2歳牝馬女王の決定戦、
阪神ジュベナイルフィリーズ(京都・芝1600m)は異色の才媛
ビップデイジーの走りにご注目いただきたい。
デビュー前は調教時計がなかなか詰まらず、新馬戦の最終追い切りは栗東坂路で一杯に追われ良馬場で4F56秒6といたって平凡。ラスト1Fも12秒7と精彩を欠いていた。
ところが、である。中京芝1600mの新馬戦は行き脚が付かず後方14番手と絶望的な位置取りから、メンバー最速の上がりで直線豪快に差し切り。しかも小柄な牝馬が馬群でモマれる形で繰り出したのだから恐れ入る。
さらに衝撃は前走の紫菊賞だ。デビュー戦のハイペース芝1600m戦16頭から一転して、超スローの芝1800m6頭立て。それでも流れの違いに戸惑うことなくラスト3F33秒3の末脚で突き抜けて見せた。
来春の牡馬クラシック候補が集う秋の京都1勝クラス芝1800m戦を、牝馬が勝つのは容易では無い。2014年に創設された紫菊賞も過去10年の勝ち馬は全て牡馬。少々古い話だが2006年の黄菊賞では女傑ウオッカですら2着に敗れ、次走で阪神ジュベナイルFを制している。
現時点で歴史的名牝を超越する戦績を残しながら人気の盲点になっており、どんな競馬を見せてくれるか楽しみだ。