うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

重視するのはマイル実績ではない!?好走が見込めるのはこの2頭

先週のNHKマイルC(G1)では、「スムーズなレース運びができる枠」という金言のもと、レビューで取り上げた8枠のダノンスコーピオン(4人気)が勝利しました。

これで4週連続でレビュー馬が馬券になっています。今週も皆さんの馬券に貢献できるよう金言をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

マイル以上の実績が要求される

今週は現役最強クラスが揃い、女王決定戦に相応しいヴィクトリアマイル(G1)が行われます。2015年には2070万円も飛び出たように波乱傾向が強い一戦で、この背景には東京芝1600mらしい原因が隠されています。

一般的には、コースが広くてゴチャつく心配が少なく、直線が長いため各馬が力を発揮しやすいイメージがあるかもしれません。

どれも決して間違ってはいませんが、約525mという長い直線で力を余すことなく出し切るには、スピードだけではなくスタミナやパワーも求められます。

その1つの指標にもなる前走距離別成績をご覧ください(過去10年)。

前走距離別成績

1200m【1-0-2-17】複勝率15.0％・複勝回収率64％
1400m【1-1-1-27】複勝率10.0％・複勝回収率67％
1600m【3-5-4-57】複勝率17.4％・複勝回収率68％
1800m【2-3-2-36】複勝率16.3％・複勝回収率283％
2000m【2-1-1- 6】複勝率40.0％・複勝回収率71％

※回収率は対象馬の複勝をベタ買いした場合の数値

ご覧の通り、1600m以上の距離を使ってきた馬の好走率が目立っています。好走率で勝る2000m組、馬券妙味の1800m組といったところでしょうか。

ちなみに、1800m組の馬券圏内7頭は以下の通りです。

前走1800m組の内訳

21年 2着 ランブリングアレー(10人気)
19年 1着 ノームコア(5人気)
17年 2着 デンコウアンジュ(11人気)
15年 3着 ミナレット(18人気)
13年 3着 マイネイサベル(5人気)
12年 1着 ホエールキャプチャ(4人気)
12年 2着 ドナウブルー(7人気)

ペースが向いたりポジションに恵まれたりなど、スタミナやパワー以外にも後押しとなった要因はありますが、ヴィクトリアマイルの攻略に欠かせない着眼点と言えます。

今週のように雨で馬場が悪化するようだと、ますますタフなレースになることが考えられます。そうなれば好走確率が高まっても不思議ではありません。

これを踏まえて2頭レビューしていきます。

※5月13日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 レイパパレ

牝馬同士の戦いにおいて、男勝りの実績を残していることは大きなアドバンテージとなります。G1馬が5頭揃ったと言っても、牡馬相手のG1を制しているのはこの馬だけです。前走もタフな展開でよく粘りました。

2000m以上を使う際は必ずと言っていいほど折り合いに関する話題が出てきた馬ですから、今回の距離短縮もプラスに働くことが考えられます。

重馬場の大阪杯を制しているように道悪適性も十分。スピードを維持するスタミナやパワーに長けているタイプなので、自分のリズム、自分の競馬に持ち込めば簡単には止まらないでしょう。

2頭目 テルツェット

昨年は4連勝でダービー卿CTを制した勢いもあって3番人気に支持されましたが、それまでにも見せていたスタートの遅さが響き、流れに乗り切れず大敗。未体験の高速決着というのもあったでしょう。

ただ、その後にクイーンS(G3)を難なく勝ち切れたように能力は確かですから、とにかく流れに乗って競馬ができるかどうか。1800m戦の前走は小柄な牝馬には酷な56.5キロ、スタートで隣の馬にぶつけられ、終始厳しい一戦でした。

今回はレーン騎手に替わってどこまでスムーズなレース運びができるか。最後にゲート入りする大外枠も味方をしてくれそう。有力馬に先行タイプが多く、緩みのない流れになれば付け入る隙が生まれます。その激走候補として狙える1頭ではないでしょうか。