うまスクエア

重賞戦略アドバイザー・平井雄二のBe The Winner

勝負の決め手はスムーズな競馬！●●の後押しがある2頭に注目！

元調教師の平井雄二です。今週もよろしくお願いします。

現在は、長年競走馬を間近で育ててきた経験を活かし、重賞戦略アドバイザーとして予想家やファンの方とは違った視点で皆さんの馬券に貢献できるよう活動しています。

かなり昔の話ですが、サクラスターオーという管理馬で皐月賞と菊花賞を勝たせてもらいました。今は皆さんと同じように馬券になる馬を探す日々です。

後半ではNHKマイルC(G1)の金言に合う馬をレビューしているので是非参考にしてください。

先週の天皇賞・春(G1)では、レビューしたジャスティンパレスが勝利。連対した2頭は勝負所でしっかり前目に付けていましたね。

NHKマイルCの金言
スムーズなレース運びが勝敗を分ける

今週から5週連続で東京競馬場でのG1が続きます。その初戦となるNHKマイルC(G1、東京芝1600m)は、1番人気が現在6連敗中。波乱決着の多いレースですから難解なイメージを持っている方も多いかもしれません。

この要因の1つに、舞台である東京芝1600mの重賞を経験する機会が少ないことがあります。

同コースの重賞(サウジアラビアRC、アルテミスS、クイーンC)で好結果を残した馬は、そのままクラシック路線に進むことが多く、NHKマイルCに出走するほとんどの馬にとっては初めての条件となります。

今年もサウジアラビアRCの勝ち馬ドルチェモアとクイーンCの3着馬モリアーナの2頭しかいません。

東京コースは広くて馬場が綺麗だから走りやすそうに思われますが、1600m戦だと向正面が約542m、最後の直線は約525mと長く、速いスピードで走る区間が長いため、単純なスピード能力だけでは押し切れないタフなコースです。

このような舞台でも力を発揮しやすい条件が隠されています。過去5年の枠順別成績をご覧ください。

枠順別成績(過去5年)
1枠【0-1-0- 9】勝率 0.0％・複勝率10.0％
2枠【0-1-0- 9】勝率 0.0％・複勝率10.0％
3枠【0-0-1- 9】勝率 0.0％・複勝率10.0％
4枠【0-0-1- 9】勝率 0.0％・複勝率10.0％
5枠【0-2-2- 6】勝率 0.0％・複勝率40.0％
6枠【2-0-0- 8】勝率20.0％・複勝率20.0％
7枠【1-0-0-14】勝率 6.7％・複勝率 6.7％
8枠【2-1-1-11】勝率13.3％・複勝率26.7％

実は、好走馬の多くが外目の枠に集中しています。

6枠は20年1着ラウダシオン(9人気)、7枠は21年1着シュネルマイスター(2人気)、8枠は22年1着ダノンスコーピオン(4人気)など、これまでに人気を問わず激走馬を輩出しています。

外からドッと被される心配がなく、馬群に揉まれずスムーズな競馬がしやすい外枠は、キャリアの浅い3歳馬にとって実は絶好枠なんです。自分のリズムで無理せず欲しいポジションを取りやすい利点もあります。

東京コースは、コーナーがとても緩やかな設計のため内外の距離差が生じにくく、それなら外をスムーズに走れる方が結果的にプラスという見方ができるわけです。

この傾向を踏まえて2頭のレビューしていきます。

※ 5月5日(金)時点のレビューとなります。

1頭目 ダノンタッチダウン
デビュー当時から陣営の期待が高かったと聞いている素質馬。

川田騎手が各レースで「現状の体でよく～」という感触を持っていたように本格化はまだ先という状態ながらデイリー杯2歳Sと朝日杯FSで連続2着と実力は確かです。

前走の皐月賞はどちらかと言うとチャレンジの意味合いも強かったはず。重馬場のせいで距離適性を判別しづらかったのは気の毒ですが。

適距離のマイルに戻る今回は、昨年のダノンスコーピオンと同じ大外枠。跳びが大きいですし、ゴチャつくことなく内目を見ながら自分のリズムで中団で運び、メンバー屈指の末脚を全開できれば上位争いが見えてきます。

2頭目 タマモブラックタイ
いろんな条件を使われながらも、1200mで勝ち上がってきたスピードタイプ。

前走は1400mのファルコンSに挑戦すると、好位でスムーズに折り合い直線では内から一気に抜け出して重賞制覇。

スピード能力はここでも負けておらず、折り合いに不安もないため1600mも対応可能な範囲。余裕を持って、内目の様子を見ながら脚を溜めることができれば最後までしぶとさを発揮できます。

週末は雨予報なので、渋った馬場で【3-1-0-0】と得意なのはプラス材料です。