採れたて!トレセン情報

第608回&第609回

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【関西事情通のちょっとイイ?話】

●好調厩舎・騎手対絶好調厩舎●

今週は、京都では昨年サトノダイヤモンドが初重賞制覇を成し遂げ、ここからクラシックロードを歩んだきさらぎ賞が、東京では安田記念と同舞台の東京新聞杯が行われる。どちらも頭数こそ揃わなかったものの、春を賑わす期待馬が出走する注目レースとなっている。

昨年のダイヤモンドに続き、今年も里見オーナーと池江師のコンビが送り出すサトノアーサーが出走するきさらぎ賞も話題に事欠かないが、馬券的な意味合いも含めて特に注目してみたいのは東京新聞杯の方だ。

まず1番人気濃厚のエアスピネル。ハイレベルと言われる昨年の世代でクラシック3冠全てに出走し4着・4着・3着と世代トップレベルの成績を残してきたこの馬、今年は年明けから適距離と思われるマイル戦の京都金杯から始動し見事勝利を収めた。鞍上は、この勝利でデビューしてから31年連続重賞制覇を成し遂げ、年明けから幸先の良いスタートを切り、先週も同じ笹田厩舎の管理馬ダンスディレクターで重賞制覇。騎手も厩舎も1月から重賞2勝という好調コンビ、ここも当然有力視されるところ。

ただ好調という視点で言えば、全国リーディングトップを走る田辺騎手も然りだが、それ以上に、1月だけで8勝を挙げ、厩舎リーディング断トツトップの、今「絶好調」厩舎、西浦厩舎を忘れてはいけない。

このレースに送り出すのはブラックムーンだ。

前走の京都金杯では、勝ったエアスピネルから遅れること約4馬身、一見勝負付けされたような決着に思えるが、実際のところは、いつもよりも位置を取りに行く競馬をしたため、終いの伸びを欠いたところが敗因。1月の京都の芝コースは、毎年イン有利、先行有利の特殊馬場、それを考慮してのことで仕方ない面はあった。

今回はジックリ競馬が出来る東京コース、しかも少頭数になったのも好材料と言えるだろう。馬の方も絶好調のようでここは巻き返しを狙っている。

好調厩舎・騎手コンビに挑む絶好調厩舎の期待馬、馬券的にも注目だろう。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●やはり、持っている●

準オープン馬1頭を足して10頭立てと少頭数での競馬となった東京新聞杯。

上位人気は重賞勝ち馬のエアスピネルやヤングマンパワー、連勝中のマイネルアウラートに安定感のあるブラックスピネルあたりだろう。

ここで忘れてはいけないのが、菊花賞以来の実戦となるプロディガルサン。

実はもともとは東京新聞杯を予定していたわけではなく、先週のオープン特別の白富士Sをルメール騎手で予定していたのだ。

ところが白富士Sのフルゲートが14頭立てのところ、賞金をまったく加算できていないプロディガルサンは16番目の補欠2番手。そのまま繰り上がることなく除外となって、今週の東京新聞杯へスライド。

ルメール騎手はきさらぎ賞での先約があり東京での騎乗は不可。

そこで、チャンスが回ってきたのが、リーディング独走中の田辺騎手。

ダービー以降は手綱を取っていたわけで、いわば主戦。

それがルメール騎手に奪われかけたわけだが、そこは「持っている」男の本領を発揮。

色々あっても結果的に巡ってくるあたりが、さすがだろう。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●春の大舞台に向けて…●

今週は、第3場開催の1回中京が先週で終わり、次週の小倉が開幕するまでの狭間の週末で東京・京都の2場開催。その第3場を主戦場としているジョッキーも中央へ流れてくるため、騎乗馬の確保が非常に難しい週になる。

そんな中にも関わらず、1頭の為に関東へ遠征してくる関西ジョッキーがいる。そう、以前にも触れたミエノサクシードと川島騎手だ。

秋華賞当時に、

「夏を越して古馬相手の500万・1000万を連勝。特に前走は、外からまくり気味に進出し、直線は追い出しを我慢する余裕、坂下で追い出すと一気に付き抜け、余裕があり過ぎて内ラチまですっ飛んで行ってしまいモタれるという、完全に遊びながらの競馬での勝利、その内容は相当なモノ。聞けば、以前は一瞬の良い脚が武器だったこの馬、それが夏を境に落ち着きが出て、その効果で一瞬の良い脚が持続する様になったとのこと」

という話をお伝えしたが、その秋華賞ではペースに恵まれず33秒台の脚は使ったものの8着に敗れてしまった。ただ、そのペースに加え初めての重賞挑戦でGI、それでいてコンマ7秒差なら悲観する内容でも無い。

その後はリフレッシュ放牧を経て、今週復帰。今度は自己条件の準オープンからの再スタートとなる。

とにかく、昨夏を境に馬がガラッと変わっており、「ひと夏でこんなに成長した馬は今まで見たことが無い」と言うほど川島騎手もべた褒めしている。当然、中間も付きっ切りで調教をつけている。

今回、ひとつだけポイントがある。それは、取り消すほどでは無いものの輸送すると熱が上がりやすいところにある。ただ、そうは言っても春の大舞台(ヴィクトリアマイル)も同じ(東京競馬場)舞台、そこを目指すのならば乗り越えなくてはならない壁、陣営としてもその目論見があってこその遠征だろう。

やはり秋華賞の時にお伝えした事だが、実はこの馬、2013年のセレクトセール当歳取引馬なのだが、落札者は佐々木完二氏、同じ高橋亮厩舎の管理馬ベルルミエールや重賞勝ち馬インパルスヒーローのオーナーであり、川島騎手の叔父でもある。その佐々木完二氏は2014年にご逝去され、まだ1歳だったミエノサクシードは、佐々木完二氏と生前懇意にしていた里見氏が引き取り、奥さんの名義で走らせている。その縁あって主戦を務めている川島騎手、思いは大きいだろう。再びGIに挑戦する日が来ることを願いたい。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●実は今年の初騎乗●

先週ここで書かせてもらった新馬の除外ラッシュについて。

今週の芝1800mの新馬戦もフルゲート16頭に対して36頭が登録。つまり20頭が除外。

ピークは過ぎてだいぶ落ち着きつつはあるが、それでも偏った登録状況と言えるだろう。

そんな中、この芝1800mの新馬戦で珍しい?と表現すればいいのか、なぜ?ということがある。

それはレッドヴィクターに騎乗する北村宏騎手について。

北村宏騎手はもともと藤沢和厩舎所属で関東リーディング上位常連の堅実派。

昨年こそ、骨折の影響で24勝にとどまったが、今年は順調な滑り出しですでに5勝。

昨年の24勝中、藤沢和厩舎とのコンビで挙げた勝利数は5勝。これは全厩舎の中でトップの数字。

また昨年は232鞍に騎乗しており、藤沢和厩舎の23鞍も全厩舎の依頼の中でトップの数字。

ところが、ところがである。

今年はこれまで1度もこのラインでのコンビ結成がなく、今週のレッドヴィクターが初めて。

しかも、このレッドヴィクターは先週の新馬戦で除外になっているわけだが、その時の鞍上は北村宏騎手ではなくシュミノー騎手でのもの。

短期免許で来日していたシュミノー騎手は先週で帰国。それを受けての北村宏騎手ということ。

今年の藤沢和厩舎はルメール騎手か、短期免許で来日中の外国人騎手の起用が多数。

北村宏騎手とすれば、主戦の座を奪われた形ではあるが、取り返すためにも今週の競馬は非常に大事。

レッドヴィクターは走る馬だと評判になっており、チャンスは大きいはずだ。奮起に期待したい。


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