採れたて!トレセン情報

第612回&第613回

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【美浦の『聞き屋』の囁き】

●乾坤一擲の大勝負●

多くの方がご存知だとは思うが、一応念のため。

乾坤一擲(けんこんいってき)とは、「運を天にまかせて、のるかそるかの大勝負をする」という意味の四字熟語。どの陣営もどの騎手も戦う舞台が大きくなればなるほど大勝負になってくるわけだが、今週行われるフェブラリーSで、まさに乾坤一擲の勝負に出ると宣言した騎手がいる。

それはカフジテイクに騎乗する津村騎手だ。

多くの関係者にその騎乗技術の高さを評価されながらも、これまで19回GⅠに騎乗してまだ勝ち星はなし。

同期の川田騎手は昨年ダービーを制覇、そして1000勝を突破しておりすでにリーディング上位の常連。

大きく水をあけられたが、まだ今年31歳という年齢を考えれば追いつく可能性がないわけではない。

ただ、リーディング上位騎手に有力馬が多く集まりやすい制度や風潮、そして短期免許で技術の高い外国人騎手が今後も来日してくることを考えれば、そう何度も追いつくチャンスがあるとも思えない。

「このチャンスを生かせるかどうかで、今後の騎手人生が変わってくる。そのぐらいの意気込みで挑みたい」とマスコミのインタビューに答えた津村騎手。

「カフジテイクを信じて思い切ったこの馬らしい競馬をしようと腹を決めました」とも答えており、戦法はいつもどおり後方からの大外一気ということだろう。

グリーンチャンネルC→武蔵野S→チャンピオンズCはそれぞれ、6番人気で1着→6番人気で3着→11番人気で4着。人気以上には健闘しているわけだが勝ち切れず。

福永騎手へと乗り替わった根岸Sでは1番人気に支持されての1着。

持っている男との違いをまざまざと見せつけられた形。

その後、福永騎手の落馬負傷によって依頼が舞い込んだわけだが、すんなりと津村騎手へと決まったわけではないようだ。

どういうことかというと東西のリーディング上位騎手へ陣営は打診したが、当然フェブラリーSでの先約があったり、同日に小倉で行われる小倉大賞典へ騎乗するために全国リーディング首位の田辺騎手が遠征していたことなどが重なって、ある意味消去法で選ばれたというのが、津村騎手へと決まった経緯。

どうやら津村騎手自身も選ばれた経緯については知っているようで「どんな形でも選ばれて乗れることに意味があります。乗ることができないと勝てないわけですから」と前向きなコメント。

パドックに乾坤一擲と書かれた横断幕があることを、みなさんは知っているだろう。

なんとそれは津村騎手の母親が作ったもので、津村騎手がデビューしてから競馬場へ応援に来るたびにパドックへと駆けつけているというのだ。

カフジテイクの追い込み一辺倒という脚質は届くのか届かないのか、まさに乾坤一擲ののるかそるか。

この時のために作ったかのような母親の横断幕の言葉。

母親の言葉は津村騎手へと届いているのかどうか。直線501.6mの攻防が待ち遠しい。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●裏開催とは言え…●

今週日曜日、やはり大目玉は東京フェブラリーSだが、裏開催とは言え重賞が行われる小倉も京都以上に注目の一日。

と言うのも、その小倉大賞典のために有力騎手が遠征してきているところにある。

何と言っても、全国リーディングトップを直走る好調ジョッキー、田辺騎手が遠征。このほか、普段は中央開催を主戦場としている浜中・柴田大・小牧騎手なども参戦、そして、目立たないが外国人騎手S.フォーリー騎手もそんな一人だ。

昨年に続き今年も開幕初日から短期免許で騎乗しているフォーリー、その昨年は来て早々2日目に初勝利を挙げ、6日目にはプロフェットで京成杯を勝ち重賞を制した。その昨年に比べると、今年の初勝利は開催が替わってからの1月28日、重賞での活躍も京都金杯3着フィエロ以外目立つところは無く、本人としても不本意な結果となっている。

ここで手綱を取るのは池江泰寿厩舎の管理馬ベルーフ。厩舎はストロングタイタンと2頭出し、前売りでは若干ストロングタイタンの方が人気の様子だが、厩舎のジャッジは若干ベルーフの方が上という評価でフォーリーとしても力の入るところだろう。

もちろんストロングタイタンも、初めての重賞挑戦だった前走の中山金杯で揉まれる経験を積み、今回は3戦3勝の小倉芝コース、勝ち負けの期待を持っている。しかしベルーフの方は、前走でも苦手な内からの競馬で2着した様にすっかり脚を溜める競馬が板につき、安定して差して来る様になった。その前走でも「どこかで外へ出せていれば違っていたのでは…」と言われている。キャリアも積み混戦向きなタイプでもあり、厩舎のジャッジは上という事のようだ。

フォーリーにとっても願っても無いチャンス、免許期間は来週まであるものの、このチャンスは掴みたいところだろう。他ジョッキーの遠征も注目だが、帰国間近の外国人騎手の渾身騎乗に注目してみたい。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●この二人が乗るのは…●

いよいよ今週、2017年最初のJRAGIとなるフェブラリーSが行われる。そのお祭りに合わせる様に、今週末は土日で4重賞が施行される。

土曜日は東京で数少ない3000mを超える長距離重賞のダイヤモンドS、京都では牝馬限定の重賞・京都牝馬Sが行われる。

デビューしてから間もなく丸1年を迎える藤田菜七子騎手が参戦するダイヤモンドSも、ある意味で注目かも知れないが、今現在関西リーディングトップの16勝で勝ち鞍が並んでいるミルコ・デムーロ騎手と武豊騎手が対決する京都牝馬Sも見応えあるレースだ。

2着の差で1位のミルコは、先々週、本来は差し馬のブラックスピネルを絶妙なペースで逃げさせ東京新聞杯を制し、先週はサトノクラウンで京都記念を制し、只今2週連続重賞制覇中、やはりここ一番の勝負強さは目を見張るものがある。

この京都牝馬Sで手綱を取るのは、もともと予定されていた福永騎手の代打騎乗となるアットザシーサイド。今回が初騎乗となるが如何にも手が合いそうなタイプ。しかも、馬自身もベストの距離である1400mに加え2勝を挙げている京都コース、注目だろう。

対して、2着の差で2位の武豊騎手が手綱を取るのは、なんと格下の準オープン馬エスティタート。しかもかなり前からこの馬の手綱を取る事は決まっていた。

普通、除外の可能性がある馬にトップジョッキーが早くから予定を決める事は余り無い。実際、特別登録の段階では18番目の抽選対象、結果的には同じ18番目のテルメディカラカラが自己条件に回ったため出走が叶ったが、もう何頭かオープン馬が登録してくれば出走できないところだった。そんなリスクを負ってまで武豊騎手が騎乗を決めていたこの馬、思い起こせば新馬当時から手綱を取っていた元お手馬、その頃から感じるモノはあったのだろう。この拘りの騎乗にも目が離せない。


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