採れたて!トレセン情報

第541回&第542回

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【関西事情通のちょっとイイ?話】

●理由ある遠征!●

昨日もお伝えした通り、今週からは競馬関係者にとっても待望の北海道シリーズが開幕する。しかし、中央の本場開催でも、上半期のフィナーレ宝塚記念を目前に控え、今週は東京で3歳限定のダート重賞、後のダートGI馬を輩出する事も多い注目のユニコーンSが行われる。

特別登録の段階でフルゲート16頭に25頭が登録、その内オープンを勝つなど収得賞金上位の4頭を除くと全て収得賞金900万の2勝馬、この時点での抽選確率は21分の12(57.1%)、最終的に投票したのは17頭で抽選確率は70.5%まで上がったものの、5頭が除外になった事は確か。その5頭中の2頭は関西馬だが、このマインシャッツとヨシオはともに関東のジョッキーで投票している。抽選をクリアした関西馬は計6頭、その内の4頭はやはり関東ジョッキーが手綱を取っている。そう、ゴールドドリームやダノンフェイスのように、収得賞金があり出走確実な状況ならまだしも、抽選対象でしかも出走できない可能性も少なくない状況では、わざわざ遠征予定を立てないのが普通。ましてこのレースは、早いうちから「2勝馬がかなり多く抽選は確実」「出走できるのは半々くらいか」と言われていた。そう、理由が無ければその除外リスクを負ってまで遠征してくることは普通は有り得ない。

抽選対象の関西馬で且つ関西ジョッキーが手綱を取るのは、ヴェゼールとピットボスの2頭。前者ヴェゼールは、河内厩舎所属の岩崎騎手、所属でありしかも新馬当時は手綱を取っていた元お手馬、ある意味当然と言えば当然。後者のピットボスは不思議な感覚。幸騎手と清水久詞厩舎には特にラインの様なものは無く、過去にも活躍馬はいない。調べてみると、なんと清水久詞厩舎の管理馬で幸騎手鞍上で勝ったのは、このピットボスの前走だけだった。どうやらこの馬の相当な可能性を感じているようだ。

確かに前走、2着とは1馬身4分の1という目立つ差では無かったものの、2着と3着の差は7馬身、その後ろもさらに2馬身差、その着差も然ることながら、メンバー云々はあれど、4コーナーで完全に踏み遅れていながらも差し切るという圧倒的パフォーマンスで勝ち上がってきた。当時の幸騎手も「馬に勝たせてもらった」と話していた。

実は、聞くところによると、ユニコーンS出走はこのレース終了後にすぐ決まったそうだ。前述通り、かなり前から「2勝馬は抽選で間違いない」「出走できるのは半々くらいか」と言われている中だったが、幸騎手は抽選除外も覚悟で遠征を決意した。能力比較は難しいが、その幸騎手の意志だけを考えても、この馬の能力は相当なモノなのだろう。未知ではあるが注目したくなる。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●阪神遠征にはわけがあります●

重賞が2レース組まれている日曜日、関東の名手の名前がユニコーンSにも函館スプリントSの馬柱にも載っていないことを気づいている方はいるだろうか。

その名手とは関東リーディング3位の蛯名騎手。

では、どこで騎乗しているのか。

それはオープン特別・米子Sがメインレースの阪神競馬場。

お目当てはといえば、と調べてみるとメインレースに騎乗馬がなく、またお手馬と言える関東馬も関西馬も見当たらない。

実は、米子Sに出走予定だったショウナンアデラが先週末に回避を表明。

ショウナンアデラと言えば2014年の阪神JFを3連勝で制した素質馬。

その後脚部不安を発症し、約1年半振りの復帰となった今年のヴィクトリアマイルは16着と大敗。

仕切り直しの1戦として予定していた米子Sだが、調教で頓挫があり予定は白紙に。

ただ、その時点で蛯名騎手は多くの有力馬の依頼を受けていたこと、仮に東京へ予定を切り替えたとしても、ユニコーンSの有力馬の鞍上はすでに決まっていた状況。

また、日曜日の未勝利、500万などの条件戦でも、お手馬はすでにキャンセルを入れており、他の騎手へと乗り替わりが決まっている。

それならば、ということでそのまま阪神での騎乗を決定。

阪神での騎乗馬のラインナップは、そのほとんどが上位人気間違いなしの豪華な布陣。

メインレースがない以上、条件戦で稼ぐしかなく、稼げる馬たちばかり。

函館や東京に比べると注目度は低いかもしれないが、蛯名騎手の活躍は注目したほうがよさそうだ。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●先週はパス!●

中央の本場開催はまだまだ続く東京・阪神で夏競馬直前の雰囲気だが、今週からはその夏競馬の到来を知らせる北海道シリーズ、函館競馬が開幕する。やはり競馬の聖地、多くのサラブレッドの故郷である北の大地で行われるこのシリーズは、関係者にとっても「待っていた」時期、いよいよ本格的な夏競馬が始まる。

その函館開催開幕週の重賞は函館スプリントS、バリバリのGI級というほどの存在は無いが、新興勢力などもおり秋の大舞台を睨んで注目の一戦と言えるだろう。

そんな中でも注目してみたいのが、中井騎手が手綱を取るローレルベローチェだ。昨秋に1000万特別を快勝後、準オープン・オープンと連勝し、初重賞挑戦となったシルクロードSでもいつも通り果敢に逃げ、ゴール前まで粘って2着入線、その勢いでGI高松宮記念にも挑戦した上半期の昇り馬の1頭。結果は16着大敗も、GI級のメンバー相手でも逃げられた事が陣営にとっては自信と手応えを掴む事になったそうだ。

その後は、この函館スプリントSでの始動を目標にジックリ調整、6月4日に栗東を出発しレース2週前に函館入りした。中間の追い切りにも中井騎手が付きっ切り、栗東トレセンに居た時もちろん、函館入りしてからも付きっ切り。ここで「えっ」と思う方は競馬を良く知っているか勘の良い方。そう、2週前から函館で付きっ切りという事は、先週の競馬には乗っていないという事になる。もちろんその通り、その理由も想像通り、このローレルベローチェのために先週のレースの騎乗を見送ったという事だ。それだけ、この馬に対する思いは強く、もちろん秋を睨んでの行動。

2012年デビューで今年が5年目、JRA通算はまだ83勝、重賞勝ちは無く今年もまだ4勝も留まっている中堅以下のジョッキーではあるが、だからこそ、こういうチャンスに拘るのは必然。やることも自分の競馬に徹するだけというシンプルなタイプの馬、やや気難しい面があるため、毎日乗る事は大きなメリット、相手は揃っているが、この馬が秋の大舞台に向け、まずは名乗りを挙げてくる可能性は十分あるだろう。そして勝てば、人馬ともに初重賞制覇、注目してみたくなる異色のコンビだ。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●函館遠征にはわけがあります●

先週でついにルメール騎手を抜いて全国リーディング首位に立った戸崎騎手。

現在2位のルメール騎手は土日ともに東京で騎乗するが、戸崎騎手は日曜日は函館へ。

お目当ては以前、一度だけ騎乗したことのある函館スプリントSへ出走するオデュッセウス。

2歳時に函館と札幌で好結果を残しているように高い洋芝適性と、3歳馬はこの時期の別定重量戦では斤量面で大きな恩恵を受けることができて、なんとオデュッセウスは52キロ。

スピードを競うスプリント戦の、ましてや開幕週の馬場で52キロは言うまでもなく有利な重量。

もっとも重い斤量がセイコーライコウの57キロで、他の有力馬の多くが56キロとその差は4~5キロ。

また、ユニコーンSでこれといったお手馬がいなかったことも函館遠征の後押しになったとのこと。

今年もっとも勝っている騎手が選んだ3歳馬だけに実績以上の評価が必要かもしれない。

補足といっては失礼かもしれないが、旭川市出身でこれまで北海道シリーズを主戦場にしてきた丸田騎手は今年から福島・新潟へ路線変更。

ただ、日曜日は函館スプリントSでソルヴェイグに騎乗するため遠征。

なぜか。

それはソルヴェイグの斤量が50キロで、その軽さゆえ騎乗できる騎手が限られており、白羽の矢が立ったということらしい。

ひっそりでも気にしておきたいところだ。


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