うまスクエア

馬券情報・最前線(栗東編)

関西の事情通が思惑の真相に迫る！

いよいよ今週、2023年のJRAG1も開幕する。

第一弾は上半期のダート王決定戦という位置づけのフェブラリーステークス。

サウジカップに有力馬が分散した関係で、やや寂しいメンバー構成とはなったものの、馬券的には楽しみなレースとなった。

そんな大一番を前に、今週は土曜日にも東西で重賞が行われる豪華な週末。

関西阪神では、ヴィクトリアマイルへ向けたステップレースの京都牝馬ステークスが行われる。

昨年の1・2着馬ロータスランドとスカイグルーヴが、6歳を迎えた今年も出走してきているが…

注目してみたいのは、同じ明け6歳の世代ながら今回が初めての重賞挑戦となるヒメノカリスだ。

昨年の正月の中山で2着に5馬身差を付ける圧勝劇で2勝クラスを卒業し、3勝クラスを勝つのも時間の問題と思われていたこの馬。

しかしその後は、先行して終いは全く伸びないという別馬のような走りで足踏みをしていた。

転換期となったのが3走前の奥多摩ステークス。

このレースは意図せず出遅れてしまい、それまでとは一転した最後方からの競馬。

鞍上の坂井瑠星騎手も、腹を括って後方から終いを伸ばす競馬にシフトした。

結果は13着と大敗しているのだが、陣営としては「終いに脚を使えた」と、着順は変わらずも光明の見える収穫あるレースだった。

次走の六甲アイランドステークスは、意図して後方からの競馬を選択、そして終いを活かす競馬に徹したが、その期待通りに終いはグイグイ伸びて連対確保。

すっかりこの形が板につき、ついに前走の新春ステークスでは、4角最後方から大外を豪快に伸びて差し切り勝ち、オープン入りを果たした。

そもそも全兄は皐月賞・大阪杯のG1を2勝のアルアイン、ひとつ下の全弟はダービー馬でドバイシーマクラシックも勝ち昨年のジャパンカップ2着と現役トップクラスのシャフリヤール、その血統的背景から、初めての重賞挑戦でも全くヒケは取らず、むしろ秘めた素質は上位といえる存在。

時間はかかったが、軌道に乗れば超良血馬なだけにまだまだ底は見えない。

6歳牝馬なので残念ながらヴィクトリアマイルには駒を進めることはできないと思われるが、それだけにこのレースに対する陣営の気持ちも強いだろう。

このヒメノカリスの走りにはぜひ注目してみたい。