位馬の評価を下げろというわけではなく、何度かやれば一回はこういう結果もあるかな?と。
人気を背負って敗れたトランセンドは、見ての通り、今まで明らかになっていなかった“テンの遅い逃げ馬”というキャラをここで露呈した格好。向正面で追っ付け通し、この時点でもう危険信号が灯っていましたよね。
この馬が勝った昨年の前半3Fは35.7秒。それに対して、今年は34.7秒とこの時点で1.0秒速く、先述の馬場差を考慮すれば、さらに速い序盤戦だったことが分かります。ここで本来の形を取れなかったこと、すなわち、ダッシュ力の無さで後手に回らざるを得なかったことが、今回のトランセンドの直接的な敗因と言えます。個人的には、今までこういった負け方をしなかったことが不思議なくらい。元々、かなりモロい面を内包している馬という印象を持っていましたから、遂にここで見せたか…というのが正直な感想です。まあ、こんな流れになるとは想定もしていなかったので、マルチの相手と高評価した自分が言うことでもないのですが。
ちなみに、個人的に期待したヤマニンキングリーは見せ場もない惨敗。そもそも、この馬を本命にしている時点で、このレースの流れをまるで読み違えていたということ。トランセンドが対応できなかったのと同様、ヤマニンキングリーもこのダッシュ力比べの先行争いは不向きでした。
なお、このレースの傾向である「ロベルト系重視」は来年以降も継続しておきたいと現状では考えています。
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