採れたて!トレセン情報
第657回&第658回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●1頭入魂!●
今週は、夏の福島・中京が最終週、次週からは新潟・小倉に突入し本格的な夏競馬が開幕する。夏の中京のトリを飾るのは、サマーマイルシリーズの第1戦となる中京記念。梅雨時期の開催最終週に行われる馬場で、しかもハンデ戦、その字面通りに波乱決着ばかり。この時期のマイル戦として施行されてからの過去5年、4番人気以内の上位人気馬の連対は皆無、馬連配当も49倍・220倍・200倍・170倍・51倍と5回中3回万馬券、残る2回も約50倍の高配当決着、3連単に至っては、昨年こそ870倍で収まっているが、それ以前の4回は全て6桁配当、簡単に20万・30万という馬券が飛び出す荒れに荒れている。
今年の中京記念、恐らく1番人気は米子Sをレコードで圧勝したブラックムーンだとは思うが果たして…!?
注目してみたいのは、そのブラックムーンの勝った米子Sでコンマ3秒差で3着だったグァンチャーレ。鞍上は古川吉洋騎手、この馬に7回乗って1勝ながらも5回馬券対象内という相性の良さを買われての依頼だろう。その古川吉洋騎手は、この時期主戦場としているのは北海道シリーズの函館、この馬のために逆遠征してくることになる。
ここでお気付きの方もいらっしゃることだろう。日曜日は中堅騎手の遠征競馬なのでこの馬1鞍だけの騎乗になるのは仕方が無いとしても、函館ではそこそこ騎乗馬もあるはずなのに、何故土曜日に1鞍も乗っていないのか?
その理由は、実は古川吉洋騎手、土曜日も中京で乗る予定をしていたのだが、メインで騎乗を予定していたライドオンウインドが残念ながら抽選除外となってしまい、土曜日の乗鞍が無くなってしまったという経緯。但し、これは単純な行動では無い。
涼しい函館から非常に暑い中京への遠征、これは体力的にも精神的にもハードな行動、ゆえに、体を慣らす意味もあって、残れば騎乗馬も居たはずの土曜の函館を捨てて、中京での騎乗を決めた。結果的には乗鞍が無くなってしまったが、これで日曜の中京記念へ集中することができ、プラスに捉えることも出来る。
馬の方も、前走が放牧先で一頓挫あった様で、その状態でコンマ3秒差、叩いて上積みは十分の今回は逆転する可能性は十分にある。
古川吉洋騎手の、まさに「1頭入魂」、今年の波乱の立役者になるかも知れない。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●夏の上がり馬●
ここまで7勝を挙げているウインガニオンは、その勝ち星のすべてが4月から8月の間のみ。
3歳時が2勝、4歳時が3勝、5歳となる今季が2勝。
毎年勝ち星を挙げており、早熟でもなければ晩成ということでもなく、暖かい時期が得意という典型的なタイプということだろう。
中京記念でコンビを組む津村騎手とはこれまで5戦2勝とまずまずの相性。
前走のパラダイスSでは3番人気での逃げ切り。負かしたグランシルクは圧倒的な1番人気だった。
今回も人気面でグランシルクとの差はかなり大きく勝っても人気にならないタイプ。
一方のグランシルクは勝ち切れないが、常に人気をするタイプ。
今の中京競馬場は馬場に左右されるところが大きく、外を回らされる差し馬には不利になりやすい傾向がある。それを踏まえれば前々で競馬できるウインガニオンに展開の利はかなりありそう。
何が何でもハナへ、というタイプがいない組み合わせたなだけに、ここも単騎逃げが濃厚。
ペースを作れる強みと馬場を選べる有利さを生かせれば重賞に手が届くかもしれない。
津村騎手も先週までの時点で27勝を挙げて関東リーディング7位と好調。
今のペースで行ければ過去最高の38勝を上回れる計算。
近い関係者によれば、これまで以上に勝つことへの執着が増していることが結果につながっている、とのこと。
31歳になり、もう若手ではなく中堅へと差し掛かかるところ。
騎乗技術の高さは関係者の中でも評価されており、あとは気持ちの強さと言われてきた津村騎手が、貪欲になってきたのなら怖い存在になるのは間違いない。急上昇の夏になるかも、しれない。
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●おおいに注目の1頭!●
今週は、夏の福島・中京が最終週、次週からは新潟・小倉に突入し本格的な夏競馬が開幕する。そして北海道シリーズも、第一幕の函館開催が今週で最後、次週からは第二幕の札幌開催が開幕する。
そんな函館開催のトリを飾るのは函館2歳S、今年は「どの馬にもチャンスがあるのでは…」と言われるほど、抜けた馬のいない混戦メンバーとなった。
そんな中で注目したいのは…!?
ところで、土曜の中京の馬柱を見ていると、アレっと思われるジョッキーが参戦している。そう、昨年に続き今年もこの時期は函館開催を主戦場としているはずの浜中騎手だ。宝塚記念の日を除き、開幕初日から腰を据えて函館で騎乗している浜中騎手が、何故重賞も無い土曜に中京まで逆遠征しているのか…メインのダノンフェイスのためか…?
もちろんダノンフェイスも期待はあるだろうが、真のお目当ては9Rの中京2歳Sのアマルフィコーストのようだ。自らで手綱を取ったデビュー戦がセンス良く先手を奪って強い競馬で勝利、ここで手応えを掴んだのだろう。オープンとは言え1勝馬4頭、未勝利馬3頭の組み合わせなら勝ち負けは当然、わざわざ中京へ逆遠征するのも理解できる。
但し、話はここで終わらない。
実は浜中騎手、当初は日曜日も中京で予定を組んでいた。メインの中京記念もアスカビレンに騎乗する事になっていたのだが…
だからこそ函館2歳Sで注目となるのが、浜中騎手が手綱を取るカシアス。この馬が未勝利を勝ち2歳Sに使うことになったので、日曜日の中京をキャンセルし函館での騎乗を決めた。そう、一見は主戦場に戻る様に見えるが、実はこの馬のためにわざわざ戻って来るという事だ。
デビュー戦はスピード任せに逃げて2着、2戦目は一転して控えて内目で折り合い直線力強く抜け出し勝利と、僅か2戦で違う競馬をしてみせ、センスある走りを披露。この経験は、1戦1勝馬が多い中では大きなアドバンテージだろう。もちろん能力的にも、浜中騎手の行動を考えれば納得するところ。このカシアスは、おおいに注目の1頭と言えるのではないだろうか!
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●待ち望まれる若手の台頭●
昨年は7勝だった菊沢騎手だが、今年はすでに9勝。
順調に勝ち星を伸ばすとともに、騎乗数も大幅に増加。関係者からの信頼を得てきている。
特に今週は勝ち星を量産できそうなラインナップ。
土曜日の2レース、3レースはともに前走2着で未勝利脱出は目前。
また10レースのミッキースワローは自身の初特別勝ちを挙げた馬。
ダービートライアルの京都新聞杯では0秒1差の5着。結果的に強気な競馬の分負けた印象だが、若手らしい勝ちに行く競馬で見ていて気持ちがいい内容だった。
土曜日だけで3勝は簡単なことではないが、今の勢いと馬の力を考えれば可能性は十分ある。
戸崎騎手の1強状態となっている今の福島、いや関東の競馬。
勢いのある若手騎手の台頭がないことには、関東の競馬は盛り上がってこない。
次世代のエースたちが育つ夏となってほしいものだ。
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