採れたて!トレセン情報

第533回&第534回

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【関西事情通のちょっとイイ?話】

●ことの経緯は…●

樫の女王を決める優駿牝馬オークス。桜の女王が回避、桜の1番人気も路線変更し意外と混沌としてきた。ジョッキーの起用に関しても紆余曲折あり、紐解いていくと意外と面白い。まずは何といっても、桜花賞で1番人気のメジャーエンブレムの手綱を取っていたルメール、ここで何故チェッキーノでは無くエンジェルフェイスの手綱を取るのかは【美浦の『聞き屋』の囁き】で既報通りの経緯。補足すれば、実はルメールサイドは、エンジェルフェイスのオーナーサイドにも、そして厩舎サイドにも承諾を得ていたにも関わらずチェッキーノに乗る事が叶わなかった。

そもそも、何故エンジェルフェイスにルメールが乗る事になったのか…。他馬も含め事の経緯を時系列で見ていくと、元は川田騎手のお手馬だったこのエンジェルフェイスは、フラワーCで同じ川田騎手のお手馬パールコードと重なってしまい福永騎手に、そしてその福永騎手には元々のお手馬アットザシーサイドがいたため、メジャーエンブレムがオークスに向かわないことが決まった段階でルメールに決まった。

元々の主戦だった川田騎手はというと、フラワーCで乗るはずだったパールコードはそのレースを残念ながら除外され、次週のミモザ賞へスライド出走。しかしその日は高松宮記念の日で乗れず。ただ次走、漸く騎乗できたフローラSでキッチリ優先権利を取った。この時点でデンコウアンジュの陣営は、アルテミスSで勝たせた実績のある田辺騎手に声を掛けていた。ところがその週明け、パールコードは体を大きく減らしていた事で「出走しても高いパフォーマンスは出せない」と陣営は回避を決断。そこでデンコウアンジュは川田騎手に戻る事になった。この時点で田辺騎手は一旦宙に浮いたが、武豊騎手がラニでプリークネスSに挑戦することになった関係でお鉢が回って来た。

いろんなドタバタ劇があり、軽く扱われた感のある田辺騎手ではあるが、終わってみれば最良の結果になる場合もある。このレッドアヴァンセは、母エリモピクシーの、兄弟はリディル、クラレント、レッドアリオン、サトノルパンと重賞勝ち馬がズラリ。マイラー趣向ではあるものの、オークスと言うレースはマイラーでも活躍できる舞台。また、母の兄弟にはオークスでは2番人気に推された、後にエリザベス女王杯を制したエリモシックがおり、意外と距離の融通性もありそうだ。何より、この事の経緯により最終的に田辺騎手が確保できたところに何かの縁を感じる。注目してみたくなる


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●オークスも注目ですが…●

牝馬クラシック第2弾優駿牝馬オークス、永く日本ダービーの前週に行われている事で『ダービーが近づいている』ことを知らせてくれるレースでもある。そんな今週は、オークスのみならず意外に注目しなくてはならないレースがある。東京の裏の京都で行われる鳳雛Sだ。

このレース、3歳限定のダートのオープン特別だが、後にダートのGI馬を輩出することも多い、隠れた出世レースだ。一昨年の勝ち馬カゼノコは、その後ジャパンダートダービーを勝ち、2着アスカノロマンもその後G2東海Sを勝ち今年のフェブラリーSで3着と好走、そして4着馬は今話題のアムールブリエ。それ以前は昇竜Sのレース名で行われていたが、2013年はクリソライト、2012年はレッドクラウディア、2011年は勝ち馬アイアムアクトレス、3着にはスノードラゴンの名前もある。それ以前にもバンブーエールなど、とにかく活躍馬を多く輩出している注目レース。

今年のメンバーの中でも、その可能性を秘める馬は出走してきている。まずは恐らく1番人気になるであろうマインシャッツ。前走の走破時計1分49秒9は、時計の出る馬場だったことを考えても出色、2着とはクビ差ではあったものの、3着以下には7馬身差、着差以上に強い競馬で、今後の活躍を期待させるに十分の内容だった。今回はそれ以来の休み明け、中間に目立つ時計も出ておらず、まだそこまで仕上がってはいない様子。もちろん陣営としてもここが目標では無く、ここから調子を上げて行く事を考えているはず、ゆえにこの状態で勝つ様なら、それこそ「今年も出世レースだった」と後々言われる活躍を見せるだろう。

ただ、付け入る隙があるのも今回、逆にここで実を取りに来ているのがポッドクヒオだ。牝馬ながらダートで3戦2勝と全く底を見せておらず、負けた1戦にしても、デビュー戦でやや出遅れ、しかも4コーナーで外を回していながら豪快に伸びて来てコンマ1秒差の3着、内容は濃い。前走後は牝馬限定の交流重賞関東オークスも視野に入れていたが、川崎競馬場はコーナーがキツイこと、そして関東圏までの輸送があることも考慮し、春の締めくくりはこの鳳雛Sに決めた。前走手綱を取っていた菱田騎手もかなり評価をしており、同厩舎のヘニーハウンドで新潟へ行く事が早くから決まっていた関係で、ここで乗れないことを本当に残念がっていた。

牡馬相手の一戦で決して容易では無いが、この馬もまた、後々「今年も出世レースだった」と言われる活躍を見せてくれる可能性はあるだろう。注目してみたい。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●桜花賞組VS新興勢力●

桜花賞馬ジュエラーの戦線離脱は残念でならないが、ジュエラー以外の桜花賞組とトライアルレースを勝ち上がってきた馬たちは無事にオークスの舞台へと上がることができた。

桜花賞組以外で注目を集めているのはフローラSの勝ち馬チェッキーノだろう。

チェッキーノは桜花賞をパスして目標をオークス一本に調整。

桜花賞を見送った理由は体調等を考慮したものと言われているが、これは桜花賞にはメジャーエンブレムという大本命がいたためで、メジャーエンブレムとチェッキーノは同じオーナー、サンデーレーシングクラブ。

メジャーエンブレムの距離適性とチェッキーノの距離適性を考慮すれば、おのずと1600mと2400mという使い分けになった、というところが本音だろう。

その目論見どおり、チェッキーノはフローラSを圧勝で制して一躍オークス候補へ。

その時の鞍上は全国リーディングのルメール騎手。

ただ、フローラS前からルメール騎手はエンジェルフェイスの依頼を受けており、全国リーディング2位の戸崎騎手はオークスの予定馬がいない状況だったので、すんなりと収まったということらしい。

だが、あとあと耳にした話では、ルメール騎手の本心はチェッキーノに乗りたかったというのだ。

これはエンジェルフェイスが強い・弱いということではなく、チェッキーノがルメール騎手の想像以上に強く、そしてオークスでもと思わせる内容でフローラSを制したため。

実際、フローラSのレース後、ルメール騎手陣営がエンジェルフェイスを断ろうとして動いたという話があり、ただ、チェッキーノ陣営が「一度断っておいて、いまさら乗れますと言われても困る」というニュアンスでルメール騎手陣営の依頼を断ったというのだ。

このあたりは「大人の事情」という簡単な言葉でまとめるわけにもいかないが、各々に本音とそれぞれの都合があるので、こういった『乗りたいけれど乗れない』というパターンはよくある話ではある。

先約を優先した方がいい結果だったということもあれば、その逆、先約を断ってでも選んだ方がいい結果だったということもある。

あとは騎乗する騎手本人の気持ちと運を持っているか持っていないか。勝負事は実力以外のものが大事だったりするもの。

やはり桜花賞組が強かったとなるのか、新興勢力が勢いそのままに名乗りを挙げるのか。

見ごたえのある追い比べを期待したい!


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