うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

先週は注目馬が1着＆3着！今週の2頭は伝統の激走パターンが追い風に！

元調教師の平井雄二です。今週もよろしくお願いします。

現在は、長年競走馬を間近で育ててきた経験を活かして、重賞戦略アドバイザーとして予想家やファンの方とは違った視点で皆さんの馬券に貢献できるよう活動しています。

かなり昔の話ですが、サクラスターオーという管理馬で皐月賞と菊花賞を勝たせてもらいました。今は皆さんと同じように馬券になる馬を探る日々です。

後半では阪神JFの金言に合う馬をレビューしているので是非参考にしてください。

先週のチャンピオンズCではレビューした2頭（ジュンライトボルト、ハピ）が揃って馬券になりました。皆さんの馬券に貢献できたのなら嬉しいです。

阪神JFの金言
2歳G1特有のメンバー構成が特殊な展開を生む

今週は2歳女王を決める阪神JF(G1、阪神芝1600m)が行われます。同コースの桜花賞(G1)にも繋がる注目の一戦です。

昨年は1番人気ナミュールが痛恨の出遅れ、3→8→4番人気で11万馬券の決着になったように、まだキャリアが浅く成長度合いもバラバラな若駒を見極めることは、ファンの皆さんにとってもなかなか難しいはず。

ただ、そんな阪神JFにもお決まりのパターンと言える傾向が秘められています。

まずは、舞台である阪神芝1600mの2歳戦・脚質別成績をご覧ください。(2020年以降)

2歳戦・脚質別成績
逃げ【11- 2- 6- 43】複勝率30.6％
先行【29-34-18-157】複勝率34.0％
差し【19-20-30-224】複勝率23.5％
追込【 3- 6- 8-208】複勝率7.6％

逃げ・先行馬の好走率が高く“前有利”であることが分かります。とにかく序盤から前に行けるスピードがないと勝負に参加できません。

続いて、阪神JFに限定した脚質別成績です。(過去10年)

阪神JF・脚質別成績
逃げ【1-0-0- 9】複勝率10.0％
先行【3-2-1-33】複勝率15.4％
差し【5-5-7-57】複勝率23.0％
追込【1-3-2-49】複勝率10.9％

馬券圏内の30頭中23頭が差し・追い込みの後方ポジションにいました。2歳戦全体とは真逆の傾向になっています。

陣営としては出せるなら出したいG1の舞台。

出走馬には短距離路線(1200～1400m)でスピード勝負をして勝ち上がってきた馬も多く、そうしたタイプは「ここでも行くしかない」と積極的に立ち回ります。いきなり戦法を変えるのは難しいですから。

すると、自然と引き締まったペースが生まれ、序盤に無理をせず直線勝負に徹していた後方グループにチャンスが回ってくるわけです。

過去に波乱決着を演出してきた伏兵馬もここに当てはまります。

阪神JF・好走した伏兵馬
21年2着ラブリイユアアイズ(8人気)
20年3着ユーバーレーベン (6人気)
15年2着ウインファビラス (10人気)
14年1着ショウナンアデラ (5人気)
13年1着レッドリヴェール (5人気)
13年3着フォーエバーモア (8人気)
12年1着ローブティサージュ(5人気)
12年3着レッドセシリア (10人気)

今回の阪神JFで追い込みが期待できる馬をレビューしてみます。

※ 12月9日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 ドゥーラ
新馬戦こそ取りこぼしましたが、未勝利戦を好時計で勝ち上がり、続く札幌2歳S(G3)も完勝。牝馬にとっては出世レース(近年だとソダシ、ユーバーレーベン)ですから価値があります。

3戦全て上がり最速と終いの脚が高いレベルで安定しています。スタートと折り合いに不安がないのは2歳戦において強力な武器となります。

阪神芝1600mは最後の直線が長く急坂もあるためスタミナ、パワーという能力も求められますが、洋芝の1800mで外を回しながら制したのであれば十分兼ね備えています。

余力十分で直線に向き、末脚全開で好勝負を演じるのではないでしょうか。

2頭目 ラヴェル
スタートが遅いのでどうしても後ろからになっていますが、折り合いは問題なく仕掛けられてからの脚はかなり強烈です。

少ないキャリアの中で好メンバーを相手に長い直線勝負を制したという実績はとても貴重ですので、アルテミスS(G3)がここへの重要な前哨戦となっているのは納得できます。

大外枠は一見不利そうに見えますが、向正面が長いので自分のリズムで好きなポジションを取れる利点があります。

坂井瑠騎手は大舞台でも落ち着いた騎乗ができていますし、馬の能力も含めて不発に終わることは考えにくいです。