うまスクエア

元教官・蓑田早人の蓑田塾

2度目の騎乗で前進期待

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こんばんは。蓑田です。

先週の競馬で良い方で目立っていたのは藤岡康太騎手。見事にマカヒキの復活を導いた。私も応援はしていたが、さすがに馬券には出来なかったね(笑)

浜中らと同じ23期生で、私の教え子としては5世代目かな。学校に入ってくるときに入れ替わりで騎手デビューした佑介に康太のことを聞いたら「泣き虫なヤツで、教えるのは大変だと思いますよ」と言われたのは覚えているよ。実際は全然そんなこと無かったがね。

ちなみに、兄の佑介は頭で乗るタイプで、弟の康太は勘で乗るタイプ。兄弟なのに騎手としては全然違うタイプだね。マカヒキも康太の良いところが出た勝ち方だったと思う。

今は毎年50勝くらいを挙げていて、重賞やG1にも普通に乗っている。世間的には中堅といった評価だろうか。

ただ、私としては本当ならもっと活躍できてもいいと思っている。学校にいた時から将来は相当やれるだろうなと直感的に感じていた一人だったし、G1もかなり早くに勝てたからな。

現状の成績からもう一段上に行けないのは、怪我が多いのと、身長が伸びすぎてしまったからなのだろう。なかなか今は一番良かった頃のフォームでは乗れていない。身長は武豊とほとんど変わらないが、武豊が背の高さを感じさせない騎乗をするのに対し、ちょっと康太は自分の体を持て余すような騎乗に見えてしまう。

今週は秋華賞でミスフィガロに騎乗。マカヒキと同じ厩舎、同じオーナーなので、それで話題になっているんだな。

ミスフィガロも教え子の騎乗馬として注目はするが、馬券はどうかな。日曜日の騎乗馬で面白そうなのは8Rのタイミングナウ。前走が初コンビだったが逃げて5着と新たな面を引き出す競馬を見せた。マカヒキと同じように、2度目の騎乗でさらに。

日曜の騎乗一覧と評価

レース	条件	馬名	評価
阪神4R	ダ1800m	キューバンピート	B
阪神5R	芝1600m	レイビル	B
阪神8R	ダ1400m	タイミングナウ	A
阪神10R	芝1800m	ヒーリングマインド	C
阪神11R	芝2000m	ミスフィガロ	B
阪神12R	ダ1800m	サンライズセナ	B

先週レースに復帰し、このコラムでも取り上げさせてもらった古川奈穂騎手。ハッキリ言って、先週の騎乗は残念なものだった。

おそらく、毎週競馬を見ている方ならば奈穂の騎乗が下手、というか明らかに不自然だったのは分かったと思う。私も心配になって開催が終わった後にパトロールビデオを何度も見直した。

先週の騎乗が良くなかった原因は、明らかに下半身。休んでいる間に鍛えていなかったのか…、明らかに力が無くてバランスもバラバラ。あれではまともに乗れるはずがない。

復帰戦での落馬はスタートの時にトモが前脚に引っ掛かったせいで、奈穂のせいではない。とはいえ復帰戦でイキナリ落馬となるとその後の精神面には影響しただろう。それでも悪かったのは体の方の準備不足だ。

ちゃんと復帰までのスケジュールを立てて調教に乗ったり取材を受けたりしていたので準備は万端なのだろうと思っていただけに、まさかあれほど弱っているとは思わなかった。

奈穂にはもちろん電話をして話をしたが、休んでいる間に何をしていたのかと聞くと、スクワットと体幹トレーニングはしていたと。トレーニングは外部のトレーナーを付けていたそうだが…。この件については思うところがあるが、語ると長くなるので次週以降に回すことにしたい。

話を聞いた後、奈穂にはスクワットはしっかり続けて、あとは体幹とか何とかの聞こえの良いトレーニングより、とにかく木馬に乗って鍛え直せと言っておいた。今の状態ではとてもまともなレースにならないし、これでは馬券を買ってくれるファンにも失礼。本当に今はそういうレベルになってしまっている。

下半身が弱っていると騎乗中に左右のバランスが取れずガタガタになる。そうなると馬をコントロールできなくなり、行きたいところに馬を導けない。位置取りがどうとか仕掛けのタイミングがどうとか以前の問題だ。

土曜日の騎乗も先週から改善が無かった。どのレースも同じように馬群の外を回って、道中で馬を抑えられずに上がっていって、コーナーでは膨れて…。3Rのシエロフェイスは2着だったが、あんなのはカラ馬が自分勝手に走っているのと変わらない。

だいぶ厳しい話をしてしまったが、それも本当はもっとやれると期待しているから。実際、休むまでの2か月は良い騎乗ができていた。それに、良い馬に乗せてくれている矢作厩舎、応援してくれるファンにも応えないといけない。しっかり頑張って、早くまともにレースに参加できる状態に戻ってもらいたいね。


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