谷中公一のソコまで聞いちゃう!?[2012年10月3日対談記事] 1ページ/3



今回のゲストは、美浦・伊藤圭三厩舎で助手をされている橋本広喜さんです。谷中さんと同じく、元ジョッキーで現在は助手をされているということで、ジョッキー時代のお話、助手に転身されてからのお話を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

橋本:よろしくお願いします。

谷中:よろしくね、ハッシー。このコーナーはこれまでずっと若手騎手が対談相手だったから、何か逆に新鮮だね(笑)。

橋本:そうなんですか(笑)。

だいたい「ジョッキーになろうと思ったキッカケは?」みたいな質問から対談が始まっていました。せっかくですから、橋本さんがジョッキーになろうと思ったキッカケも伺いたいんですけど。ご出身は宮城県で。

橋本:はい。宮城県の松島の隣町の大郷町っていうところで、15歳まで育ちました。隣町の松島まで行かないと電車がないような、まあ田舎ですよね(笑)。その大郷町は小さい町なんですけど、馬を飼っている家が2軒あって、そのうちの1軒がウチなんです。農耕馬とアラブを飼っていました。

谷中:へー、家でアラブを飼っていたんだ。

橋本:はい。父が昔、騎手になりたいって言っていたんですけど、本家の長男なので、農家を継げって言われて農家を継いだんです。でも、騎手になることを忘れられなくて、農耕馬を止めて機械化されたときに、アラブを生産しようということになったみたいです。だから、僕は、朝は寝藁上げをしてから学校に行って、帰ってきたらファミコンをやる前に放牧地から馬を連れてきて手入れをして、っていうのが日常でした。

谷中:じゃあ、小さい頃から馬に触れていたわけだし、早いうちから騎手になろうっていう考えもあったの?

橋本:いえ、幼稚園のときは夢がパイロットだったんです。

谷中:え、そうなの。

橋本:僕が幼稚園の頃に宮城県沖地震があって、すごく揺れたんです。それで、空を飛べれば逃げられるんじゃないかと思って。単純な考えでパイロットになりたいな、と(笑)。

谷中:空を飛んで逃げるためにパイロットになるって、子供らしくてカワイイね(笑)。

橋本:それから、小学校の卒業文集に書いた夢は騎手で、中学校のときも騎手でした。

谷中:家族の反対はなかったの?

橋本:僕は長男なんですけど、弟がいるので弟に家を継がせればいいかなという感じだったし、じいちゃんも「行け行け」っていう感じで。1次試験に受かって、何が何だか分からないまま2次試験を受けに競馬学校へ行って。そのとき初めて新幹線に乗りました(笑)。

谷中:中学3年生にして、初めて新幹線に乗ったんだ。

橋本:そのときのファッションも凄かったですよ。仙台って宮城でいうと凄い都会なんですけど、仙台のお兄ちゃんたちが「広喜、東京に行くんだったらコレ着ていけ」って渡してくれたのが、真っ白なトレーナーで、胸に赤いロゴが書いてあるんですよ。カッコ良い!一張羅だって思って着て行ったんですけど、そのロゴが「COCO'S」って。

谷中:え?「COCO'S」って、あのファミレスの?何でココスなの?

橋本:多分、仙台にファミレスが出来た最初の頃だったんですよ。いとこのお兄さんがココスで食事して、ノベルティグッズとしてもらったんでしょうね。競馬学校に入学してから、四位(洋文騎手)に「ハッシー、そのココスって、ファミレスやで」って言われて(笑)。
上はそのトレーナーを着て、下はケミカルウォッシュのジーパンを履いて。

谷中:ケミカルウォッシュ(笑)!時代だねえ。

橋本:靴はスニーカーを履いて。競馬学校時代は、その格好で松戸に行ってました(笑)。

谷中:純粋だったんだね。宮城の田舎で育った純朴な少年そのもので。小さい頃はどんな遊びをしていたの?

橋本:田舎だったんで、野山を走り回っていましたね。ファミコンもやっていましたよ。ドラクエ2の復活の呪文を間違えたり(笑)。あと、ゲームウオッチの「ファイア」を買ってもらいましたね。

谷中:それ、俺も持ってた!懐かしいな(笑)。

橋本:あれ、結構高いんですよ、6500円ぐらいして。買ってもらえなかったけど「ドンキーコング」とか熱狂的にやっていました。騎手になってお金を稼げるようになってから、当時のゲームやおもちゃを新品で集めましたよ。

谷中:あ、騎手を辞めてからおもちゃ収集を始めたのかと思っていたけど、現役のときから集めていたの?

橋本:デビューした頃からですね。UFOキャッチャーも好きで、取れるまでやっていましたよ。1万円ぐらいかけて。おもちゃだけじゃなくて、時計も、Gショックのラバコレとかスウォッチとか流行ったじゃないですか。靴もエアジョーダンとか、履かないのに集めていました。

谷中:今も時計とか靴を集めているの?

橋本:いえ、コレクションは、嫁さんから「邪魔だから売りなさい」って言われて、全部売りました。そのお金が、食器洗い乾燥機に変わったりして、少しは家計に貢献しているかな、と(笑)。今に至って細々と続いているのは、グリコのおまけ集めですね。

谷中:そうなんだ。でも、ハッシーはたくさん勝ったし、重賞も勝っているから相当コレクションにはお金をつぎ込んだんじゃないの?

ちなみにこれが橋本さんの現役時代の成績です。重賞は10勝されていますね。

谷中 公一

1965年長野県生まれ。1985年、美浦の阿部新生厩舎の所属騎手として騎手デビュー。JRA通算成績145勝(うち障害3勝)。初騎乗は1985年3月10日にヤノリュウホウ(8着)。同年6月15日イチノスキーで初勝利。現役中に騎手生活の厳しい現実を綴った著書「崖っぷちジョッキー」を発表。現在は天間昭一厩舎の助手として活躍中。同厩舎ではレッツゴーキリシマやクラウンロゼなどを担当した実績もある。またその傍らドッグガーデン「WANだら~」経営者としても手腕を発揮している。

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