元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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活躍が続く35期生!

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こんばんは。蓑田です。

今週も注目騎手は35期生。通算の勝利数は同期の中で5番目の90勝ながら、レイハリアという相棒に恵まれて重賞を2勝している亀田温心騎手

この名前でデビュー当時から話題になっていた亀田だが、顔はいかついが性格は名前そのものという感じ。本当にやさしい性格で、騎手として勝ち負けを競うならもう少しガツガツ行ってもいいかなと思うこともあったね。

この世代はもっと上がいるので比較されてしまうが、デビュー3年間で90勝なら十分。むしろ、同期や近い世代の若手が出世すると、その分チャンスが奪われてしまうということもあるが、亀田は岩田望来、団野、斎藤新と争いながら騎乗機会も勝ち星も減らしていないのだから頑張っている方だ。

現在の成績の差は、デビュー1年目に成績が伸びなかった分だろう。これには理由があって、競馬学校にいた頃からムチの使い方がなかなか上達しなくて、デビューしてからも最初の半年くらいはそこが他よりも劣っていたんだ。

厩舎の人間もよく見ていて、同じ新人、同じ3キロ減なら少しでも欠点がなく乗れる方を使おうとなるからね。競馬学校をちゃんと卒業できた騎手なら、ほとんど技術的に大きな差はないものだけど、だからこそムチの持ち替え、騎乗姿勢、ポジション取り、そういう細かいところで差が付くもの。

2年目は40勝、3年目は38勝を挙げているように、今はもう技術的に気になるところはない。まだ少し競馬で勝ちに行く姿勢に甘いところはあるけど、今年もしっかり成績を伸ばしてくれるだろう。

今週は土日とも小倉。重賞には乗らないが、レイハリアも新潟のローカル開催で縁ができた馬だし、ローカルで騎乗機会を増やして顔を広げるというのも若手騎手にとっては良いことだ。

日曜日の騎乗馬で最もチャンスがありそうなのは9Rヤマニンガラッシア。美浦の辻哲英厩舎の管理馬で、亀田は辻厩舎の馬に中京、新潟、福島それぞれのローカル開催で騎乗経験があるそうだ。そこでの騎乗内容が認められたからこそ、今回も勝ち負けになる馬を託してくれたのだろう。

レイハリアも美浦の馬だし、時に東西の垣根なくコンビを組むことになるのがローカル開催の面白さ。若手のうちに顔を広げておくことは将来のためになるはずだよ。

日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
小倉2R芝1800mボルダーズビーチC
小倉5R芝1800mスウィートスカーC
小倉6R芝1200mレンヌメファC
小倉7R芝2000mビュークレストC
小倉8Rダ1700mブロッコリーB
小倉9R芝1200mヤマニンガラッシアA
小倉10R芝2600mコスモジェミラB
小倉11Rダ1700mホウオウライジンC


先週は注目騎手として35期生の斎藤新騎手を取り上げたが、その途端に京成杯で同期の菅原明良騎手がオニャンコポンとともに重賞勝利。さらに団野大成騎手もヴェローナシチーで3着に食い込んだ。

斎藤新は準メインのオヌシナニモノのために中山に来ていて京成杯には乗り馬がいなかったので同期の活躍を目の前で見届ける格好となったが、いい刺激になったんじゃないかな。

これで35期生は斎藤新の中山金杯勝ちに続いて今年の重賞2勝目。今週は、菅原明良の乗り替わりは心配だが、東海Sで岩田望来がグレートタイム、団野がオーヴェルニュに騎乗する。デビュー4年目の世代がこうやって毎週当たり前のように重賞に乗る機会を得ているのは、実はすごいことだよ。

岩田望来はなぜ重賞を勝てないのかが不思議。近頃は競馬ファンの間でも「望来は重賞を勝てない」なんて話が広まっているようで、時にはこのことを揶揄するような取り上げ方もされているのは心苦しいが…。

まあ、下手だから勝てないという訳ではないし、重賞を勝てるかどうかは巡り合わせの問題。重賞以外でしっかり結果を出しているから騎乗機会が減ることもないし、いつかポンと勝てるだろう。どうせなら、大穴で勝ってみんなをアッと言わせてほしいね(笑)

もう一点、今週の東海Sから。おそらく馬券には関係しないだろうけど、シャイニービームに騎乗する加藤祥太騎手。

重賞での騎乗は去年の中京記念以来だから、ほぼ半年ぶり。重賞を勝つチャンスがあったミスニューヨークを手放すことになってからは、なかなか大きいレースで乗る機会が無くなってしまっていた。

成績もなかなか伸びず、いわゆる苦しい立場にいる若手騎手の一人だが、こういう状況で重賞に乗るチャンスを貰った時の心構えを大切にしてもらいたいと思っている。

おそらく人気は下から数えた方が早いだろうし、勝つとか馬券に絡むというのは高望みかもしれないが、だからといって下馬評通りの結果で仕方ないと思わず、内容のある競馬をして一つでも上の着順を取ろうという意地を見せてもらいたい。

おそらく一般の競馬ファンはシャイニービームも加藤のことも気にしないだろうけど、今回で言えば騎乗を依頼した羽月友彦厩舎の人々や、オーナー、生産者関係者は加藤がどう乗るかをちゃんと見ている。

たとえ着順がふるわなかったとしても、最善を目指す姿勢を見せれば関係者の評価に繋がるものだ。例えば一口馬主やPOGなんかでも、自分の馬が重賞やG1に出た時、いくら人気がなくて現実的には期待薄だったとしても、鞍上に最初から諦めているような乗り方をされたら悲しいだろう。

加藤のような立場にいる騎手は、地道に一つ一つ信頼を勝ち取っていくしかない。重賞に乗れる機会を得たら、まずは内容的に評価される騎乗をしてもらいたいね。

同じ意味で、AJCCのアサマノイタズラに騎乗する嶋田純次騎手にも頑張ってもらいたい。こちらも色々と事情に恵まれてコンビ復活となったようだが、二度とこの馬は手放さないくらいの気合いを自身の騎乗で見せてもらいたいよ。


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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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