うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

コース形状を味方に激走の期待が高まる2頭！

先週のアイビスSD(G3)は、牝馬の逃げ候補としてレビューしたシンシティが2着に粘り込みました。今週も皆さんの馬券に貢献できるよう見どころをお伝えしていきます。

どれだけ激走しても人気の盲点になる脚質

今週行われるレパードS(G3、新潟ダ1800m)は、直近5年で10万馬券超えが4回、昨年も7万馬券決着と高配当がお約束となっています。前走が条件戦という馬が多く、力関係がハッキリしていメンバー構成ですから難易度は高めです。

そんなレースで真っ先に注意すべき激走タイプがいます。脚質別成績をご覧ください(過去10年)。

逃げ【2-4-1-3】 連対率60.0％・複勝率70.0％
先行【6-3-4-21】連対率26.5％・複勝率38.2％
差し【2-3-2-52】連対率8.5％・複勝率11.9％
追込【0-0-3-41】連対率0.0％・複勝率6.8％

21年3着レプンカムイ　　　(6人気)
20年1着ケンシンコウ　　　(7人気)
18年1着グリム　　　　　　(5人気)
17年2着サルサディオーネ　(12人気)
16年2着ケイティブレイブ　(1人気)
14年2着クライスマイル　　(7人気)
13年2着サトノプリンシパル(4人気)

ここ10年で7頭の逃げ馬が馬券圏内に残っています。しかもほとんどが人気を上回る大激走。これだけ頻発しているのにもかかわらず人気の盲点になっているのだから注目しない手はないでしょう。

実は、この傾向には新潟ダ1800mのコース形態が大きく影響しています。

このコースは、1周における直線距離(スタンド前・向正面)の割合が大きく、コーナーの角度が急という特徴があります。横長の長方形をイメージすると分かりやすいかもしれません。

そのため、コーナーでペースが落ち着きやすく、最後の直線もずっと平坦なため、前の馬が簡単には止まらないというカラクリです。

また、極端な比較をすると緩やかなコーナーと直角コーナーでは緩やかなコーナーの方がスピードを落とさずに走れます。その発想から、差し・追い込み馬は、勢い良く直線に入ってきづらい構造というのも関係しています。

ただ、これだけでは人気薄の逃げ馬がどうして粘れるのか？という疑問は解決しないでしょう。

これはどのレースにも共通していますが、逃げ馬は自分のリズム、ペースで走ることができれば余計な消耗を抑えることができて最後の直線でも粘りが利きます。

逆に、競られたり執拗に突かれたり、ハナを切れず馬に囲まれたりとプレッシャーを受ける形になるとモロいので、諸刃の剣という表現が適しています。

それでも上記のような穴馬が出ているレースですから、出走メンバーの中で逃げられそうな馬を見つけ出すのも重要な戦略となってきます。

これを踏まえて、2頭レビューしていきます。

※8月5日(金)時点のレビューとなります。

6戦して一度も馬券圏内を外していない安定タイプで、ヒヤシンスSではJpn1で2着が2度あるコンバスチョンとクビ差2着を演じています。

自己条件に入れば力が違ったのでしょう。前走は楽な2番手追走から一気に抜け出して3馬身差と完勝してみせました。まだ底を見せていません。

初勝利が逃げて8馬身差の大楽勝、そして前走の内容を踏まえると、現状では揉まれずに走れることが理想の形。

今回は1枠1番。少しでも引いてしまうとどんどん前に入られて位置を下げざるを得ない状況になってしまうので、枠の利を生かして先手を奪うことも考えているのではないでしょうか。マイペースに持ち込めたらチャンスが高まります。

前走は馬を気分良く走らせることを意識して思い切って逃げたようで、最後には一気に突き放したように好内容でした。2勝クラス勝ちはここでは上位の実績です。

結果が出た時の戦法は陣営にとってもいいイメージとして残っています。当然、今回も選択肢に入っていることでしょう。

3走前から着けているブリンカーの効果も感じられます。ブリンカーを着けるということは、集中力が欠けやすかったり、周りの馬を気にする面があったりするので、単騎逃げがハマるのも頷けます。

内を見ながら周りの出方次第ではハナを奪えますし、揉まれない2番手というのも前有利のコースでは有効的です。