元競馬学校教官・蓑田早人の蓑田塾

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教官イチオシの乗れる若手ジョッキー

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こんばんは。蓑田です。

今週は永野猛蔵について取り上げてみようと思う。

技術的には学校にいた時からずっと上手い方だった。ただ、最初は生真面目すぎて応用が利かないようなところがあって、模擬レースでちゃんと乗れるようになるのには少し時間が掛かったのを覚えている。

模擬レースは勝つために乗るのは当然だが、コーナーや直線で手前を換えたり、ムチを持ち替えたりといった課題も出して乗ってもらうことになる。永野は律義すぎるというか、例えば模擬レースで馬が内にモタれているのに無理やりムチを持ち替えて、終わった後に聞いたら「直線でムチを持ち替えろって言われていたから…」とかな。

ただ、真面目で努力家な子だから、何かが上手くいかなくても一度「こういう時はこうなんだ」と教えると、ちゃんと受け入れてすぐに修正していった。だからどんどん上手くなったし、イキナリ勝って驚いた小沢と違って、永野は勝てて当然という気持ちで見ていたよ。

また、印象に残っているのがデビュー初日のこと。その日は小島太さんと一緒にレースを見ていたんだが、「この子乗れるなぁ」と小島太さんがレースを見て感心していたのが永野だったんだ。「伊藤圭三のとこのアンちゃん乗れるわ」とね。

伊藤圭三調教師もしっかり指導してくれるタイプなので、人の助言を素直に聞いて上手くなる永野とは合っていると思う。何より、“減量より技量”の美浦でこれだけ多くのレースに乗れているのは、関係者が永野の腕を認めてくれているから。さっきの小島太さんの話もそうだが、見てる人はちゃんと見てくれているよ。

今週の日曜日は8鞍に騎乗。福永や松山、川田といった関西のトップジョッキーが来ているのにこれだけ騎乗機会があるのは立派だね。

所属する伊藤圭三厩舎にダート馬が多いということもあるが、永野はここまでの16勝のうち15勝がダート。さらにそのうち10勝が1200m~1600mということで、ダートの短いところでしっかり3キロ減の利点を活かす競馬ができている。

この点も踏まえて、永野猛蔵の日曜一番には2Rソニックムーヴを挙げておきたい。春の新潟では菅原明良が乗っていたが、今回は厩舎サイドが3キロ減を求めて早めに永野に依頼を出したそうだ。

ソニックムーヴの前走はスタートと3コーナーで立て続けに不利を受けて競馬になっていなかったし、まともに走れば未勝利は勝てそうな馬。大外枠もプラスに捉えて積極的な競馬をしてもらいたい。

日曜の騎乗一覧と評価

レース条件馬名評価
新潟1R芝1600mネネB
新潟2Rダ1200mソニックムーヴA
新潟3R芝1400mレインボークラウドC
新潟4Rダ1800mルタピヴォランC
新潟6R芝1400mナンベイコーC
新潟8Rダ1200mアンコールプレスC
新潟9Rダ1800mキョウエイパラストB
新潟12R芝1600mグレンフィナンA


先週は函館2歳Sでナムラリコリスに騎乗した泉谷楓真騎手が勝利。これが重賞初勝利で、デビュー2年目の36期生の中でも重賞制覇一番乗りということになった。

今年はとにかく若手騎手の初重賞勝ちが多いというのは競馬ファンの方々も意識しているところだと思うが、ついこの間まで競馬学校で教えていた生徒たちが大きいレースで活躍しているのは嬉しいね。

先週取り上げた菅原明良も日曜日に1つ勝って101勝に到達し、今週からは減量卒業。若手騎手という括りでは横山武史が一歩抜け出した感じがあるが、35期生たちもそう遠くないうちに誰かがエフフォーリアのような相棒を見つけて一気に飛躍するんじゃないかと期待している。

さて、今までも少しずつ話してきたが、今回は37期生、すなわち今年デビューした新人騎手についてまた少し触れてみようと思う。

デビューから半年弱くらいが経ったが、既に永野猛蔵、小沢大仁、角田大和の3人が10勝越え。今年はそれぞれが良い師匠に恵まれていて全然レースで乗せてもらえないという子もいないし、ここまではかなり順調にきているんじゃないかな。

先週は永野が日曜日の福島で連勝して、一旦同期の中で勝ち星トップに。今週の土曜日も角田が新潟、西谷凜と小沢が函館で勝っている。2場開催で依頼を貰うのも大変な中、3キロ減の恩恵はあるにせよ本当によく頑張っているよ。

実は、小沢は卒業までずっと技術的なところに不安があって、デビューするまでは本当に騎手としてやっていけるかと気にしていたんだ。それが最初からポンポンと勝つもんだから、あれは小沢じゃないんじゃないかと思ったよ。

角田は馬乗りは上手いしバックアップにも恵まれているが、ちょっと力むところがある。もしかすると、それが2、3着が多くて勝ち切れないレースが多い原因かもしれん。ただ、その辺りは経験を積んでいけば気にならなくなるんじゃないか。

横山琉人は夏の北海道で伸びると期待していたが…。調教で落ちて骨折してしまったらしいな。幸い復帰に時間は掛からないようだし、腐らず頑張ってもらいたい。


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蓑田早人・プロフィール

卓越した騎乗技術を武器に、騎手として北海道などローカル開催を中心に活躍。引退するまで、日本騎手クラブ副会長を務めるなど騎手の地位向上にも尽力。その後、競馬学校の専任教官へ就任(石橋脩騎手ら第19期生より指導を担当)。川田将雅騎手、松山弘平騎手をはじめ、吉田隼人騎手、三浦皇成騎手、藤田菜七子騎手など教え子が多くいる。

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