馬券ネオメソッド(レース回顧編)
菊花賞&富士Sの回顧
第80回菊花賞(GⅠ)
1着
ワールドプレミア
2着
サトノルークス
3着
ヴェロックス
ラップ:
12.9-12.4-12.3-12.6-12.2-12.2-12.7-12.7-12.5-12.8-12.5-12.0-12.0-11.8-12.4
時計:3.06.0
予想コラムで注目したディープ産駒のワンツー。ひとまず、見立ては合っていたのかなと満足しております。「穴馬の単複」という視点に立てば、8人気2着サトノルークスの方を本命にしておくべきだったのかもしれませんが、今回に関してはワールドプレミアがヴェロックスを逆転できるという考えを優先しました。ヴェロックスを逆転できるということは、すなわち、単の期待値が高いということになると思ったので。
ディープインパクトが来たことはもちろん、キンカメ、ハーツクライ、そしてハービンジャーと長距離GⅠ血統の定義を満たさない血統が今年も結果を出せなかったことは、今後の長距離GⅠにおいて重要な意味を持つと思います。
今年の該当馬は、いずれも好走のチャンスが十分ある馬だったと思いますし、少なくともパフォーマンスは上げて然るべき馬たちでした。それが、揃って圏外に敗れたことで、改めて菊花賞における長距離GⅠ血統の重要性は証明されたと思います。
圧倒的1番人気に支持されたヴェロックスは3着まで。この馬に関しては評価が難しくて、父ジャスタウェイにスポットを当てれば、非・長距離GⅠ血統ということで軽視できるのですが、問題は母父モンズンなんですよね。種牡馬として4000のGⅠ・カドラン賞勝ち馬を出しています。これをもって長距離GⅠ血統を見做すか否かは、今後考えるべきポイントでしょう。個人的には、海外の長距離戦と日本の長距離戦を同列で扱うのは違う気がするので、非・長距離GⅠ血統とするのが自然かと考えていますが。
そのヴェロックスは、道中前から4番手の馬群で追走する横綱相撲。勝ち馬に内をすくわれ、苦しくなったところを脚を溜めていた差し馬に突かれる形の3着で、これは仕方ないところだと思います。マークすべき相手がおらず、逆に全馬にマークされる立場。自力で勝ち切ることを要求される3000戦は、やはり難しいんでしょう。ハーツクライの系統なので、GⅠなら東京がベスト。相手関係は別として、ジャパンCが勝負所ではないかと感じました。
改めて武豊騎手の腕前を堪能させてもらった今年の菊花賞。スタートからゴールまで完璧な騎乗だったと思います。昔、ヤクルトの宮本選手が、「誰が見ても分かるファインプレーは、本当のファインプレーじゃない」という趣旨の発言をしていました。横っ飛びで獲ることより、あらかじめ打球の軌道を読んで正面に構えて獲るのが本当のファインプレー。今日の武豊騎手の騎乗は、まさにそんな本当のファインプレーだったと思います。
第22回富士S(GⅢ)
1着
ノームコア
2着
レイエンダ
3着
レッドオルガ
ラップ:
12.2-10.9-11.9-12.0-11.9-11.3-11.1-11.7
時計:1.33.0
馬場状態が鍵を握ると見ていた今年の富士S。レース時点で発表は稍重。ただ、朝一番が不良スタートで、そこから回復して稍重になったという経緯を考えれば、おそらく重に近い状態。この非常に微妙な馬場状態が、3着(良、稍重なら本命と指名した)レッドオルガの3着、(重、不良なら本命と指名した)クリノガウディーの4着という結果を呼んだのかな? と個人的には思っています。もう少し分かりやすくどちらかに振れていれば、結果はもう少しハッキリ出たような気がします。
一応、今年も唯一のディープ産駒だったレッドオルガが3着。改めて富士Sにおけるディープ産駒の重要性を示しています。来年も、普通の馬場ならディープ産駒の中から本命馬を探す作業になりそう。また、そのレッドオルガは母父ダンシングブレーヴ、そして母エリモピクシー。もはや説明不要でしょう。この母系の東京マイル重賞適性は歴史に残るレベルです。
レース自体を振り返っておくと、若干ながら外差し傾向だった中、それを活かした上位2頭の叩き合い。ノームコアは対牡馬実績がなく、また、渋った馬場の経験もなかっただけに(叩き台の56キロも含めて)、どうなんだろうと懐疑的に見ていましたが、その想像を遥かに上回る圧巻の勝ちっぷり。かなり力を付けていますね。
2着レイエンダは、久しぶりにこの馬らしい末の切れを見せての2着。馬具効果や鞍上など色々な要素もあるでしょうが、現状はこのくらいの距離がベストということでしょう。
先週の秋華賞を勝ったクロノジェネシスも輩出したクロノロジスト、ダービー馬レイデオロを輩出したラドラーダ、そして、東京マイル重賞の鬼エリモピクシー。日本が誇る良質牝系の上位独占という結果に終わった富士Sでした。
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