早稲田大学特任教授が射抜くワイド1点

[2012年5月6日]

【NHKマイルカップ】大本命といえるほどの馬はいない

先週のコラムは「現実はいつも想像を超える。さて、吉に笑うか、凶に泣くか。」と結んでいる。その予想だけが的中した天皇賞だった。


以前にもふれたが、フェブラリーSで本命トランセンドが惨敗してから競馬の歯車が狂いだした。それがよもやのオルフェーヴルの惨敗で頂点に達したかのようだった。これほどの衝撃の悪夢は近年ではなかったといっていい。故障がなさそうなのがせめてもの幸いであろう。


前走の阪神大賞典での大外逸走から2着まで追い上げた激走が思いのほか応えていたのかもしれない。休養明けの馬が圧勝したとき、次走で凡走することがある。いわゆる二走ボケというが、その典型ともいえるのではないだろうか。また、逸走したために調教の上、試験を受けさせられたことの反動もありうる。すくすく育ってきた子供が教育ママに「勉強しなさい」とうるさく言われたので心がすねってしまったことも考えられる。かつてペルーサも出遅れ癖を矯正されたが、矯正前の方がむしろ走っていたのではないかと思わないでもない。馬の心理学という面から考えさせられる。身体の疲労ならならそれほど心配はないが、歪んだ心は治りにくい。いささか心配でもある。


さて、今週のNHKマイル。大本命といえるほどの馬はいない。あえてあげれば(5)カレンブラックヒルだろう。3戦3勝、とくに前走の勝ちっぷりが光る。でも、

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
元東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
現在は早稲田大学特任教授。
放送大学客員教授。専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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