うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

今年も伝統の勝ちパターンに丸乗り！追い風受ける2頭に注目！

元調教師の平井雄二です。今週もよろしくお願いします。

現在は、長年競走馬を間近で育ててきた経験を活かし、重賞戦略アドバイザーとして予想家やファンの方とは違った視点で皆さんの馬券に貢献できるよう活動しています。

かなり昔の話ですが、サクラスターオーという管理馬で皐月賞と菊花賞を勝たせてもらいました。今は皆さんと同じように馬券になる馬を探す日々です。

後半では中山記念(G2)の金言に合う馬をレビューしているので是非参考にしてください。

先週のフェブラリーS(G1)では、レビューしたレモンポップがしっかり好走してくれました。

中山記念の金言
想像以上に前が有利！

関東は今週から中山開催が始まり、名物重賞の中山記念(G2、中山芝1800m)が行われます。

春のG1に向けた前哨戦、マイラーから中距離馬まで戦える距離ということもあって毎年好メンバーが集まります。

舞台である中山芝1800mのイメージと言えば

・小回り
・直線が短い
・直線に急坂

この辺りでしょう。

ファンの間でも『先行馬が有利』ということは認知されているはずです。

ここで強調しておきたいのは、実際はファンの皆さんが思っている以上に前が有利ということです。

その1つ目の要因は、コース替わりにあります。

1月の開催では内から6メートル外に内柵を設置するCコースを使用していました。この期間に使われない部分は補修、育成に充てられています。

今開催からは、内柵を外したAコースで行われるため、馬場の綺麗なグリーンベルトが現れます。馬場が綺麗な部分では余計な力を使わずにスピードを出すことができるので、スタミナに余裕が生まれます。

差し馬の場合、勝負所で外を回すといつも以上にロスが出てくるわけですね。

2つ目の要因は、スタート地点です。

スタートしてすぐ急坂で、1コーナーまで約205mと短いです。そのため、隊列が決まりやすい傾向があります。

すんなり好ポジションを取れるかどうかの重要性は、1つ目で既にお伝えした通り。内目をスムーズに走ることができれば最後の直線勝負でも有利になります。

これを把握した上で、過去10年の4コーナー位置取り別成績を確認しましょう。

4コーナー位置取り別成績
1番手【1-1-3-5】
勝率10.0％・複勝率50.0％

2番手【0-3-2-7】
勝率0.0％・複勝率41.7％

3番手【5-0-1-8】
勝率35.7％・複勝率42.9％

4番手【4-2-0-5】
勝率36.4％・複勝率54.5％

勝ち馬は全て4コーナー4番手以内から出ています。

2022年は大逃げしたパンサラッサがそのまま勝利。2021年はケイデンスコール(5人気)とウインイクシード(7人気)、2020年はソウルスターリング(6人気)など前々で運んだ伏兵馬が好配当決着を演出しています。

コース傾向が分かっていても、馬はそれまで続けてきたレーススタイルが身に付いているので急に切り替えることは難しいです。そこら辺が器用な馬もいますが、自分のリズムというものもありますからね。まぁ最近は無難に乗るジョッキーが多いようにも思います。

先行有利の条件でしっかりと力を発揮できそうな馬をレビューしてみます。

※ 2月24日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 ソーヴァリアント
昨年2月に右トモを骨折して春を全休、復帰初戦のオールカマーではレース中に心房細動と悔しい期間が続いていましたが、前走では不安を払拭する完勝ぶりでした。

ハイペースで飛ばす逃げ馬から離れた3番手追走。4コーナーでは自ら前を掴まえに行くような正攻法で危なげなく押し切りました。

安定したスタートとスッと前に行ける先行力は、小回りコース、この開幕週の馬場でこそ生きてきます。

久々にコンビを組む横山武騎手としたらエフフォーリアが引退して中距離路線のお手馬を確保したい状況です。目先の勝利を意識した騎乗が期待できるでしょう。

2頭目 スタニングローズ
昨年の牝馬3冠路線でオークス2着、秋華賞1着と世代トップクラスの活躍を見せました。特殊な馬場状態で行われた前走は度外視して大丈夫でしょう。

こちらも折り合いに不安がなくしっかり先行ポジションを取りに行ける操縦性に優れたタイプです。

中山では重賞2戦2勝と適性の裏付けはありますし、コースの性質が似ている阪神内回りの秋華賞を勝ち切れたことは今回への自信に繋がりますね。

久々を苦にしないので順当に上位争いに食い込んでくるでしょう。