元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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経験値は相当なもの

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こんばんは。蓑田です。

先週デビューした新人の中で、結果こそ伴わなかったけど騎乗内容に見どころを感じたのが西塚洸二騎手。人気のない馬でも内を通してしぶとく伸びたり、自分から仕掛けて粘り込むレースがあったりと、考えて乗れている印象があった。

日曜日は所属する鹿戸雄一厩舎が3Rインブリウム7Rスクルトゥーラ9Rマッチレスノヴェルと3頭を用意してくれている。どれもデビュー2週目の新人に任せるのが勿体ないような素質馬で、何とか勝たせてやりたいという厩舎の気持ちを感じるよ。

西塚は父親の仕事の関係か何かで、ニュージーランドで育った。学校にいた時には表には出さなかったが、色々と苦労することはあったと思う。特に学科が大変だったんじゃないかな。それでも裏で人一倍努力していたんだろうね。

馬乗りに関しては、ニュージーランドにいた頃からポニーレースとかに乗っていたようだし、日本では馬術の大会で優勝している。競馬学校に入るまでの経験値は相当なものだった。

そして、鹿戸雄一厩舎に入るキッカケになったのも馬術大会の縁なんだ。鹿戸師の息子も騎手を目指していて、結局は体が大きくなり過ぎたということで騎手は諦めて馬術の道に進んだんだが、その鹿戸の息子と西塚が、馬術の大会でよく顔を合わせる知り合いだったそうだ。

それで、息子が鹿戸師に「馬術の仲間に騎手を目指している子がいる。才能があるから縁があったら預かってやってほしい」という話をして、本当にそこからの縁で鹿戸厩舎が西塚を預かることになったんだ。実際に鹿戸師の方から申し出があったそうだからね。

鹿戸厩舎には三浦皇成という良い先輩がいるし、今や鹿戸厩舎も美浦ではトップに迫るような立場。しっかり信頼関係を深めてやっていければ、早い段階で大活躍するところを見られるかもしれないよ。

日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
中山3Rダ1800mインブリウムB
中山7R芝1200mスクルトゥーラA
中山9R芝1800mマッチレスノヴェルB
中山12Rダ1200mバイタライズB


改めて、先週デビューした新人騎手たちについて。

まずは角田大河騎手。今週の土曜日は衝撃的なデビューの効果もあったのか中京で特別戦を含む8鞍に騎乗。3着2回とまずまずの結果を残した。

大河は最初から普通に乗れていたというのが凄いところ。新人騎手らしい緊張や力みが全然なかったね。ただ、あれでも本人としてはやりたいことを出来た訳ではなかったんじゃないかな。ムチの持ち替えとか、実際のレースで対応できていないところはあった。とはいえ結果は100点満点以上だろう。

今村聖奈騎手については、課題の見えたデビュー週だったかな。

道中はすごく良い姿勢で乗れていて、やっぱり上手だなと思ったんだけど、勝負どころに入ってから課題が出ていたね。

去年の永島まなみと同じで、3~4コーナーの勝負どころで前に馬を置いて進めたいところを、我慢できずに外にはみ出してしまうんだ。そうなるとどんどん外を回されることになり、ロスが大きくなってしまう。

確かに、馬群の中で前の馬と距離が近いのは怖さもあるけど、そこをタイトに回ってこないと直線に入ってからの脚が違ってくる。その意味では、本人としてはストレスの溜まる競馬だったかもしれないけど、エンドウノハナに乗って8着だった日曜阪神5Rはコーナーで最内を回って直線で最後まで脚を使う競馬が出来たからいい経験になったと思うよ。

今週は大河に続く新人騎手の初勝利が見られるだろうか。先週はあまりチャンスがなかった美浦の佐々木、西塚が良い馬に乗せてもらっている印象があるので、日曜日は中山の方に注目してみたい。

重賞も今は春のG1戦線に向けたトライアルの時期。金鯱賞は大阪杯を見据えてレイパパレかジャックドールの強い競馬に期待。フィリーズレビューは相当難しいけど、ナムラクレアはここなら大丈夫とみて、そこからモチベーションとかウィリン、ゼロドラゴンといった、一芸のある馬や底を見せていない馬への穴馬券を狙ってみたいね。

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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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