採れたて!トレセン情報

第643回&第644回

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【美浦の『聞き屋』の囁き】

●混戦のマイル路線●

香港から刺客を2頭迎えて行われる今年の安田記念。

昨秋のマイルCSを制したミッキーアイルがすでに引退。ステップレースを終えて迎える本番だが、どうも中心となる絶対的な主役不在で混沌とした雰囲気のまま。

関東勢で気になるところはグレーターロンドン、ロゴタイプの2頭。

まずは勢いという点ではもっとも注目されているグレーターロンドン。それに関係するのがロゴタイプ。

グレーターロンドンは昨秋に復帰してから圧巻の勝ちっぷりで4連勝。

重賞初挑戦が今回のG1となるが、ここまでの豪快な競馬ぶりならと思わせるだけの器がある馬。

今回は昨秋からコンビを組んできた田辺騎手ではなく福永騎手へ乗り替わり。

気になるのはその経緯。

色々と話を聞いていくと大人の事情と大人の駆け引きがあった模様。

まず、田辺騎手は今年の早い時期からロゴタイプとグレーターロンドンのお手馬2頭でマイル路線がブッキング。

4連勝とその素質を示すグレーターロンドン、昨年の安田記念でコンビを組み勝利したロゴタイプ、どちらに騎乗するかかなり悩んでいたらしい。

どちらに決めるのか決め手らしい決め手はなかったようだが、グレーターロンドンが慢性的なツメの不安があり、東風S後に予定していたダービー卿CTを回避。

4連勝中とはいえ、安田記念出走賞金ボーダーにはその時点では微妙な状況。

また、ツメの不安があり本番まで無事にたどり着けるのか、それに、これまで戦ってきた相手が条件馬ばかりであるし、極端な競馬しかしてこなかったので、いつもの戦法でGⅠに手が届くのか、などマイナス材料が多数。

一方のロゴタイプは勝ち切れないタイプではあるが、昨年の実績があるし、賞金的・体調面でもなにも不安がない状況。

このあたりを天秤にかけたところ、わずかにロゴタイプ側へと傾いたということのようだ。

GⅠ勝ち馬と重賞未勝利馬が比較されるだけでもグレーターロンドンの素質は相当なもの、ということではあるが、軍配は実績馬へと上がった。

フラれてしまったグレーターロンドンが白羽の矢を立てたのが福永騎手。

ところが、その後グレーターロンドンにツメの不安が再発。幸い大事には至らず出走となっているわけだが、一時は回避ではないかと言われたほど。

この回避という話が出てきたあたりで福永騎手はほかの陣営から騎乗依頼があったようだが、それを断って先約を優先。結果的にはであるが、田辺・福永騎手ともに先約を優先した形となった。

他では、先約ではないレッドファルクスを優先したデムーロ騎手。

もともとの先約はブラックスピネルだったがこれを断って、京王杯SCを楽勝してスプリントとマイルの2階級制覇を狙うレッドファルクスを選択。

どの陣営にもチャンスがあると思われているからこその、駆け引き。

このチャンスをモノにするのはどのコンビなのか。注目したい。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●事の経緯を考えると…!?●

春の6週連続GI、トリを飾るのは春のマイル王決定戦の安田記念。昨年は12頭と少頭数で争われたが、今年は香港馬も参戦しフルゲートの18頭立てとなり、白熱した戦いになりそうだ。

そんな中、ジョッキーの起用にもやや動きがある。美浦版でもお伝えしている通り、当初はブラックスピネルに騎乗予定だったミルコ・デムーロ、その時点ではアンビシャスに松山騎手が乗る事で内定していた。その後、京王杯SCで見事な勝利を挙げたレッドファルクスが安田記念に使うことになり、それに合わせてミルコもこちらに騎乗することになった。

一旦は鞍上が空白になったブラックスピネル、丁度その時、土曜版でも話題になった横山典騎手が空いている事が分かり、そのままブラックスピネルの横山典騎手という線もあったのだが、アンビシャスを勝たせたことのあるジョッキーであること、またブラックスピネルには松山騎手との手が合いそうという事になり、最終的にはアンビシャス=横山典騎手、ブラックスピネル=松山騎手、という振り分けとなった。

注目は土曜日に続き横山典騎手、手綱を取るアンビシャスは、この馬に初重賞制覇をもたらせた元主戦のルメール騎手にして「ベストはマイル。マイルなら大きいところを獲れる」と言わしめたほどの素質馬。それからずいぶん時間は経ったが、今回は待望のマイルGIと言える。その当のルメールは、恐らく1・2番人気に推されるであろうイスラボニータで参戦し前人未到の4週連続GI制覇に挑む。その可能性は十分にあると思われるが、その大記録達成を阻むのが、元お手馬のアンビシャスなのでは無いか…トレセンの事情通の間ではそう囁かれている。もし、現実にそうなることがあるならば、事の経緯を考えると皮肉なものだ。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●この鞍上が乗る理由は…!?●

日本ダービーも終り、春の6週連続GIもいよいよ今週の安田記念でひとまず終了。夏競馬の足音も聞こえてきた。

そんな今週末、土曜日には宝塚記念の前哨戦・鳴尾記念が行われる。ただ、宝塚記念の前哨戦というほど油の乗ったメンバーは揃わずやや残念でならない。これも大阪杯がGIに格上げされた事のあおりだろう。


そんな中だが、注目するべき馬は存在する。今回は鞍上に横山典騎手を迎えるスズカデヴィアスだ。

このスズカデヴィアス、前走のGI大阪杯こそ力負けしたが、昨年末の金鯱賞で脚を溜めて差す競馬に脚質転換して以降、次走のリゲルSで5着、白富士Sでは見事勝利、3月の金鯱賞でも差して3着と、完全に差しの競馬が板に付いてきた。

その脚質転換を試みたのが、今回の鞍上でもある横山典騎手。昨年末の金鯱賞で、それまでは逃げ・先行の競馬ばかりだったこの馬を、ゲートが開いて行きたがったところを敢えて控え道中はポツンと最後方を追走、結果は着順こそ10着だったものの、上がり3Fは32秒8と今までに無い終いの脚を見せた。これがきっかけになった事は間違い無いだろう。

前走の大阪杯後はひと息入れ、この鳴尾記念出走は予定のローテーション。ただこの鞍上に替わったのには理由がある。

実は、東京開催で橋田師が東京競馬場へ訪れている時に、横山典騎手が自ら「もう一回乗せて欲しい」と直談判したというのだ。これは恐らく、自らが手綱を取った昨年末の金鯱賞での競馬で何かを感じ、その後のレース振りにも彼なりに思うところがあったのだろう。

そんな経緯で久々にコンビ復活となった今回、横山典騎手も土曜日はこのひと鞍だけのために阪神へ遠征、この拘りの騎乗は目が離せない。今度はどんな騎乗を魅せるのか?結果は?そして宝塚記念は?注目の一戦に間違い無い。


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