うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

コース利を得た2頭が有力候補を後目にグランプリを制す!?

先週行われたユニコーンSの記事では、金言通りにセキフウ(9人気)とバトルクライ(8人気)が揃って激走しました。

これからも皆さんのお役に立てるような記事を公開していきます。よろしくお願いします。

宝塚記念でG1レースは、一区切りとなりますが、夏競馬中も毎週更新していくので、是非ご覧ください。

狙うべきは両極端な2種類のタイプ

今週は上半期の総決算として大注目の宝塚記念(G1・阪神芝2200m)が行われます。豪華メンバーが揃いフルゲートと見応えのあるレースが期待できます。

舞台である阪神芝2200mは、今の変則日程ではエリザベス女王杯(G1)や京都記念(G2)でも使われているため上級クラスの馬でも経験する機会はありますが、基本的には宝塚記念が初という馬がほとんどです。

今年も、タイトルホルダー、エフフォーリア、ディープボンド、パンサラッサ、デアリングタクトなど有力馬が初めての阪神芝2200mとなります。

そんなコースにおいてどのような馬を狙うべきか。実は、枠順別成績を見ることで浮かび上がってきます。(過去10年)

1枠【0-2-3-10】複勝率33.3％
2枠【1-1-2-11】複勝率26.7％
3枠【0-1-1-13】複勝率13.3％
4枠【0-2-0-14】複勝率12.5％
5枠【1-2-0-15】複勝率16.7％
6枠【1-0-1-18】複勝率10.0％
7枠【0-2-1-18】複勝率14.3％
8枠【7-0-2-13】複勝率40.9％

まず、明らかに目立っている8枠。阪神芝2200mのスタート地点は、外回りの4コーナー出口付近にあり最初の1コーナーまでは525mとかなり長いです。(東京の最後の直線が525.9m)

そのため、次の2つが大きなメリットとなります。

①揉まれずに自分のリズムで走れること
②ゴチャついてる内の様子やペースを見ながら自分のポジションを取れること

レース序盤に余計な消耗を抑えて勝負の後半戦に臨めるわけです。

今回のように多頭数の年でも、15年1着ラブリーデイ(6人気・16頭立て)、16年1着マリアライト(8人気・17頭立て)、20年1着クロノジェネシス(2人気・18頭立て)のように人気以上の激走が決まっています。

そして、もうひとつが最内の1枠です。

内回りコースで道中にあるコーナーは4つ。定石通りではありますが、ラチ沿いをピッタリ走って距離損を減らせることは、誤魔化しが効かないハイレベルなメンバーが揃うG1ではとても有効です。

他の枠の馬にとっては、少しでも内を走ろうとスタートから押して出して行くことすらロスになりかねません。

また、2020年以前と異なる状況として、3回阪神開催が全8日間ではなく“全4日間”であることも追い風となりそうです。

日数が少ないぶん馬場の荒れ具合が抑えられるため、例年より比較的綺麗な内目の馬場を走ることができます。イレギュラー日程のメリットを生かさないわけにはいかないでしょう。

これを踏まえて、2頭レビューしていきます。

※6月24日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 ポタジェ

15戦して掲示板外がたった一度だけという安定感が売りで、重賞で走るようになってからはワンパンチ不足の結果が続いていましたが、前走の大阪杯で一躍G1馬になりました。

その前走、序盤からジャックドールが速いペースで引っ張り、後半も残り800m付近からのロングスパート勝負。そんな厳しい流れでも先行ポジションで手応え抜群のまま追走できていて最後までしぶとく伸びました。

大外枠を引いた今回は、最初の1コーナーまで自分のリズムで走りながら先行集団の一角にいるでしょう。200mの距離延長も、ここでスムーズに走れれば大して不利とはなりません。阪神内回りで4戦4連対と相性のいいですから自分の競馬がしやすいはず。

逃げ馬が揃い、レースの性質も大阪杯寄りのタイプが想定できるため、引き続き持ち味を生かして連続激走というシーンがあっても不思議ではありません。

2頭目 オーソリティ

2～3歳時から素質の高さを見せていましたが、4歳秋から本格化を果たしてジャパンCの2着、ドバイシーマクラシックの3着を含む4戦連続好走中。

ルメール騎手が逃げ・先行策を選択しているように、溜めて切れ味を生かすよりもスタミナやパワーで押し切る走りが合っています。スタートとダッシュが安定しているため、最内枠から好位の内目でスムーズに走れそう。

こちらも逃げ馬が揃うメンバー構成、前を捕まえに行くような流れは歓迎のクチ。距離損を減らして他よりも余力を残して直線に向くことができれば、最後の厳しい追い比べで一歩抜け出すことができるかもしれません。