第891回&第892回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●秋のGI戦線へ向けて!●
秋の中山阪神も3週目、次週にはGIスプリンターズS、早くも秋競馬も佳境に向かう。今週も、その秋競馬の佳境に向けて注目のトライアル戦が行われる。日曜阪神では菊花賞トライアルの
神戸新聞杯。除外馬まで出た先週のセントライト記念とは一転して8頭立てと少頭数となった。その理由は…
やはり神戸新聞杯には皐月賞馬サートゥルナーリア、そして皐月賞2着ダービー3着のヴェロックスが出走予定とあって、権利を取りたい陣営にしてみれば「2議席埋まってしまっている神戸新聞杯よりはセントライト記念の方が可能性はある」となるのだろう。実際、そういう意味で中山へ使いに行った関西馬も多かった。
焦点は、サートゥルナーリアとヴェロックス、どちらが上なのか…戦績上は1勝1敗の五分、着差も僅かで、その戦績だけ見れば力量差は無い様に見えるが…
トレセン内では、圧倒的にサートゥルナーリアが上という声が多い。というのは、皐月賞は僅差とは言え、キッチリ仕上がっていたヴェロックスとは対照的に、サートゥルナーリアの方は暮れのホープフルS以来の出走でまだ余裕残しの状態で、着差は僅かでも、それ以上の能力差を見せ付けるレースだった。
ダービーに関しても、1番人気でしかも鞍上が急遽の乗り替わり、そういう事もあってかイレ込みが目立ち、その影響か肝心のスタートでやや出遅れ気味、それを内有利の馬場にも関わらず早目に外から追い上げてしまい、ゴール前で脚が鈍りヴェロックスに先着を許したものの、負けるべくして負けたレースだった。それでいて半馬身差とあって、ここでも負けはしたものの、実は勝負付けは済んでいる…サートゥルナーリアの方が一枚上、それがトレセン内で囁かれている。
鞍上は、今回は皐月賞時と同じルメールが手綱を取る。ただ既報通り次走は菊花賞だろうが秋の天皇賞だろうが、ルメールは騎乗予定馬が決まっているため乗り替わりとなる。そういう意味で、ルメール自身もここが勝負の騎乗になる。
ダービーで乗れなかった無念を晴らす意味でも、思いは強いだろう。
少頭数でしかも強い馬が存在するだけに、馬券的には魅力は薄いかも知れないが、この秋のGI戦線を占う意味で、注目しなくてはいけないレースには違いない。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●大事なトライアルレース●
近5年の中でもっとも少ない10頭立てとなった今年の
オールカマー。
各陣営によって様々な選択肢が選ばれるようになり、近年は前哨戦を使わずにGⅠへと向かう馬が増えてきたことで、トライアルレースへの出走頭数が減少傾向にある。
GⅠ馬のレイデオロとウインブライトはここをステップに天皇賞・秋やジャパンカップ、有馬記念、もしくは香港への遠征を視野に入れているはずで、やはり仕上がりとしては7~8分と見るのが妥当なところ。
秋のGⅠ戦線へ向けて賞金加算をしたいのが、重賞勝ち馬のグレイル、ゴーフォザサミット、スティッフェリオ、ミッキースワローあたりだろう。ここで2着以内に入ることで、出走したいGⅠやGⅡの出走可能な賞金ボーダーラインを気にすることなくローテーションを組めるようになるのは戦略上大きな強みとなる。
もともと強気な発言が多い騎手ではあったが、
ウインブライトに関しての
松岡騎手の発言は強気のレベルを超えたものが多い。
香港でのQE2を制したあとには「俺の乗れる馬のレベルを超えてきた」と自虐ながら馬の能力たたえており、この中間は「これからあと何勝、GⅠを勝てるか楽しみ」など、ウインブライトが活躍しないわけがないという自信から溢れ出たコメントであり、絶対的な信頼がそこにはあるのだろう。
レイデオロとの対決で勝利することがあれば、秋のGⅠで本命候補となることは間違いなく、またその勢いのままGⅠを連勝するようであれば年度代表馬という可能性も出てくるはず。
秋のGⅠ戦線を占う意味でも大事な一戦となりそうだ。
【競馬場から見た推奨馬券】
刻々と変わる天気予報…。土曜の朝の時点では、土、日曜ともに大しては降らない予報になっている。ここまでコロコロ変わられては、もはや考えるのも無意味か。
とりあえず、悪くなっても稍重までと見て馬券を検討したい。
まずは
中山3R。デビュー戦のパドックにて、その馬体の良さが目を引いた5番
レインカルナティオに期待する。ただ、その時はまだ立派過ぎるように映り、叩けばグンと良くなる印象だった。レースでも出遅れて外々を回らされて5着。それでも渋太く伸びており、見どころはあった。
当然、叩かれた2走目は期待したが、内の好位につけての絶好の態勢がアダ。なかなか前を捌けずにいるうちに、嫌気をさしてしまったように見えた。それでも馬体が16キロ絞れて、道中の行きっぷりなんかは、かなり良くなっていた。
前走で嫌気をさしたことが、後を引いてなければ、更に上積みが見込める今回は好勝負になるはず。
単勝 5
馬連 5-6 5-9 3-5
3連複 5-6-9 3-5-6 3-5-9
自信度 B
配当的な妙味は薄いが、手堅く行くなら
中山7Rか。
コース替わりの中山マイル戦だけに、内枠が絶対条件。ならば当然、軸は2番
ユナカイト。アネモネS3着を持ち出すまでもなく、現級では明らかに上位の存在。特にマイル戦はそのアネモネが3着で、他も1、2着。いずれも内容が良くて時計も速い。
骨っぽい相手も見当たらない今回は、捌きさえスムーズなら勝機と見る。
馬連 2-11 2-14 2-8
自信度 B
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●いろいろ事情があります●
某有名オーナーのブログの内容によって菊花賞へ向かわないことを、トライアルレースである神戸新聞杯の前にばらされてしまったサートゥルナーリア。
主戦の
ルメール騎手が菊花賞でサートゥルナーリア以外の依頼を受けたということが、菊花賞をパスすることをすでに証明しており、ではどこを目標にしているのかといえば、古馬と対戦する天皇賞・秋の予定とのこと。
ただ、天皇賞・秋でルメール騎手はアーモンドアイへ騎乗することがすでに発表されており、サートゥルナーリアは乗り替わりということになる。
では、誰に乗り替わるのか。
それは、短期免許で来日している予定のフランスのトップジョッキー、とまでしか現時点ではお伝えできないが、すでに日刊紙などでは、誰が来日予定と報道しているのでそれを参考にしてほしい。
また、オールカマーと神戸新聞杯が同日で行われるのでルメール騎手はレイデオロとサートゥルナーリアのどちらに騎乗するのか、難しい選択になったと思うはずだが、実はあっさりと決まっていたようだ。
というのも、サートゥルナーリアはかなり早い時期から神戸新聞杯で始動することが決まったが、レイデオロは多くの選択肢があり、すぐに始動戦が決まらなかったのだ。
しかも、この2頭は同じキャロットクラブなので、大きく揉めることなくルメール騎手はサートゥルナーリアへと決まったとのこと。
レイデオロはオールカマーの次走として、天皇賞・秋かジャパンカップを予定しており、どちらにしてもアーモンドアイにルメール騎手が騎乗する以上は、レイデオロとコンビを組むことは不可能な話。
年内での引退を示唆しているレイデオロは種牡馬として、もうひとつ大きな勲章であるGⅠ制覇がほしいところだろう。レイデオロの走りを見ることができるのもあと数回。
また、サートゥルナーリアにルメール騎手が騎乗するのも、今回以降はないかもしれない。
どちらの馬も復帰戦で好スタートを切ることができれば、秋の競馬がより盛り上がるはずだ。
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●2頭に肉薄?割って入る?●
秋の中山阪神も3週目、次週にはGIスプリンターズS、
早くも秋競馬も佳境に向かう。
今週も、その秋競馬の佳境に向けて注目のトライアル戦が行われる。
日曜中山の
オールカマーは、勝ち馬に秋の天皇賞の優先出走権が与えられるトライアルレースであり、舞台が中山芝2200mという事で、その後のジャパンカップや、同距離のエリザベス女王杯、さらにはその先の有馬記念をも占う一戦と言える。
今年は牝馬の参戦はないが、昨年の覇者であり現役屈指のバリバリのオープン馬であるレイデオロ、そして今春の中山記念ではGI馬5頭を退け優勝し、勢いそのままに香港のGIクイーンエリザベス二世Cを制し、充実期を迎えているウインブライト、この2頭の参戦で、少頭数ながらも競馬が俄然面白くなってきた。
人気を集めるのも当然この2頭だろう。この2頭の対決だけでも非常に興味深い。
ただ、関東馬ばかり注目されているものの、関西馬にも惑星的存在はある。
昨年末のレース以来の休み明けだった前走の福島テレビオープンで、見せ場も無い競馬で敗れたため人気を落としている
グレイル、意外と侮れない存在だ。
その前走の福島、元より大トビで小回りの器用に立ち回らねばならないコースは得意ではなく、福島コースへの適性が無いのも確か。
それが今回は、一応昨年同コースでも行われたセントライト記念で3着と、実績のあるコース。少なくとも前走の福島コースよりは断然良い。さらに…
実は前走時、当初は函館記念での復帰を目標にしていたのだが、調整を進めている段階で賞金的に出走が難しくなり、直前になって急遽目標を切り替えた経緯がある。
状態に関しても多少なりとも影響があったのだろう。
昨年はダービー以来の出走だったセントライト記念で3着、今年は休み明けをひと叩きして今度は目標通りに仕上げられてきたグレイル、関東馬2頭にはもちろん一目置いているが、肉薄する可能性は十分あるだろう。そして肉薄するだけでなく、割って入ればそれだけで高配当、もしまとめて面倒を見るようなら大変な馬券になるかも知れない。
そんな可能性を少なからず感じてしまう一頭だ。
【競馬場から見た推奨馬券】
直撃こそなさそうだが、台風の影響で今週の中山も馬場状態は微妙。一応、土曜の午後からという予報なので、土曜はそれほどの悪化はないと見る。ただ、先週の月曜が道悪競馬だっただけに、それなりには荒らされたはず。芝コースは、先週までの超高速馬場とは少しイメージが変わってきそうだ。ダートは、今週も時計の速い先行有利な馬場と見て良さそう。
ちょっと荒れてきた馬場なら、
中山6Rの5番
ワセダインブルーで行ける。
とにかく、今回と同じ中山2200mでの未勝利勝ちが強かった。馬場状態も稍重でほとんど一緒。他馬を全く問題にしない一捲りの競馬で圧巻の強さだった。2着がアルビオリクスなので、相手も決して弱くはなかった。鞍上も武豊だったので、今回も良いイメージで乗ってくれるはず。
前走の札幌戦は久々ということもあったし、レースもスタートと直線で不利があった。それに3~4コーナーもだいぶ外を回るロス。それでも差のない競馬だったように、やはり能力は高い。
レースが6Rというのも良い。馬房内で旋回癖があるだけに、あまり後半のレースだと疲れてしまうので。早目に雨が降り出せば、更に信頼度は高くなる。
馬連 5-10 5-13
3連複 5-10-13 5-8-10 5-8-13
自信度 B
ダート先行有利と記したが、
中山7Rは追い込み馬の11番
マンノグランプリを狙う。
大型馬特有のズブさがある馬で、とにかく勝ち味に遅い。それが夏の暑さで馬体が絞れたのが良かったようで、以前よりハミ取りが良くなった。今回は叩き3戦目で更に上積みが見込める。
そして、強調したいのは展開面。トレイントレインとフィルストバーンの2頭が、共に逃げないと持ち味が活きない馬。それにできれば逃げたいオオゾラがからんで、先行激化は必至。追い込み一手のマンノグランプリには、おあつらえ向きの展開となる。
器用さに欠けるので、12頭と手頃な頭数も同馬には競馬がしやすい。馬場状況と脚質的に、勝ち切るとは言い切れないが、馬券の対象となる可能性は高いと見る。
馬連 4-11 2-11 8-11
ワイド 4-11 2-11
自信度 C