採れたて!トレセン情報

第698回&第699回

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【関西事情通のちょっとイイ?話】

●GIハンターが何故阪神?●

今年も早くも12月、師走競馬に突入する。その師走の最初のGIは下半期のダートGIチャンピオンズC。地方交流GI馬など計8頭を数える見応えあるレースとなった。そんな中、これまでのGIと少しだけ雰囲気の違うところがある。それは…


今年最初のJRAGI、フェブラリーSから先週のジャパンCまでGI19鞍に騎乗し、6勝2着2回・3着5回という恐るべし数字を叩き出している、ミルコ・デムーロ騎手、GIと言えばミルコ、ミルコと言えばGIというくらい、今年の活躍は目覚しく、また毎回有力馬に騎乗するため報道の中心的人物でもある。

しかし、このチャンピオンズCには、そのミルコの名前が見当たらない。何故なのか…


それは、まずミルコが一番乗りたがっていたのは、今年の快進撃の始まりを告げたフェブラリーSで騎乗したゴールドドリームだったようだ。ただ、オーナーサイドの意向もあってゴールドドリ-ムはムーアで挑む事になった。

それでも、GIハンターとも言える今年のミルコなら、乗ろうと思えば乗れた馬はいた。例えば近5戦中3戦で手綱を取り2つ勝たせているモルトベーネ。さらに実際に打診のあったグレンツェントも乗れるキッカケはあった。しかし、結果的にはGIでは騎乗せず阪神での騎乗を決めた。その真意は…


少なからずゴールドドリ-ムよりチャンスが少ない…ということらしい。

やはり勝負師、負ける事が嫌いなのだろう、勝てそうな馬に騎乗できない以上は乗らないと言う事なもかも知れない。

普段から乗り馬のジャッジは間違える事が少ないミルコ、今年のGIでも幾度となくお手馬がかち合うシーンがあったが、悉く選んだ方で先着している。

この秋も、スプリンターズSのレッドファルクス(ファインニードル)、菊花賞のキセキ(サトノクロニクル)、天皇賞サトンクラウン(リアルスティール)、エリ女のモズカッチャン(クイーンズリング)、マイルCSのペルシアンナイト(レッドファルクス)と、選んだ馬で連対を果たしている。そのジャッジが正確なミルコが、ゴールドドリームに乗れないなら阪神で乗るという結論に達したと言う事は、少なくともモルトベーネとグレンツェントに負けることは無さそうだ。そして、その鞍上が仕事人のムーアと言うことならば、栄冠に輝く可能性も十分にあるだろう。久しぶりの同一年JRA春秋ダートGI馬の誕生となるかも知れない。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●GIハンターが居なくても…●

ミルコが居ないGIというのは非常に珍しい事だが、それでも4人の外国人ジョッキーが参戦している今年のチャンピオンズC。

土曜の重賞でも、ステイヤーズSはムーアとボウマン、チャレンジCはミルコとクリスチャン、ともに外国人ジョッキー同士で決着したように、とにかく今の日本の競馬を席巻している。前述通り、ゴールドドリームの手綱をとるムーアにはチャンス大。武蔵野Sで復調の兆しが見えたノンコノユメもクリスチャンが連続騎乗ならチャンスがあるだろう。そして先週はタナボタ的なジャパンC制覇となったボウマン、ここで手綱をとるグレンツェントで勝つ様なら2週連続のタナボタと言えるだろう。

唯一、ルメールだけは解せないカフジテイクに騎乗。元々主戦だったノンコノユメや、騎乗経験のあるグレンツェントでは無く、何故か初騎乗となるカフジテイクの手綱をとることになった。この理由は…


実は本来、JBCレディスクラシックに出走予定だったクイーンマンボで、JBCをステップにここでも騎乗する予定だった。それがJBCを回避する事になり、結果的にここも間に合わず回避、乗り馬がいなくなってしまった。

そんな中、カフジテイクの主戦だった福永騎手は、武蔵野S後に同じくお手馬のケイティブレイブのほうを選択、鞍上が空席となったカフジテイクには各方面からオファーがあった様だが、同じく空いたルメールにまるで巡り会うかのように収まるべくして収まった。

これで外国人騎手4人が4人とも有力馬に騎乗する事に。土曜の重賞どころか、先週のジャパンCでもボウマン=ルメール、マイルCSもミルコ=ムーア、外国人ジョッキーのワンツー決着は本当に多いが、このチャンピオンズCも、GIハンター・ミルコが居なくても、そうなる可能性は十分ありそうだ。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●チャンピオンズCのあれこれ●

昨年のチャンピオンズCとあまり変わり映えしないメンバーとなった今年の組み合わせ。

新興勢力と言えば夏に頭角を現してきたテイエムジンソク、そのテイエムジンソクを破っており韓国GⅠを制したロンドンタウン、出遅れが功を奏して帝王賞を制したケイティブレイブくらいか。

高齢化が進むダート路線の主役は、昨年の覇者サウンドトゥルー。

主戦の大野騎手によれば「寒い時期が合う」と言うように、実際戦績を見ても秋~冬の勝率が断然の高さ。

大野騎手と高木調教師の関係は師匠と弟子以上と言ってもいいぐらいで、基本的に乗れる馬はすべて大野騎手でとなっており、それに応えた結果がスノードラゴンでの2014年スプリンターズS制覇、サウンドトゥルーでの昨年のチャンピオンズC制覇と、騎手&厩舎ともに厚い信頼関係で結ばれている。

一方、ある意味では節操がないとも言えるが、ある意味では現実的と言えるのがグレンツェントを管理する加藤征調教師。

グレンツェントは東西のトップジョッキーに打診するも、お手馬の都合や中山・阪神で先約があるからと断られて断られて辿り着いたのがボウマン騎手。

ところが、先々週の時点でM・デムーロ騎手に騎乗予定馬がいないという情報を手に入れると、ボウマン騎手からの乗り替わりを画策。

結果はM・デムーロ騎手が阪神での先約を優先したため乗り替わりはなかった。

ところがボウマン騎手がJCを勝った途端、グレンツェントはもちろん、他の馬もボウマン騎手へ打診。

ボウマン騎手が乗れる斤量は56キロからという制限があるため依頼を受けることはなかったが、それにしてもこの変わり身の早さは相当なもの。同厩舎の2頭出しは人気薄から、という格言を信じるならノンコノユメとのオッズ比較は忘れてはいけない。

もうひとつ忘れてはいけないのが、ルメール騎手とリーディング首位争いをしている戸崎騎手の参戦。

以前も書いたが、戸崎騎手の基本的な考え方として「GⅠよりもリーディングトップ」という考えがあり、逆に言えばGⅠに騎乗する時は勝算がある時という見方もできる。

ところがチャンピオンズCで騎乗しているのはレパードS勝ちしかないローズプリンスダム。

これはどういうことかというと、もともとの予定はユニコーンSを勝っているサンライズノヴァで参戦するはずだった。

ところが、賞金不足でサンライズノヴァの順位は補欠1番手。

上位に1頭でも回避がでれば繰り上がるはずだったが、それは叶わずサンライズノヴァは除外。

このままではせっかく中京まで遠征しているのにGⅠでの騎乗馬がなくなってしまう、ということでローズプリンスダムをABという投票方法で保険として確保。

つまり、ローズプリンスダムのための遠征ではなくお目当ては他にいたということ。

こうなると戸崎騎手の思考としては、他で勝ち星を挙げたいということになるだろう。

つまり、戸崎騎手の馬券を狙うならGⅠ以外で、ということになる。

GⅠともなると、レース以外でも多くの戦いが繰り広げられているのだ。


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