馬券ネオメソッド(レース回顧編)
エリザベス女王杯など4重賞の回顧
第43回エリザベス女王杯(GⅠ)
1着
リスグラシュー
2着
クロコスミア
3着
モズカッチャン
ラップ:
12.3-11.2-12.9-12.7-12.3-12.5-12.5-12.0-11.6-11.4-11.7
時計:2.13.1
リスグラシューのGⅠ初勝利。これまで4度の2着がありながら一度も勝ち切れなかった馬を、見事、戴冠に導いたのはモレイラ騎手。
夏の北海道シリーズからそうでしたが、モレイラ騎手は、この手の「勝ち切れないタイプ」を勝たせることが非常に上手い。おそらく、馬に合わせるのではなく、自らのスタイルに嵌める乗り方をするからだと思います。これは、負け癖が付いている馬には非常に効果的。
今回も、好発からリスグラシューにしては結構積極的に乗っていますよね。距離に不安があるとされる中で、これはなかなかできないこと。馬群にシッカリ潜れば折り合いを付けられるという自信の裏返しでもあります。そして、最後は末脚爆発。やや斜めに切れ込みながらではありましたが、ゴール前で逃げたクロコスミアを捕まえました。今までの甘さがウソのような、計ったような差し切り勝ち。
もちろん、馬自体の力も見逃せません。ハイレベルだった府中牝馬Sで小差2着。この時点で力に衰えはなく、GⅠでも足りることは証明されていました。
個人的には、ついにハーツクライ産駒が京都でGⅠを制した!という事実に感慨を感じます。これまで、【0-11-3-38】。京都GⅠの穴血統として、天皇賞や菊花賞でこれでもかと穴馬を輩出しながら、今まで1頭も勝てなかったハーツクライ。遂に、その時が訪れました。血統派としては何とも嬉しい限りでした。
2着クロコスミア。やれることは全てやっての2着。これは仕方ありません。
この馬も府中牝馬S組。今年の府中牝馬Sはやはりかなり質の高いレースでした。
なお、その府中牝馬S3着だったフロンテアクイーンは、今回7着止まりでしたが、これは直線で前が狭くなって外に切り替えるロスがあったからです。まともでも勝ち負けに加わっていたかは分かりませんが、最後まで渋太く伸びていました。
期待したカンタービレは6着。スタートして最初の200mあたりで勝敗が決まっていたように思います。モズカッチャンの前に入る競馬をイメージしていたようですが、そのモズカッチャンに突っ張られて想定より外を回らされたのが痛恨。少し行きたがっていたこともありますが、全体的にロスを減らすことができませんでした。見せ場は作ってくれましたが、競馬がスタートからゴールまでの組み立てでできているということを改めて感じさせられる結果でした。
第54回福島記念(GⅢ)
1着
スティッフェリオ
2着
マイスタイル
3着
エアアンセム
ラップ:
12.3-10.9-11.2-11.7-11.5-12.0-12.1-12.3-12.1-12.2
時計:1.58.3
時々ある、向正面で「ああ、これはこの馬たちで決まるな」というのが分かるレース。
スティッフェリオにとっては、お誂え向きという言葉以外見当たらないくらいの最高の展開。前2頭がオーバーペース気味で飛ばし、それを離れた3番手で見る位置。前は普通にバテてくれますし、後ろもマクるタイミングがなく、ジリジリと脚を浪費させられる形。どうぞ勝ってくださいという最高の展開になりました。
もちろん、それを生んだのはスタートから集中して出して行った丸山騎手の好騎乗。4走前のTVh賞を見直していただきたいのですが、このレースでも、同じように丸山騎手はスタートからかなり積極的な動きをして勝利を呼び込んでいます。この馬のことは完全に把握しているという自負を感じる、胸のすく好騎乗でした。
強い競馬をしたのは2着マイスタイル。前走が思わぬ大敗でしたが、やはり力をつけていることは間違いなく、今後もローカル重賞ならいつでも出番がありそうです。
3着エアアンセムは、最内枠を利してロスのない絶好の立ち回りが叶いましたが、これは着差以上に力差を感じる3着だったと思います。
本命馬ナイトオブナイツは4着止まりでしたが、今年も候補馬に挙げた馬がしっかり結果を出してくれました。「福島記念は、母の短距離実績に注目」。このテーマは来年も活用したいものです。
第23回武蔵野S(GⅢ)
1着
サンライズノヴァ
2着
クインズサターン
3着
ナムラミラクル
ラップ:
12.3-10.9-11.6-11.9-11.9-11.8-12.1-12.2
時計:1.34.7
個人的にはまさかのゴールドアリュール産駒の勝利。予想コラムを参考にされた方には、余計なことを申してしまいました。過去の傾向として間違いはないものの、どうしてもピンポイントで真逆の結果が出てしまうと、本当に心苦しい限りです。すみませんでした。
サンライズノヴァは、昨年の雪辱を果たす快勝。結果的に先行馬には苦しい流れになったとはいえ、東京コースでの末脚は本当に安定しています。7戦連続で東京を使って、うち5回で上がり最速。あとは、もうワンランク相手関係が上がったところでどこまでやれるか。
2着クインズサターンがパイロ産駒で、このレース得意の米国血統保持馬。こちらも昨年の武蔵野S凡走の借りを返した格好。
2017年:12.3-11.2-11.6-12.2-12.7-12.0-11.6-11.9
2018年:12.3-10.9-11.6-11.9-11.9-11.8-12.1-12.2
昨年が瞬発力比べの先行馬向きのレースだったのに対し、今年は完全な前傾失速型の追い込み競馬。昨年勝ったインカンテーションが圏外に飛んだことも含めて、昨年とは全く毛色の違うレースになったことが分かります。
その中で、本当に強い競馬をしているのが3着ナムラミラクル。番手追走から一旦先頭の2着は素直に強い。
この馬は、今年6月の夏至Sが注目ポイントで、やはり46.0-49.2秒とう失速率の高い前傾ラップを番手から押し切っており、この時点で相当な東京巧者振りを示していた馬。今回、改めてその適性を発揮してみせました。この馬は、かなり良い馬だと思います。
第53回デイリー杯2歳S(GⅡ)
1着
アドマイヤマーズ
2着
メイショウショウブ
3着
ハッピーアワー
ラップ:
12.6-11.8-12.4-12.7-12.0-11.6-10.8-11.5
時計:1.35.4
前後半の半マイル49.5-45.9秒という超スロー。決着は前に行った2頭ですから、これは展開が勝敗を分けました。3着ハッピーアワーは、この展開に負けた形の3着で、スローで溜める競馬ができたことも含めて距離にメドが立った点は収穫だと思いますが、その他に関しては何とも言えないところがありますね。
先週の京王杯2歳Sに続き、またもや超スローの競馬。GⅠ戦線に向けて参考外のレースが続いており、これは本番がなかなか厄介なことになりそうです。着順だけで計れない面をいかに見抜くかが重要な要素になりそうです。
私が期待したヤマニンマヒアは、前走でも見せた気の悪さがさらに濃くなってしまっています。コントロールが利かないレベルになってしまっていて、道中で無駄に体力を消耗していることで、最後まで脚が残らなくなっています。今回も、交わしかけたダノンジャスティスに突き放され、後ろから来たハッピーアワーにも交わされていますから、内容的には良くありません。一度オーバーホールして心身の成長を待たないと、なかなか苦しいと思います。
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