馬券ネオメソッド(レース回顧編)
東京新聞杯・きさらぎ賞の回顧
第67回東京新聞杯
1着
ブラックスピネル
2着
プロディガルサン
3着
エアスピネル
ラップ:
12.8-12.0-12.4-12.6-12.4-10.9-10.8-11.0
時計:1.34.9
頭数、メンバー構成からスローになることは想定の範囲でしたが、それを上回るほどの超スロー。馬場差やペースの差はあるにせよ、先週日曜日に行われた3歳未勝利戦と同じ決着時計ですからね。ある意味でレースが壊れてしまったという印象です。来年以降、このレースを予想する際には、今年の結果に関しては正直参考外でいいと思います。
ただ、そんな中でも色々と発見はあるものです。まず、勝ったブラックスピネルについて。これは前走と合わせて完全な見立て違いの馬だったということがハッキリしてしまいました。もちろん、能力の問題ではなく適性の話。
この馬に関しては、母モルガナイトのイメージが非常に強く、『絶対にワンターンの1800がベスト』と主張し続けてきたんです。モルガナイトが勝った09年9月の500万下条件戦(阪神芝1800)は、今でも私のベストレースのひとつに数えられる超ハイレベルレースで、あの勝ち方から明らかな条件適性を確信していました。ちなみに、そのモルガナイトは、11年に長期休養明けで同じ阪神芝1800の須磨特別を快勝します(これもかなりレベルの高いレースでした)。
そんな昔話はいいとして、そのイメージが強く残っていたため、その仔であるブラックスピネルに関しても、長らく『絶対にワンターンの1800がベスト』だと信じていたんですね。白百合Sを勝ったあたりまではそれで良かったんですけどね。。。鉄板だと思っていたチャレンジCでまさかの敗戦を喫し、マイル戦の京都金杯で2着。まあ、この京都金杯は後半4Fの持続力比べだったので、適性の範囲内かと思っていましたが、今回は上がり3Fの高速上がりで逃げ切り勝ち……。もうこれで完全に私の想像していた姿とはかけ離れてしまいました。この先、かなり悩まされる存在になりそうです。
一応、血統的な面に触れておくと、ウオッカ、セイクリッドバレーやスマイルジャックなど、高速上がりに対する適性が高いタニノギムレット、その本質を改めて見せ付けられたなぁという印象です。
2着プロディガルサンは、ディープらしい決め手を発揮して2着まで追い込みましたが、相手が楽をしすぎましたね。この馬が使った上がりは32.0秒。これ以上の脚を使うことはほとんど不可能でしょうから、今日のところは仕方ないでしょうね。この馬、新潟外回りとか使ったら強そうです。
3着エアスピネルは、これまでも見せてきた器用貧乏な面がモロに出た印象。総合能力が高いからここまで来ますが、ここまで極端な高速耐性を問われると、その適性に秀でた馬には叶いません。サンデー×ノーザンテーストという、究極の総合力配合を持った母エアメサイア譲りの万能性、言い方を変えれば突出した能力の無さ。勝利という視点で見ると、意外に今後も苦労するかもしれません。
8着ブラックムーンは今日の流れではどうにもなりません。新聞などで見たところ、前走の敗因を『位置を取りに行き過ぎた』ことに求めていたようで、今回は最初から後方待機から外ブン回し、すなわちキャピタルSのようなレースをするつもりだったようです。その作戦と展開が完全にミスマッチでしたね。また、血統的に道悪はおそらく鬼だと思うので、もう少しシッカリ雨が降って欲しかったなぁというところです。
第57回きさらぎ賞
1着
アメリカズカップ
2着
サトノアーサー
3着
ダンビュライト
ラップ:
12.9-11.6-12.0-12.5-12.6-12.4-12.2-11.7-12.2
時計:1.50.1
馬場ですね。アメリカズカップは、中京で新馬勝ちした時点で『160716 楽勝は楽勝だけど、血統、走法からダート馬っぽい感じも』とメモしていた馬。本質的にはパワータイプのダート馬だと思っています。今回は年始から使い続けて荒れた馬場の道悪ということで、そんな個性が最高の形で発現した結果でしょう。今回の勝利でこの馬のダート使いはしばらくなくなったと思いますが、古馬になってからでもいいので、是非、一度その走りを見てみたいものです。(長いコラムの最後の方で目立たないだろうという読みで書いちゃいますが)まあ正直、音無厩舎とは昔から適性に関する考え方が全く噛み合わないので、おそらくそのチャンスはなさそうな気もしますが。
2着サトノアーサーは強い競馬だったと思いますよ。この馬場は明らかにマイナスに作用していたと思いますし、まともなら3着があったかどうかも微妙な脚勢。それが、ゴール前の数完歩でグッと伸びています。これは強い馬が為せる所作。こういう馬は出世します。この馬場を走った反動など、まだ気になるところもありますが、この敗戦を受けてもなお、堂々とクラシック候補と呼んでいいと思います。ちなみに、サンデー系ディープインパクトに母父ダンチヒ系リダウツチョイス。オマケに母母父はヌレイエフですから、東京芝2400がピッタリの舞台だと思います。
エンパイアメーカー産駒プラチナヴォイスは4着。今週は土曜の京都芝1800にもエンパイアメーカー産駒が出走して、そちらも馬券になりませんでした。しかし、この血統のコース適性は証明されていることなので、何頭か凡走したからといって見方を変える必要はないでしょう。『京都芝1800のエンパイアメーカー』は、今後も注意して見ておくことをおススメします。
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