うまスクエア

第735回＆第736回

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【関西事情通のちょっとイイ？話】

●幸枠で逆転も！●

今週日曜はいよいよ桜花賞、クラシックが開幕する。

１番人気は、暮れの阪神ＪＦの勝ち馬で、ここまで４戦４勝の無敗、前哨戦のチューリップ賞でも圧勝したラッキーライラック。その今までのパフォーマンスから当然のところだろう。


そのラッキーライラックに、この阪神芝マイルの舞台で２戦とも敗れているリリーノーブル。阪神ＪＦの時は、自己条件を使ったあとの中一週で４分の３馬身差、年明け初戦のチューリップ賞では「当時の強行ローテであの着差なら逆転できるのでは」と陣営は踏んでいたが、結果は完敗。ただ相手の成長があったのも確かだが、リリーノーブル自身、休み明けのぶんか多少力んでしまったことも影響したようだ。

その敗戦を糧に、この中間は折り合い重視の調整、また決め手で劣っている面もうかがえたため、決め手に研きを掛ける調教を施してきた。

管理する藤岡健一厩舎は、シンザン記念２着のツヅミモン、福島２歳Ｓを勝ったアンヴァルとの３頭出し。前走は東京までの輸送で体を減らしてしまったツヅミモンは立て直し、アンヴァルも距離さえこなせば掲示板以上の可能性もあるものの、３頭の中で最も期待が高いのはやはりリリーノーブル。手応えも感じている。

引き当てた枠順は、ライバルが改修後の2007年以降の11回で、連対は０、逆に２桁着順の大敗馬が７頭も出た１枠１番に対し、アパパネやブエナビスタと同じ５枠９番という好枠を引き当てた。旧コースでも、ダンスインザムードやスティルインラブ、ファレノプシス、ニシノフラワー、アグネスフローラなど、数多くの桜花賞馬を輩出している好枠を超える「幸」枠。こうなってくると、もしかすると逆転の目も出てくるのではないか、と思わせられる。

鞍上は川田騎手。皐月賞で最有力候補と目されていたダノンプレミアムが出走回避となり、逆に今週の桜花賞は期するところがあるだろう。

いろいろな意味で注目したい１頭だ。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●クラシック開幕●

今年の桜花賞、不動の本命は４戦４勝で勝ち進んできたラッキーライラック。

チューリップ賞で阪神ＪＦ組を再度完封したことで、対戦してきた相手では逆転は難しい。

他の路線を歩んできた未対決組がどこまで太刀打ちできるか、という構図だろう。

その未対決組の筆頭がアーモンドアイとプリモシーンではないだろうか。

出世レースのシンザン記念を圧勝で勝ち上がったアーモンドアイと、後にクイーンカップを勝つテトラドラクマを未勝利戦で差し切りフェアリーＳを制したプリモシーン。

どちらもディープインパクト産駒らしい瞬発力が持ち味。

プリモシーンのフェアリーＳとアーモンドアイのシンザン記念はともに戸崎騎手での勝利。

プリモシーンの方はもともとコンビを組む予定だったが、アーモンドアイの方はルメール騎手を予定していた。

ところが、ルメール騎手が昨年末に騎乗停止処分となり、その影響で年明け３日間の騎乗ができなかったため、乗り替わりで駆けつけたのが戸崎騎手というわけだ。

やはり、勝ち方にインパクトがあったのは断然、アーモンドアイだろう。

実際、戸崎騎手はどちらか選べるならというオフレコの質問に、アーモンドアイ、と答えたとのこと。

そのアーモンドアイを先に選んだのは戸崎騎手ではなくて、ルメール騎手が自ら選んだようだ。

これが現在の騎手の優先順位であり、ルメール騎手には最優先の権利があるということ。

４戦すべてで石橋騎手が手綱を取ってきたラッキーライラック、ルメール騎手に選ばれたアーモンドアイ、戸崎騎手はマウレアではなくプリモシーンを選択。

王道路線はやはり強かったとなるのか、新女王が別路線から誕生するのか。

満開の桜に祝福されるのはどのコンビなのか。注目したい。


【関西事情通のちょっとイイ？話】

●実績は下でも…●

今週からいよいよクラシックが開幕する。第一弾は桜花賞、日曜日には桜の女王が決まる。その桜花賞の前夜祭の様に、土曜日にも芝のマイル重賞が東西で行われる。

阪神では古馬牝馬による阪神牝馬Ｓ。13頭立てとフルゲートに満たなかったものの、ＧＩ馬のソウルスターリング・アドマイヤリードの２頭を含む重賞勝ち馬７頭を数える豪華メンバーとなった。

話題も人気もそんな重賞ウイナーに集まりそうだが、大半がこの後のヴィクトリアマイルを見据えたステップレース、多少なりとも余裕を持たせた仕上げになるだろう。

逆に、収得賞金的に微妙なラインの馬の方が、ここでの勝度合いは高くなる。

ジュールポレールとミエノサクシードの２頭はまさにそんな類。

まずジュールポレール。昨年のこのレースは３着、そしてヴィクトリアマイルでも僅差の３着と、牝馬の中ではトップクラスの能力がある事は証明している。しかしながら、現在の収得賞金では、福島牝馬Ｓの結果によるところもあるが、ヴィクトリアマイルへの出走はかなり厳しい状況。ここで勝って優先権利を取るか、最低でも２着で賞金を加算させなければならないところ。そういう意味もあってか、この２週は坂路で51秒台を連発し仕上げて来ている。２ケ月以上の休み明けも３戦３勝と、休み明けから結果を出すタイプ、豪華メンバー相手で全くもヒケは取らない。

ミエノサクシードの方も、準オープンを勝ったばかりで、古馬になって初めての重賞挑戦、当然現時点では賞金的に本番への出走は厳しい状況。ただこの馬に関しては少々趣旨が異なる。

この馬が連対した全８鞍中５回が阪神の芝コース、全５勝中の３勝も阪神の芝、ようするにこのコースを最も得意にしているということ。さらに、長距離輸は得意では無く、どちらかと言うと「本番よりもここが勝負」という雰囲気になるのも当然と言えば当然。

聞けば、中間の動きは、休む前よりもフットワークが全然違い、いよいよ本格化してきた感があるとの事。もちろん、本格化で体質強化されていれば東京の舞台での好走も夢では無いが、まずは得意な舞台のここで結果を出しておきたいところ。

ＧＩ馬や重賞ウイナーの影で人気は無いと思うが、実績は下でもこの２頭は注目しておきたい。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●３着までが必要●

３着までにＮＨＫマイルＣの優先出走権が与えられるニュージーランドＴ。

例年はファルコンＳが有力なステップレースとなるが、近年は出走回数を減らしてなるべくＧⅠへ向けての消耗を少なくしたいという意向が強くなり、トライアルレースへ向かうステップも様々。

また、今年はその傾向がより強く現時点でのＮＨＫマイルＣのボーダーラインは例年以上。

それに来週のアーリントンカップもＮＨＫマイルＣのトライアルレースとなったことや。今年の桜花賞組はマイラー色が強いタイプが多いので、桜花賞の結果と内容次第ではオークスではなくマイル路線へと矛先を変更する馬も多そう。

となれば、よりＮＨＫマイルＣのボーダーラインは上がるので、トライアルレースで権利を掴むことが重要になる。

今年のメンバーの中で確実と言えるのはカシアスとリョーノテソーロだけで、それ以外の馬たちは３着以内が必要。先々週まで比較的時計のかかっていた中山の馬場だが、先週は急に速くなりダービー卿ＣＴで１分３２秒２を計時。

カシアスとリョーノテソーロ以外は３着以内が必要、プラス、高速馬場への対応力。この２点を踏まえて予想してもらえれば、いい結果にむすびつくかもしれない。