元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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今開催は毎週勝利!捌きにも成長の跡あり

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今週の重賞は東京新聞杯ときさらぎ賞。G1の谷間の厳冬期なので今週もG3が2つだけだが、春のG1が見えてくるようなメンバーが揃っている。

東京新聞杯はやはりマスクトディーヴァの競馬ぶりに注目。秋華賞でリバティアイランドに迫った馬がG3からの始動となれば軽くは扱えない。休み明けの始動戦としては調教も良く見えたからね。

あとはウンブライルとジャスティンカフェ。基本的に勝ち負けを争うのはここまでの3頭だと思うけど、馬券的に面白そうな1頭がサクラトゥジュールかな。

以前にも何度か話題にしたことがある、乗り難しさはあるが能力は高いという馬。前走はプラス22キロも影響していただろうし、キング騎手は二度目の騎乗で、最内枠、マイルへの距離短縮。ここで変わる可能性はありそうだよ。

きさらぎ賞はビザンチンドリームを筆頭に、ファーヴェント、レガーロデルシエロ、ヴェロキラプトルまでかな。個人的な見立てでは、今年のきさらぎ賞にはクラシックの主役はいないんじゃないかと思っているが…それを覆すようなパフォーマンスを見せる馬が出てきてくれるかな。

そして、重賞のない小倉でも、ここでチャンスを掴みたい騎手たちの争いが面白い。

小林美駒騎手は小倉開催が始まってから毎週勝利を挙げている。勝つ時は逃げ先行が多いけど、最近は捌く競馬も上手くなってきていると感じるね。

丹内祐次騎手もローカルでは常に上位の存在になっている。今年こそ怪我なく12か月間騎乗して、キャリアハイをさらに更新してもらいたいね。

日曜日の小倉はここまで勝ち星上位の鮫島克駿騎手や西村淳也騎手、藤岡佑介騎手といった騎手が不在。その分で若手騎手にもチャンスが巡ってきそうだよ。

日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
小倉1Rダ1700mショーヴァロンスC
小倉3Rダ1000mコスモジョセフA
小倉8Rダ1700mヘネラリーフェC
小倉12R芝1200mマイレーヌB


先週の根岸SとシルクロードSは、ともに馬券的には堅めの決着。強い馬が強い勝ち方をしたという点では、G1の前哨戦として価値のあるものになったんじゃないかな。

シルクロードSのルガルは想像以上の突き抜け方だった。西村淳也騎手はこれで早くも今年の重賞2勝目。コンビ継続なら高松宮記念でも力が入るだろうね。

根岸Sのエンペラーワケアも時計こそ平凡だったが、厳しいところからアッサリ抜けてきたし、まだまだ余裕のある勝ち方だった。混戦ムードのフェブラリーSに勢力図を動かす1頭が出てきたね。まだ出否は確定していないようだが。

一方で、根岸Sについては5着のフルムがもったいなかったね。

先週のコラムで水口騎手について「レースでも遠慮してしまうというか、思い切って勝ちに行くという姿勢が足りない」という課題を指摘させてもらったが、根岸Sはまさにそういう面が出てしまったように見えた。

4コーナーまでは非常に上手く乗っていたように見えたし、手応え的にも上位争いになるんじゃないかと思えたが、直線に向いてからが後手後手に。

シャマルに寄られ、サンライズフレイムに先に進路を取られ、追い出しが遅れてゴール前では脚を余した感じでゴール。もっと判断よく、自分で勝ちにいく乗り方ができれば2~3着はあったんじゃないかな。

あの負け方だと、次もフルムに乗せてくれるかどうかも心配になってしまう。懇意のオーナーの馬なので大丈夫かもしれないが、せっかくの重賞を狙えるお手馬を自分のミスで失うようなことは無いようにしてもらいたい。


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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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