馬券ネオメソッド(レース回顧編)
朝日杯フューチュリティSの回顧
第68回朝日杯フューチュリティS
1着
◎サトノアレス
2着
モンドキャンノ
3着
ボンセルヴィーソ
ラップ:
12.8-11.2-11.6-12.7-12.3-11.5-11.2-12.1
時計:1.35.4
戦前からある程度想定されていたことですが、やはり低調な決着になりましたね。基本的にはトラックバイアスとブラッドバイアスに支配されていたという感じ。つまり、そうした偏りによって勝敗が分かれるくらいの力差しかなかったということだと思います。
ちなみに、先週の阪神JFと時計を比較すると
阪神JF:1.34.0(馬場差-0.1秒)→実質1.34.1秒
朝日杯F:1.35.4(馬場差+0.7秒)→実質1.34.7秒
今週の方が先週よりも時計が掛かる馬場設定だったとはいえ、その馬場差を考慮しても、先週の阪神JFの方が0.6秒速かったということになります。まあ、時計はあくまで尺度のひとつで、速ければレベルが高いというわけでもありませんが、逆に言えばひとつの尺度として、先週の阪神JFの方がレベルが高かったということはできると思います。
また、この日の馬場は内ラチ沿い1頭分と大外が伸びるやや特殊な馬場でした。結果的に同じコースで行われた9Rとほぼ同じゴール前の映像になったことにお気付きの方は多いと思いますが、要するに、このレースで言うと1、2着馬と3着馬の通ったところがこの日の阪神芝のベストルートだったということです。上位馬が伸びるところを通っているのですから、バイアスに乗っかっていたと考えるのが自然かなと。
また、血統面に目を向けると、これまた直前に行われたマイル戦の元町Sでディープインパクト産駒のロイカバードが勝利、8番人気のレッドライジェルが3着。眠っていたディープが徐に目を醒ました瞬間です。実際にはここでサトノアレスのフラグが立ったという感じでしたね。
ということで、上位3頭に関しては様々な面で状況が好転していたなという印象。あるいは時計が出る馬場、あるいは先週のように大外一気が届かない馬場だったら、おそらく結果は全く違ったものになっていたことでしょう。今日の結果で何かしらの序列ができたという感じはないですね。
もっとも、全く示唆するものがなかったわけではなく、改めて2歳GⅠの基本に立ち返ることの重要性を感じさせてくれたレースではありました。
1着サトノアレス、2着モンドキャンノともに、非常に綺麗な馬柱の持ち主でした。こういう馬は2歳GⅠで絶対に軽視してはいけないんです。ましてや、サトノアレスは立派に2勝を挙げている馬で、モンドキャンノは重賞勝ち馬。こういう馬が6番人気と7番人気ですからね、いかに2歳GⅠにおいて現時点での完成度というテーマが軽んじられているかがわかります。先週の阪神JF、3番人気と一応上位評価はされていましたが、レーヌミノルという馬も、ほぼ同じ位置づけと考えていい馬だと思います。
決して素質馬がダメというのではありません。この時期なら、まだ素質馬と早熟馬が共存し得るということです。そして、穴馬券という観点に立てば、狙い目は人気になってしまう素質馬ではなく、人気を落とした実績馬になることが多くなるでしょう。今日の1、2着、そして先週の3着馬のようなタイプが、暮れの2歳GⅠでは常に馬券の鍵を握ることになるという認識は、来年も忘れずにおきたいものです。
5着トラストは惜しかったですね。あと一日、開催が早ければ。つまり、もし土曜日にこのレースが行われていれば、勝ったのはこの馬だった気がします。いかにもマイネル系列らしいタイプで、上がりの掛かる前残り馬場は絶対に合うタイプ(ちなみに、先週、今週とマイネル系列の馬が阪神芝で好走しています。今の阪神のような馬場が、マイネル軍団が総じて持つ適性にピッタリ合っているという認識は、かなり大事です)。一日ズレてしまったことで、外伸びが利く馬場になってしまったことが痛恨でしたね。
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