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重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

3強は崩れる!?騎手心理が馬券の要

今週の天皇賞秋(G1、東京芝2000m)は、3強対決で盛り上がりを見せています。

レースを騎手目線で見ると、騎乗馬以外が全てライバルとなります。その中でも特に強敵となる馬がいれば、より意識をするのは当然です。今回のように各メディアで3強対決と取り上げられれば、なおさらでしょう。

レース中には、人気馬の位置取りや距離、仕掛けのタイミングなど細かな駆け引きが繰り広げられます。その中でも、今回のように人気馬が三つ巴となるとお互いが牽制しあうという状況が生まれやすくなります。

先に仕掛けたら格好の目標になってしまう、かといって動き出しが遅れたら差し届かない…という心理が働くわけです。ジョッキーの判断がレース結果に直結するだけにコントレイル、グランアレグリア、エフフォーリアの3騎手がどういう騎乗をするか興味深いところです。

また、大レースの三つ巴では、展開の恩恵を受ける馬がいることも忘れてはいけません。

その中でも着目しておくケースが2つあります。1つ目は逃げ馬です。

今回の3強は、先行～中団あたりからの競馬が予想されます。先ほど紹介した通り早く動けば他の2頭からの目標にされるリスクがあるので、ジョッキー心理としては、逃げ馬よりも意識が他の2頭に向きやすくなります。そうすると結果として「逃げ馬」が軽視されやすくなる場面が生まれます。

逃げ馬が単騎のマイペースで運べた時の強さは、先週の菊花賞でタイトルホルダーが証明済です。

また天皇賞秋でも2018年に6番人気3着キセキ、19年に6番人気3着アエロリットが逃げて粘り込んでいます

今年は逃げ馬不在で、過去に積極的な競馬で好走歴があるトーセンスーリヤがマイペースに持ち込めそうなメンバー構成です。あっと言わせるシーンがあっても不思議ありません。

2つ目は上がり最速馬です。

これは、先ほどとは逆のケースです。3強の1頭が勝負所で早めにスパートする展開になると、他の2頭も負かしに動くためゴール前で末脚が甘くなる場合があります。そこへ直線勝負に賭けた瞬発力のある伏兵馬が突っ込んでくる展開です。

16年に7番人気2着リアルスティール、3着ステファノス。18年に4番人気2着サングレーザー、19年に5番人気2着フィエールマンなど、決め手に優れた馬が好走しています。

今年のメンバーではサンレイポケットやユーキャンスマイルのようなタイプの馬が、直線勝負に徹した時は不気味です。

参考までの、過去5年の上がり別の成績を見てみましょう。

■過去5年の上がり成績
1位【1.3.1.1】複勝率83.3％
2位【2.1.1.1】複勝率80.0％
3位【1.0.0.3】複勝率25.0％

このように、瞬発力に長けたタイプの馬が好走している事が分かります。

今年は、3強という明確な有力馬がいることで見えてくる展開、レースパターンというものがあります。流れを読んで食い込むチャンスがありそうな伏兵馬を見つけることも馬券攻略には必要になります。