早稲田大学特任教授が射抜くワイド1点

[2012年1月5日]

【中山金杯】もう混沌とした迷妄はふっきれた

元旦は調布市の深大寺に初詣した。馬券1枚分を賽銭にひたすら「無病息災」を祈願するだけ。ゆめゆめ「馬券で儲けさせてください」など祈るつもりはない。昼前には帰宅して、その後は、ほとんど風呂三昧の寝正月(お酒不可欠)だった。その合間に、二百万部を超えるベストセラーのヤマザキ マリ『テルマエ・ロマエ』 I~IVを一日で読破する。漫画本だからたやすいが、ローマ時代の浴場にまつわる話は日本人の心をくすぐる。細部にわたっても、感心するほどよく描けていると思う。彼女が今月中旬発売の拙著『ローマ人に学ぶ』(集英社新書)の表紙に帯を描いてくれている。関心のある方には、乞うご期待。

年末の有馬記念、ブエナビスタを軽く見てオルフェーヴルを狙ったまでは正解だが、ヒルノダムールは期待はずれだった。がっくりしたが、おけら街道の居酒屋で、来賓室同席の作家さんや芸人さんたちとやけ安酒をあおりながら気分転換。皆々の衆、来年まで決して馬券を買わない、と固い決意表明をなさる。でも、すぐに来年が来たのです。


2000メートルの中山金杯は皐月賞3着のダノンバラードに注目していた。相手は(12)フェデラリスト(13)エクスペディションか、迷いに迷っていたところだ。でも、出馬表を見れば、バラードは除外されているではないか。そうなれば、もう混沌とした迷妄はふっきれ、がぜん青空が広がる気分だ。

(12)-(13) のワイド1点で勝負する。


マイルの京都金杯はレーヴディソールの登録を見たとき、あれだけの名牝をなぜこの冬の時期に走らせるのか、関係者の真意が解せなかった。おそらく春のG1ビクトリア・マイルを狙うのだろうが、それにはここを使っていいの、と心配だった。でも、さすがに回避という見識ある判断になり、まずはホッとする。そもそも厳寒期の牝馬は信頼しづらいのだから、牡馬2頭に絞る。菊花賞馬(12)ビッグウィークのマイル戦出走も解せないところがある。そこでマイルの持ち時計がよく、京都コースに実績がある馬となると、(4)マイネルラクリマ(6)オースミスパークが浮上する。両馬ともそれほど人気がないのが程よい。

(4)-(6) ワイド1点で勝負する。

【by本村凌二】
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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
元東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
現在は早稲田大学特任教授。
放送大学客員教授。専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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