東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2012年12月9日]

【阪神JF】なにがすっ飛んできてもおかしくないのだが

枯葉が1枚、2枚、4枚、8枚、16枚、32枚、64枚……と舞い散り、終枚(おしまい)になる季節。都心での忘年会が真っ盛りのせいか、吉祥寺の居酒屋「青夷」の週末は客も少なくさびしかった。

それでも、マスターの愛妻お貴さんと日本酒をかたむけながら世間話なんぞに花を咲かせる。1本が2本に、2本が4本にと重なってくると、マスターの顔が険しくなっていく。店主としては酒が売れるのは嬉しいことだが、夫としては酔量が気がかりなのだろう。「私は客でお金は払いますから」とお貴さんの目が据わってくる。

やがてカウンター内で手伝っていた口撃機関銃ヤマの愛妻おミナ姉御が仕事を終えて横に座った。ウィン5の買い方などの講釈を受け、美熟女予備軍の2人を相手に、少数精鋭の楽しいひとときを過ごさせてもらった。

開店早々で競馬にはうわの空のマスターだが、阪神JFは(10)レッドセシリアで買うらしい。聞くところによると、口撃機関銃ヤマは(5)プリンセスジャックを狙っているとのこと。

私の狙いは

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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