採れたて!トレセン情報

第561回&第562回

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【美浦の『聞き屋』の囁き】

●持っている男たち●

サマースプリントシリーズ第5戦となるキーンランドC。

1着馬にはスプリンターズSへの優先出走権があり、つまりGⅠへと直結するレース。

だが、今年はフルゲート割れの14頭立て。

土日でワールドオールスタージョッキーズが開催されるので、もっと多くの有力馬や頭数が揃ってもよさそうだが、質・量ともにやや小粒な印象は否めない。

世界中から多くのトップジョッキーが集まっている札幌競馬場、プラス、フルゲート割れのキーンランドCという厳しい条件の中でキーンランドCの騎乗馬を確保したのが関東のツートップである戸崎騎手と内田騎手。

戸崎騎手はブランボヌール、内田騎手はオデュッセウス。

ともに多くの幸運が重なっての騎乗となったようだ。

まずブランボヌールの戸崎騎手。

もともとは三浦騎手が騎乗予定だったが、この時期の3歳牝馬は51キロとかなり軽い斤量となる。

騎手の中では背の高い三浦騎手が騎乗する最軽量の斤量は52キロから。

一般人とは違い、もともと体重が軽い中で、落とすような脂肪がない体つきのジョッキーたちの1キロは、私たちの1キロとは意味がまったく違う。

無理をすれば51キロの斤量に騎乗することはできるらしいが、他のレースに悪い影響を及ぼす可能性が大きいとの判断で依頼をキャンセル。

51キロの斤量で騎乗できる騎手はかなり少ないのが現状。

そんな中、全国リーディングを独走する戸崎騎手は51キロの騎乗も可能。

それは騎手の中でも小柄な部類に入る体型と日々の節制のおかげ。

こうして戸崎騎手とブランボヌールのコンビが決定。

オデュッセウスと内田騎手はというと、もともとオデュッセウスにはワールドオールスタージョッキーズで来日予定だったV・エスピノーザ騎手が騎乗する予定だった。

ところがすでにご存知だと思うが、エスピノーザ騎手は出国に必要な書類を紛失したという理由で来日が不可となった。

来日できないというJRAからの発表が今週火曜日の午後にあり、オデュッセウス陣営が知ったのは当然そのあと。

この時点でキーンランドCが空いている騎手、オーナーの希望に沿う騎手は、ということで選ばれたのが内田騎手ということのようだ。

WASJでの騎乗ぶりも楽しみだが、巡ってきたチャンスとなるキーンランドCでの手綱捌きからも目が離せない。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●激戦の日曜札幌に!●

WASJ(ワールドオールスタージョッキーズ)の開催で、日本のトップジョッキーの加え外国人の名手が集う札幌開催、ほかのレースでも騎乗依頼はそこに集中するため、それまで札幌を主戦場としていた福永騎手や柴山騎手、丸山騎手などは、特にお目当ての馬が居るわけではないものの、札幌を避け新潟で騎乗している。これは当然と言えば当然の行動なのだが、逆に、そんな激戦区に敢えて遠征してくる騎手もいる。

結果的にはWASJに出場するため目立たないものの、岩田騎手もその内の一人。そして丸田騎手、藤岡康太騎手もそうだ。ただこの3人は、キーンランドCで騎乗する馬が自らの手で重賞を勝たせており、これも当然と言えば当然の行動。しかしもう一人、酒井学騎手にその理由は当てはまらない。

確かに、騎乗するナックビーナスには、前走で手綱を取り3歳限定とは言えオープン特別を勝たせているので普通にも見えるが、そもそもが関東馬であり、それまで横山典騎手が主戦、代打でも関東の勝浦騎手が手綱を取ってきた馬、しかも前述通り、遠征してきても他の騎乗馬は期待出来ない厳しい日曜日(実際、この馬以外は同じ杉浦厩舎の管理馬セイウンアワードの騎乗のみ)だけに、酒井学騎手自身にもメリットは少ない。そう、それだけ特別な状況という事になる。ゆえに、この馬にそれだけの、重賞を勝てるだけの可能性を感じている事も推し量れる。

古馬と初対戦とは言え、上位人気はシュウジを始めソルヴェイグもブランボヌールも同じ3歳馬、その比較からしても十分チャンスはあるだろう。酒井学騎手とのコンビと言えば短距離界を賑わせたハクサンムーンが思い浮かぶが、そのハクサンムーンは先日引退を発表、その襷を継ぐ様に、新たなコンビが誕生するかも知れない。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●拘って新潟?●

北海道シリーズもいよいよ残り2週となり、夏競馬も終盤。今週は新潟で2歳S、そして札幌では1着馬にはスプリンターズSの優先出走権が与えられるキーンランドCも行われるが、何といっても注目はWASJ(ワールドオールスタージョッキーズ)だろう。日本のトップジョッキーに加え、世界の名手が集い、勝負を賭けて鬩ぎ合うそのレースは見応え十分、馬券を抜きにしても楽しめるほどだろう。ただ残念な事に、今回の外国人招待騎手の中でも目玉だった、ビクター・エスピノーザ騎手が、渡航に必要な書類を紛失したため参戦できなくなった。昨年37年ぶりに米クラシック三冠を制したアメリカンファラオの主戦、その前年の二冠馬であり今年のドバイワールドCを制したカリフォルニアクロームの主戦でもあり、今、世界で最もホットなジョッキーと言えるだけに残念でならない。

そのエスピノーザ騎手が来日中止となった事で、予備要員の日本人騎手に出場チャンスが巡ってきたのだが、まず関西リーディング4位の福永騎手、そして関東リーディング4位の田辺騎手に声が掛かった。しかしそれぞれ新潟で数多くの騎乗依頼を受けており、さすがに当週での変更は効かず断念。そして関西リーディング5位の岩田騎手に声が掛かった。ただ、岩田騎手も、日曜日はレッツゴードンキの為にもともと札幌で予定を組んでいたものの、土曜日は新潟で組んでいたため一筋縄では決まらなかった。最終的に、その新潟での騎乗を調整出来たことで無事参戦が決まったが、ここで気になるのは、本来は小倉が主戦場である岩田騎手が何故土曜日に新潟で騎乗する予定だったのか?札幌へ出向いて来る事よりも気になるところだ。

土曜日新潟メインのBSN賞には、元々メイショウイチオシに騎乗予定だった。この馬に初めて騎乗した3月の甲南Sが結果圧勝、恐らくその時に感触を得ていたのだろう、前走、枠順確定前取り消しとなった5月のブリリアントSでも騎乗予定だった。休み明けなので恐らく叩いた方が良いのだろうが、拘って予定を組んでいた可能性はあり侮れない存在。そして恐らく次走はまた岩田騎手が乗ってくるのだろう。そういう意味でも注目の1頭と言えそうだ。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●鬼の居ぬ間に若手が台頭?!●

馬券で困った時は若手騎手に注目と先週書かせてもらった。

結果はというと、木幡兄弟の兄・木幡初騎手が2勝、弟・木幡巧騎手が1勝。それ以外にも馬券に絡む活躍を見せており夏の上がり馬のように、その勢いは増している。

今週は札幌競馬場でWASJ、つまり東西のリーディング上位騎手と海外のトップジョッキーが集結してポイントを競い合う、以前は暮れの阪神競馬場で行われていたシリーズが開催。

関東からはリーディングトップ3の戸崎、内田、蛯名騎手が参戦。

このトップ3で毎週5~10勝近い勝ち星を挙げており、つまり、それだけの勝ち星が今週新潟に落ちているということになる。

トップ3に勝るとも劣らない福永騎手が参戦するが、それでも多くのチャンスが若手に分配。

騎乗数も多く木幡初騎手が16鞍、石川騎手が15鞍、木幡巧騎手と野中騎手が14鞍と大人気。

特に木幡兄弟は重賞で初の兄弟対決が実現。

兄・木幡初騎手が騎乗するのは14番人気で勝ち上がったチシャーキャット、弟・木幡巧騎手が騎乗するのは7番人気で勝ち上がったアピールバイオ。

ともに人気薄での勝利プラス逃げ・先行と兄弟揃っての持ち味である強気の競馬で快勝。

競馬に限らず勝負事は勝ってなんぼ。鬼たちが居ようが居まいが勝ちは勝ち。

鬼たちが札幌へ行っている間に頭角を現す若手はいるのか。それは誰なのか。注目したい。


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