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重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

好走の裏には〇〇への適性必須!?今年はこの2頭が有力

先週の七夕賞(G3)は、斤量増覚悟の出走に勝負気配があると見てレビューしたアンティシペイトが3着に好走。混戦レースはまだまだ続くので、しっかり分析していきます。

函館記念の金言
激走の裏にある洋芝適性と臨戦過程

今週の函館記念(G3、函館芝2000m)は、過去10年で1番人気は1勝のみ、昨年は20万馬券、一昨年は343万馬券など、万馬券決着に収まる方が珍しい荒れるレースです。

予想をする際にどこから手を付ければいいの？と悩んでいる方に注目してもらいたいのが、激走馬の多くに「滞在競馬」と「洋芝での好走実績」があったということ。

北海道シリーズではお馴染みの滞在競馬。その一番のメリットは輸送がないこと。函館競馬場の中にある厩舎で過ごしながら調教やレースを重ねるため、普段は輸送のストレスのせいで力を発揮できない馬が激走する可能性が高まります。

関係者から「こっちの水が合う」なんてセリフも良く聞こえてくるように、涼しい気候で滞在しながらグングンと調子を上げてくる馬もいます。

もう一つ。洋芝の特徴は、保水性が高くて走るのにパワーが求められること。芝コースの100％が洋芝というのは、全10場の中でも函館と札幌のみ。どちらも小回りコースで、ポジション取りやコーナリングも含めて巧拙が分かれやすいです。

洋芝勝利経験のある人気薄の好走
21年 バイオスパーク(12人気3着)

20年 ドゥオーモ(13人気2着)
→巴賞から転戦

19年 マイネルファンロン(9人気2着)
→巴賞から転戦

18年 サクラアンプルール(7人気2着)

17年 タマモベストプレイ(14人気2着)

前哨戦の巴賞12着から2着と一変したマイネルファンロン、同じパターンで9着から2着のドゥオーモなど、北海道開催に縁のある馬の活躍が目立っています。

荒れるレースの攻略には決め打ちの意識も重要です。今回はこの点をもとに2頭をレビューしていきます。

※7月15日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 アラタ
前走は中間に一頓挫あって急仕上げ気味、前々走は相手が強力でレコード決着にも対応し切れず、と力を発揮できていませんが、昨年は4連勝からの福島記念(G3)3着と地力は確かです。

しかも、そのうちの2勝は函館でのもので、条件戦とはいえ2着以下を突き放す完勝で洋芝適性の高さを感じさせます。馬場が渋っても苦にせず、むしろ他が苦にするようなら優位に立てる条件でしょう。

そんな近走内容、個性のため、この函館記念は仕切り直しに打って付けと言えるのではないでしょうか。函館リーディング独走中の横山武騎手とのコンビで重賞初勝利も目の前です。

2頭目 ウインイクシード
3勝クラスを勝ち上がったのが札幌芝2000mで洋芝適性の裏付けがある1頭。なかなか勝ち切れない個性ですが、重賞で馬券圏内3回、掲示板なら7回と堅実に上位争いに食い込んできました。

年齢的には大きな上積みは期待しづらい状況ながら、休養明けとなる巴賞を使ってから函館記念へ転戦、更には初めてのブリンカー着用と、何とか結果を出そうという陣営の意気込みが伝わってきます。

この馬の持ち味が生かされるという点では重賞のタフな展開の方が合っているでしょう。混戦に割って入ってくるシーンがあっても驚けません。