うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

歴史的挑戦は実るか!?それとも…

12月に突入しました。ここまで来ると有馬記念まであっという間です。残りのG1シリーズも頑張っていきましょう！

今週はチャンピオンズカップ(G1、中京ダ1800m)が行われます。何と言ってもソダシのダート初挑戦が1番の注目でしょう。

ただ、歴史をさかのぼっても、JRAのダートG1において初ダートで馬券になった馬は、2001年フェブラリーSのトゥザヴィクトリー(3着)しかいません。

当たり前ですが芝とダートでは、好走するのに求められる能力が大きく異なります。

皆さんも海辺の砂浜や公園の砂場を踏みしめた経験があるかと思います。足が沈んで走りにくく、疲れるのも早かったはずです。

競走馬も同じで、パワーとスタミナが求められ、それがG1ともなるとより高いレベルが必要になります。

また競馬では、前の馬が蹴り上げた砂を被るキックバックにも対応しないといけません。

調教師として数多くの競走馬を管理した私の経験上、こればかりは慣れが必要です。

前に行ける脚があるか、外目を先行することである程度は回避できるとはいえ、レース展開や枠順などで毎回そうなるとは限りません。

実際、上記で紹介したトゥザヴィクトリーは、東京ダ1600mで有利な大外16番から外目3番手を追走しての好走でした。

ソダシ陣営も初ダートに不安があるのでしょう。2週前追いをダートで行い、前に馬を置いて砂を被った時のキックバック対策をしています。枠順次第によっては不利なデータを覆せるかもしれません。

しかし、もう1つ注意すべきは、チャンピオンズCの枠順成績です(過去7年)。

1枠【0-2-2- 8】複勝率33.3％
2枠【2-2-1- 9】複勝率35.7％
3枠【1-0-1-12】複勝率14.3％
4枠【1-0-0-13】複勝率7.1％
5枠【2-0-1-11】複勝率21.4％
6枠【1-1-1-11】複勝率21.4％
7枠【0-2-1-11】複勝率21.4％
8枠【0-0-0-13】複勝率0.0％

中京ダ1800mはコーナー4つのコース形態で、少しでも距離ロスを減らせる内目の枠が理想です。基本的に歴戦のダート馬たちが集うわけですから、密集した馬群を苦にすることはありません。

ところが初ダートのソダシにとってチャンピオンズCで有利な内枠は、砂を被りやすい諸刃の剣となります。キックバックを避けて逃げる形になれば目標にされるリスクもありますし、枠順次第では展開面で大きなカギを握る存在となるでしょう。

もちろんソダシ陣営も初ダートにおける不利を承知の上。勝負の手綱を託された吉田隼騎手も、考えながら乗るはずです。不利な条件下を跳ね除けて競馬史に残る結果を残せるか、非常に楽しみな一戦となります。

このようにチャンピオンズCの攻略には、ダート競走ならではのポイントやコースの特徴を正確に把握することが重要です。しっかりと出走各馬を分析してみてはどうでしょうか。