採れたて!トレセン情報

第604回&第605回

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【美浦の『聞き屋』の囁き】

●一転二転の末…●

フェブラリーSの前哨戦として1着馬に優先出走権が与えられる東海S。

短距離志向が強いマイラータイプは翌週の根岸Sへ、GⅠタイトルを狙う馬は川崎記念へ、と3つの路線へ分かれる。

今年の東海Sは古豪VS4歳馬という構図。

注目したいのは本命候補の4歳馬グレンツェント。

昨年末、みやこS2着のあとチャンピオンズCへと向かわずにオープン特別の師走Sを選択したのは、現時点ではトップクラスとの差があるからという体裁だったが、実のところは同門のノンコノユメがチャンピオンズCへ出走しており2頭出しを嫌ったため、またノーザンファーム&シルクレーシングが無理をせずに来年以降を見据えようと進言したためで、調教師とオーナーサイドの希望が一致したためGⅠは回避。

今回はというと、かなりのゴタゴタがあったようだ。

師走Sを勝てばから東海Sという路線は決まっていたようだが、師走S以前から主戦の戸崎騎手は東海Sと同日に中山で行われるAJCCでノーザンファーム&シルクレーシングのゼーヴィントに騎乗することが決まっていた。ところが、グレンツェント陣営はどうしても戸崎騎手がいいと熱望。

が、結局は先約優先ということでグレンツェントは川田騎手で決定。

しかし、川田騎手は年明け早々に落馬負傷で休養することとなりグレンツェントの鞍上が空白となってしまったのだ。

そこでノーザンファーム&シルクレーシングサイドの案として川崎記念へスライドして、そこで戸崎騎手へ依頼してはどうかと打診。

だが、加藤調教師はそれを拒否。今年のチャンピオンズCのためになんとしても中京競馬場を経験させたいと強く希望。戸崎騎手は中山で騎乗するため鞍上は決まらないまま。

この時点で師の希望する騎手は誰も空いていない状況だったが、結果的に横山典騎手が空くこととなった。

どういうことかというと、もともと横山典騎手はミツバで東海Sへ参戦する予定だったが、そのミツバは川崎記念へ回ることとなったため。

加藤調教師にとっても横山典騎手にとってもワンポイントでの騎乗が可能となり、お互いの都合が一致。

オーナーサイドの希望を断っての東海S出走となったため、負けられないと師の意気込みは相当なものとのこと。横山典騎手も火曜日の調教、そして水曜日の追い切りとできる限りコンタクトを取り調整。

美浦の関係者の間では横山典騎手が魅せるのか、それともやらないのかと話題になっているほど。

果たして師の思惑どおりに事が進むのかどうか。トライアルレースとしても、違う意味でも楽しみだ。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●重賞タイトル●

昨日は東海Sについて触れたが、本日は中山AJCCについて。

関西から4頭が出走するが、注目は音無厩舎のリアファル。何と言っても、昨秋神戸新聞杯を制し菊花賞でもキタサンブラック、リアルスティールに次ぐ3着、当時手綱を取っていたルメールにして「GIを勝てる」と高評価していた1頭でもある。

ただ、有馬記念のレース中にアクシデントがあり約1年休養をする事になってしまった。復帰戦となった前走の金鯱賞、その1年の休み明けながらも勝ち馬からコンマ2秒差の5着と好走、決して得意とは言えない瞬発力勝負の中、その底力を見せた。今回はひと叩きされ相当な上積みが期待されるところ。

ところが、最終追い切りの今週、水曜日の追い切り予定を翌日にスライド。水曜日は前日までの雪の影響が残り、当日の朝はマイナス3℃、馬場が凍っているところがあり、他にも日程をずらしたり軽めに留めたりしていた陣営も多かった。ツメに弱さがあるこの馬も大事を取って木曜追いに切り替えたが、追い切りに乗った助手曰く「デキがメチャクチャイイ!前走とは全然違う!」との事。どうやらそこまで神経質になる必要は無いようだ。

レースで手綱を取るのは、昨年末から来日している、フランスの若手シュミノー。今回が初めての来日で、年末までは4勝に留まったものの、慣れが見込めるのか年が明けてからの開催5日間では、関西では武豊、ルメール、福永に次ぐ既に4勝を挙げている。

フランスでは障害で最優秀騎手賞を受賞しているように「馬の気持ちを汲むのが上手い騎手」と言われている名手。元々、身元引き受け馬主が吉田勝己氏でもあり、ノーザンFのバックアップもありイイ馬の乗せて貰っているところもあるが、「そろそろ重賞のタイトルを獲りそう」とも言われており、このリアファルは絶好のチャンスだろう。

馬は状態アップで時計の掛かる馬場も歓迎、鞍上も勢いが出てきており、期待の方が高くなる。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●新興勢力を迎え撃つ古豪!●

降雪の影響を受けた先週の関西圏の競馬、今週も寒波が襲来する予報で心配されたが、日曜日の開催には支障は無さそうで、重賞競走も無事開催されそうだ。

その関西重賞は、中京競馬場でフェブラリーSの前哨戦東海Sが行われる。

昨年は勝ち馬アスカノロマンが本番フェブラリーSでも3着と好走、一昨年はコパノリッキーが見事勝利、この時期に変更された初年度の4年前も勝ち馬グレープブランデーが勝利を挙げているように、本番に直結しやすい前哨戦となっている。

今年も、人気を集めるであろうグレンツェンドやピオネロ、リッカルドといった新興勢力に、昨年の勝ち馬アスカノロマンや実績十分のロワジャルダンなど、本番での好走も期待できる面々が揃っている。」

そんな中で、GI2着馬で重賞も3勝、実績的にはメンバー中1・2を争うものの、その実績がGI2着も最後の重賞勝ちも一昨年、尚且つ前走が8着、前々走が11着と大敗している事もあり恐らく人気も無いインカンテーション、実は注目できる要素が多分にある。

もちろん、まずはその実績。ダート戦は「勢いよりも格」という面もあり、その実績の差、しかもその実績はダート戦線の層が厚い頃のもの、これはまず評価しなくてはいけないだろう。

ただ、一昨年の平安Sを勝った後、骨折で8ヶ月の休養、そして昨年の東海Sを使ったあとまた骨折し約10ヶ月も休養を挟んでしまい、復帰戦となった前走後、ひと叩きしてチャンピオンズCを予定していたのだが、これももうひとつデキが上がらず、大きい舞台は見送りとなってしまったように、ここのところ、安定した成績は収められていない。

しかし、昨秋を無理に使わず再び立て直されたことが功を奏し、この中間はかなり持ち直している様子。

明けて7歳となる今年、陣営としても「このままでは終わらせられない」という気持ちがあるのだろう、中間の調教では坂路とチップを併用し、そして速い時計も連発、かなり負荷をかけた「攻め」の調整をされ、「ここで復活しなければ!」という思いも伝わってくる。

鞍上は前走に続き藤岡康太騎手。年が明けてまだ未勝利ではあるものの、この中京コースは得意としている舞台。昨年も年間通して福永騎手に次ぐ2番目の勝ち星をマーク、初重賞制覇もこの中京の舞台とメモリアルな出来事も多く相性もいい。また週中には高松宮記念でビッグアーサーに騎乗するニュースも流れたが、良い流れが来ると勢いに乗れるジョッキーでもあり、その勢いに乗ってこの東海Sでも大仕事をやってくれる可能性は十分にあるだろう。新興勢力が上位人気になるが、古豪の走りにも注目したい。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●吉と出るか、凶と出るか●

一昨年のNHKマイルCを制したクラリティスカイ。

その後は勝ち星に恵まれずに昨夏に関東の斎藤厩舎へ転厩。

勝ちきれないままではあるが、一時の不振を脱して成績が安定。

今年の中山金杯では2着に好走。NHKマイルC以来となる連対を果たした。

次走の予定は来週の東京で行われる白富士Sだったが、急きょAJCCへ出走。

白富士Sでは主戦の田辺騎手を押さえていたようだし、メンバー的にもかなり手薄なオープン特別。

しかも、先行馬に有利な開幕週とあって本命候補だった。

では、なぜオープン特別からGⅡへと予定を前倒ししたのか。

それは人気の中心であるゼーヴィントとリアファルに体調不安説があったからとのこと。

ゼーヴィントは前走の福島記念の時に調教で馬場入りを嫌がり、レース内容も本来の反応がなくなんとか2着に食い込んだという不本意なもの。

今回も陣営のトーンは上がってこず、あまりいい話が聞こえてこない。

また、リアファルは爪を痛めたということで、水曜日予定だった追い切りが木曜日へスライド。

実際、リアファルが回避となった場合、クラリティスカイの鞍上はシュミノー騎手でと決まっていたらしい。

結果的に追い切ることができて出走となりシュミノー騎手が騎乗することはなくなったわけだが、回避するかもという話があったことは事実。

クラリティスカイ自身の体調がいいこと、上位人気候補に不安があること、それらを総合してのゴーサイン。

この判断が吉と出るのか、凶と出るのか。注目したい。


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