重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner
●●組にアドバンテージ有り
今週は、毎年夏競馬で最も注目を集める札幌記念(G2、札幌芝2000m)です。
今年は白毛馬ソダシ、クイーンエリザベス2世Cを制したラヴズオンリーユーなどG1馬が4頭参戦するので盛り上がることでしょう。
予想をする上での着眼点は、《前走・函館記念組》です。ここでは、2つの理由を解説していきましょう。
まず1つ目は、前走レースデータから函館記念組に優位性があるということです。特に今年はその傾向が顕著になりそうです。
過去10年の前走レース成績をご覧ください。(※ 連対馬を出しているレースが対象)
函館記念 3-3-2-32/40
安田記念 2-2-1-4/9
宝塚記念 1-2-1-6/10
目黒記念 1-1-0-6/8
クイーン 1-0-0-9/10
優駿牝馬 1-0-0-1/2
エプソム 1-0-0-2/3
JC 0-1-0-1/2
DDF 0-1-0-1/2
このように函館記念が最も多く馬券に絡んでいるのが分かります。さらに、注目しておきたいのは、今年の出走馬の中に安田記念・宝塚記念からの出走馬がいないことです。
これを考慮すると、函館記念から参戦する馬の優位性は、さらに上がることになります。
2つ目は、陣営の思惑です。札幌記念に出走してくる馬には2つの思惑があるということです。
①秋のG1を見据えた仕上げで始動戦
②G1では足らないから全力で獲りに行く
ここで注目しておくのは②です。前走・函館記念組の多くは②のタイプに該当します。
そして、直近で一度レースを使っているという大きなアドバンテージがあります。
・心肺機能が高まっている
・十分なレース勘がある
・前走以上の仕上がり
といった点で能力を十分に発揮できる状態にあるということです。
加えて“小回りの洋芝コース”を経験していることもプラスに働くでしょう。
・環境の変化に戸惑う
・揉まれる競馬に怯む
といった点で心配する必要がないと言うのは有利です。このように、①のタイプに多いG1馬との能力差を埋めるには十分と言えます。
実際、2017年には1着サクラアンプルール(6人気)と2着ナリタハリケーン(12人気)の2頭が揃って激走。大阪杯3着から臨んだヤマカツエース(1人気3着)に先着を果たしました。
競馬は“単純な能力差だけでは決まらない”のが面白いところです。
今年の函館記念組は
2着アイスバブル、3着バイオスパーク、4着ディアマンミノル、8着マイネルウィルトスが参戦。アドバンテージを生かしてG1馬たちを打ち負かすシーンがあっても驚けません。
このように、好メンバーが揃う札幌記念には、馬柱だけでは判断できない有利・不利な要素が存在します。穴馬券を狙う上での着眼点としてぜひ覚えておいてください。
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